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一.異世界からの追放

異世界ダースにある青年が暮らしていた。

名はリエル。

青年は自然を愛し、愛されて暮らしていた。


ある時、湖にゴミが捨てられていた。

狩りをしたあとの獣の内蔵などの生ゴミだ。

それを見たリエルはその場でキレイに拾い。

燃やして処理をする。


それを見ていた自然神の水の女神はリエルを大変気に入るのであった。

その水の神に異世界ダースの世界神は、好意を抱いていた。

ダースの世界神は、水の女神がリエルを気に入っているということを知る。


ダースの世界神はリエルに嫉妬してしまった。

自らの力を使い、ダースから追放することにしたのであった。


時は少し遡る。


「あ〜っ。いい天気だなぁ。太陽が有難い。今日も晴れるように祈っておこう」


ホッソリとした銀髪のボブカットの青年が、小屋のような家から出てきた。

太陽に祈りを捧げる。

祈りが終わると畑に向かう。

畑で作物を収穫する。


「いやぁ、有難い。こうして食べていけるのは、土が作物を育ててくれるからです。本当にありがとうございます」


こうして日々感謝しながら過ごしていたのが、リエルである。


ある時、湖に行くと動物の内臓が散乱していた。

それを見たリエル。


「なんで、こんな酷いことができるんだろうか? 湖が汚れてしまうじゃないか!」


リエルは散乱していた生ゴミになる物を拾った。

火打石で薪に火をつけ、焼いた。

穴を掘り埋めて処理したのであった。


リエルは度々湖に来てはゴミを拾って処分していた。

この行いを見ていた水の女神はリエルに感謝と好意を抱いていた。

ただ、感謝や行為を抱いていたのは水の神だけでは無かった。


リエルは世界で稀に生まれる自愛の(じあいのたましい)の持ち主であった。

この魂を持ったものは自然神に愛されるのだ。


とった芋を調理する。


鍋を火にかけてグツグツと煮る。

いい所で鍋から芋をすくう。


「美味しそうにできたなぁ。これも火があるおかげだ。ありがとう」


小さな小屋のような建物で生活していた。

リエル1人で他には誰もいない。

森の中でのゆったりとした1人での生活を送っていた。

10歳くらいの時に育ててくれていたお爺さんが亡くなってから、1人での生活をしていた。

6年も1人での生活を送っていれば、もう慣れたものなのだ。


「あぁー。お腹いっぱいだぁ。今日もいい一日だった。ありがたいなぁ」


そう言って布団に入る。

寝息を立て始めた。



その様子を見ていたのは、異世界ダースの水の神クーアであった。


「あぁ。なんていい子なの。可愛いわぁ。私達への感謝で溢れてる。なんか目が離せないのよねぇ」


その空間へ入ってきた者がいる。


「クーア、何をしていたんだ? 私と共に過ごさないか?」


「んー。辞めとくわ。わたしはこの子の事を見ていたいの。目が離せないし可愛いのよねぇ」


ウットリした目でリエルをみている。

その姿を見ていた異世界ダースの世界神はぐぬぬぬと唸っている。


恨みの籠った目でリエルを見る。

すると、その空間を出ていく。


「断ったこと、後悔するがいい」


そう呟いて空間を出ていくのだった。



朝日で目が覚めたリエル。


布団をたたんで、玄関へ移動する。

カチャっとドアを開けて外に出る。


そこは知らない場所であった。


「えっ!? 何が起こったの!? ここはどこ?」


周りには街灯が灯っている。

箱状の建物に眩い光を放っている。


ブォォォォォ


「うわっ! 眩しい!」


光を放ちながら大きな塊がすごい速さで通り過ぎて行った。


「何なんだ……どこなの? ここは?」


ウロウロするがどこに行っていいか分からない。

サワサワサワという音の先を見る。

木々が揺れている音であった。


自然と木々のある方に歩いていく。

15分くらい歩いただろうか。


気づくと階段の下に来ていた。

訳が分からないまま階段を上がっていく。


上がっていくと、大きな門のようなものが見えた。

その門を潜ると声が聞こえた。


『そなた、何やら異質なモノを感じるな? 本当にこの世界の者か?』


「僕にも分からなんです。気が付いたらここの近くに居ました。自然に惹かれてここに来ました」


『そうであったか。神隠しのようなものにあったのかもしれんなぁ』


「神隠し……ですか?」


『人が忽然と消えたりすることを神隠しと言ってな。そなたは別の世界から来たようですね』


「はぁ。こんな所は見たことがないです。ずっと森の中での生活だったから外は知りません。でも、こんなに自然が少ない世界ではなかった」


『そうでしょうねぇ。でも、貴方からは何か暖かいものを感じます。愛おしいと思ってしまう雰囲気がありますね』


「あなたは……何者ですか?」


『私はこの神社を守護している火の神です』


「神様……ですか。どうか僕をお救い下さい」


『この神社の主がそなたを救ってくれるであろう』


「ありがとうございます」


両手を組んで祈っていると、何者かが近づく気配がした。


「!?」


バッと銀髪を乱して振り向く。

するとそこには上が白衣、下が紫の袴を着たお爺さんがいた。


「お主……その服装……どこから来たんじゃ?」


「&¥=/$@?>」


お爺さんはリエルの言葉を理解することができなかった。


「お主の言葉が理解できないんじゃ。英語でもないようだしのぉ。わしの言っていることはわかるのかい?」


コクコクッと頷くリエル。


「不思議なものじゃて。こっちの言葉は理解できるのに、話せなんじゃのぉ」


再びコクコクと頷くリエル。


「何やら神さんが騒がしいと思うて出てきたらお主がいたんじゃ。何か意味があるんじゃろうて。どうじゃ? ワシのところに来んか?」


コクコクッと頷く。


「いいんじゃな? じゃあ、こっちに来なさい」


そう言うと神社の裏の家屋の方に進んでいく。

中に入る玄関でお爺さんが靴を脱いで入る。

それを見たリエルは困惑していた。


えっ?

そのまま入るの?

足汚いかもしれない……


リエルは裸足で生活していた。

その為、足の裏が汚くなってしまっていた。

あちらの世界では家に入る時は軽く拭いてから入っていたのだ。


「なんじゃ? あぁ。そうか。待っておれ」


そう言うと奥に消える。

数分して戻ってきたおじいさんの手には濡れたタオルが握られていた。


「ほれ! これで拭くんじゃ」


コクッと頷くとタオルを受け取る。

手で触った感触がとても柔らかかった。


「!?」


これにリエルは驚いた。


何これ!?

すごく柔らかい!

なんかいい匂いがする!


クンカクンカと嗅いでいるリエル。

それを見てお爺さんは笑ってしまった。


「アッハッハッ! タオルがそんなに珍しいかい? その格好と言い、違う世界から来たみたいじゃなぁ」


顔を赤くしてる。

頭をカキカキして照れている。


「それで足を拭いてごらん。汚れがよく取れるよ?」


そう言われては吹いてみたくなる。

玄関に座り、言われた通りに足の裏を吹いてみる。


フキフキ


!?


凄い綺麗に取れる!

何この布!?

すごい!

それにこんなにゴシゴシ吹いても痛くない!

いつもの布だと少しこすっても痛いのに!


両足を綺麗に拭く。

すると、当然白いタオルは黒々としたタオルになってしまった。


シュンとしていると。


「なんじゃ? 拭けたならタオルは貰うよ?」


突然頭を下げるリエル。

泣きそうな顔をしている。


「もしかしてタオルのことを気にしてるのかい?」


コクコクッとまた頷いた。


「お主が何も気にするこたぁない! こんな汚れはすぐ取れる! うちの孫なんてもっと汚してきちまうんだから!」


笑いながら話すお爺さんを見て安心したのであった。


「入っておいで」


玄関から中に入っていく。


ここからリエルにとっての異世界での生活が始まったのであった。

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