表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/48

十一.水の神の力

ショッピングモールを出て河川敷を歩いていた。

河川敷では。

サッカーをしてる人。

キャッチボールをしてる人。

走ってる人。


色んな人がいる。

その人達を眺めてリエルは感心する。


「へぇ。なんかあれボールっていうんだっけ? あれで遊んでる人とか結構いるんだねぇ。1個のボールで遊んでるんでしょ?」


「そうねぇ、野球は9人だっけ? 10人だっけ? でやるし、サッカーも同じくらいの人数でやるわ」


「ふーん。小さいボールの方は?」


「野球ね。で、蹴ってるのがサッカーよ」


「ふーん。面白そうだなぁ」


「今度、キャッチボールでもする? 私は体育でしかやった事ないけど、適当なボールでも出来るし」


「うん! やろう! 次会った時ね!」


少年のように喜ぶ。

飛び跳ねている。


「わかったから、落ち着きなさいよ」


「もう楽しみ!」


ニカッと笑うリエル。

その顔が日向は好きだ。

顔を合わせていられなくて、目線を外す。


すると、少し先の方でバーベキューをしている。

結構な団体である。


「あれは、何してるんだろう?」


「あぁ。あれは、バーベキューって言って、炭に火をつけて網で肉とか野菜とかを焼いて食べるのよ」


「へぇ! それも楽しそう! 日向! それもやろう!」


「いいわよ、えんじいにも話してみましょ? 神社の敷地でできると思うわよ?」


「やったぁ! いやー! 楽しみがいっぱいだぁぁ!」


大はしゃぎである。

日向には何気無くても。

リエルはこんなにも楽しいと感じる。

過ごしてきた場所が違うだけで。

こんなにも感じ方が違うのは、不思議なものだ。


何気なく川の方を見る。

黒い点が流れているのが見えた。


何あれ?

誰かゴミでも流したのかしら?


目を凝らす。

バシャバシャと水しぶきが立っている、


あれ?

人?


「リエル! あの川に流れてるの見える?」


「子供だ!」


そういうと一目散に川の方へ降りていく。

全速で走る。

キャッチボールしてる人を横切る。

リエルの必死の形相を見て。

進行方向を見ると川だ。


キャッチボールしてる人も気づいた。

人が流されているのことに。


リエルは川の側まで来るが。

泳げないのだ。


どうにかならないか!?

助けたい!

ホノカ!

頼む!

どうにかならないか!?


『私の領分ではありませんが、水の神に呼びかけてみましょう』


すると、数瞬して呼び掛けに応じたようだ。


『誰かと思えば火の神ではないですか。如何したんです?』


『この人間に力を貸して欲しい』


『おぉ。こんなに綺麗な魂は初めて見ました。そなたの中に流れる力は清いようね。面白いわ。まずは一度力を貸してみましょう。我は天之水アメノというのもですわ。私の名において願いなさい』


水の神、アメノ様!

ありがとうございます!

力を借ります!


「アメノの名において願う! 水よ! 私を避けて流れて!」


そういうと少しずつ川に入っていく。

すると、リエルの周りを避けるように一切水が寄り付かない。

スイスイ流れてくる子供の元へ歩く。

砂利で歩きづらいが、歩ける。


川の流れが早い。

追いつけない!


「水よ!こっちに流れて!」


手を向けて願う。

川の流れが手を向けた所だけ変わる。

子供がリエルの方に流れてくる。


「その調子! そのまま来い!」


子供が上手く流れてきた。

受け止める。

そのまま抱いて岸まで連れていく。


服が水を含んで重い。

少しずつ確実に岸に運ぶ。


「リエル! もう少しよ!」


岸に足をかけると。

周りの人が手を差し伸べてくれる。


「「「「わぁぁぁ!」」」」


歓声が上がる。

人が助かったのだ。

周りは不思議とリエルの濡れてないことに気付いていない。


「凄いよ! 君!」


「凄い勇気ねぇ!」


「よくやったよ!」


「息をしてない! 人工呼吸だ!」


大人の人が見ていて歯痒い思いをしていたのだろう。

口々に賞賛の声が聞こえる。

しかし、息をしていない。

周りの大人が人工呼吸を行う。

騒ぎを聞き付けた親が駆けつけた。


「はやと!」


寝かされた子供に駆け寄る。

男の人が子供の胸を押している。

すると、口から水が溢れた。

ゴボッと水を出すと咳き込む。


「ゴホッゴホッゴホッ! はぁはぁ」


子供が咳き込んでいるが、息はしていた。


「よかった! 助かった!」


「息したわね!」


「はやと! 大丈夫か!」


目を少し開けている。


「パパ?」


「あぁ! よかった! ありがとうございます! ありがとうございます!」


周りの大人に礼を言っている。

すると大人の人はリエルを指さした。


「あの子が川から救い出したんだ! 救助してくれたのは彼だよ!」


父親が駆け寄ってくる。

見ると涙を流していた。


「本当に、本当に有難う御座いました」


深々とお辞儀をする。


「少し目を離した隙に流されたみたいで、気付いた時にはどこに行ったか分からなくなってしまって……」


「いえ、助かって良かったです! 僕も必死だったので」


「有難う御座いました! お名前を伺っても宜しいですか?」


「あっ。リエルって言います。この先の神社で神楽さんにお世話になってまして」


「あっ! あのお爺さんのところの!? 何と、神様が助けてくれたようだ! 有難う御座います!」


両手を合わせて拝まれる。

リエルが神であるかのように。

神の力を借りているので。

あながち間違ってはいない。


「い、いえ! では、行きますので!」


そういうと日向の元へ行く。


「必ず! お礼に伺います!」


大きい声で訴えてくる両親。

照れながら手を振る。


「良いですって! では!」


日向の元へ行くと。

手を引いてかける。


「えっ? ちょっ!」


走る走る。

見えなくなると。

スピードを緩める。


「ちょっと! はぁ。はぁ。はぁ。なんなのよ!」


手を振りほどく日向。

肩で息をしながら、膝に手をついて。

息を整える。


「はぁ。はぁ。こっちだって聞きたいことあるんだからね!」


「はぁ。はぁ。何を?」


「いやいや! まず! なんで、服濡れてないの!? 川に入ったんでしょ?」


「それは、水が僕を避けて通ってくれたからだよ」


「ん?」


「ん?」


「ん? じゃないわよ! 意味がわかんないって! 何? 水が僕を避けたからだよ? はぁ?」


「ん?」


「ねぇ! ふざけないで! どういう事かちゃんと教えてよ!」


「んー。まぁ、なんて言うか、神様に力を借りたの!」


「神の力?」


「そう。まぁ、信用出来ないよね? んー。ちょっとおりてみる?」


川の方に二人で歩いていく。

キョロキョロみて、誰もいないところを確認する。

手をかざす。


「見ててね? ちょっとだけ、力を貸してください! アメノの名において願う。水よ。止まって!」


手をかざしている範囲の水が。

ピタリと止まっている。


「ね? わかる?」


「た、確かに……止まっているわね」


「水よ。ありがとう」


再び流れ出す。

これを見て信用したようだ。


「えっ!? これがリエルの神通力なの?」


「そう。みたい? 分かんないんだけど、神様とお話が出来るんだ」


「えんじいより百倍凄いじゃん!」


「いやいや、まだまだえんじいには信仰心が及ばないよ」


「いやいやいや! 能力が凄すぎるよ!? えんじいには言ったの?」


「うん。人前であんまり使うなって言われたんだけど、咄嗟に使っちゃった」


「知ってんだ!? えんじいも驚いたでしょ!?」


「うん。この前の火事の時に同じように子供を助けたんだ」


「あーーっ! そういう事? 火の神様の力を借りて助けたってこと?」


「うん。そういう事!」


「なるほどねぇ。信じるしかないわよねぇ。やっぱり、リエルは凄いわ」


「僕は凄くないよ。神様が凄いんだよ」


「まぁ、そういう事にしておきましょう! ねぇ、お昼ご飯食べよう? お腹空いた!」


「うん。あっ! 僕、えんじいからさっきのお金しか貰ってない!」


「私は財布にお金が無い……ということは……」


「「えんじい!」」


「「あっはははは!」」


「結局えんじい頼り!」


リエルが笑いながら言うと。


「そうね! 行って何か作ってもらおう!」


エイエイオーっと言ってえんじいの元へ向かう。

結局、2人ともえんじいに頼ってしまうのであった、

面白いと思って頂けた方、ブックマークと下の評価をして頂ければ、大変励みになります!

よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=952606491&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ