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ノアとの出会い


 未緒達に話しかけた少女はノアと名乗った。聞けば彼女はこの『秘宝の星』に暮らしているらしい。

「ええ、確かに僕達はこの星から遠く離れた地球という星からやって来ました。」

ノアは未緒よりも年上だが、類と萌香よりは年下に見えた。恐らく十四歳くらいだろう。その年齢の割には、ノアは落ち着いて見えた。

「そうなのですね、ここまで長い旅だったでしょうに…」

「僕達はもっと遠くへ行きますよ」

それを聞くと、ノアは驚いた。ここから地球までもかなり遠いはずだったろうに、更に三人は更に遠くへ行こうとしているのだ。宇宙の旅には強い信念が必要だ。特にノアは、自分よりも幼い未緒がその旅に身を投げ出している事に驚いている。

「凄いですね…」

「私達は『終着駅』に向かって旅しているのよ」

萌香の話を聞いて、ノアはこう言った。

「あの、私もその旅に付いてきてもよろしいですか?」

ノアがそう尋ねると類は頷いた。

「ええ、構いませんよ。ですかノアさん、切符はお持ちではないでしょうか」

「切符なら持ってます」

ノアはそう言って切符を取り出した。確かにそれは未緒達が持っているものと同じである。

「これを持っているとは…、ノアさんも『選ばれし者』なのですか」

「『選ばれし者』?」

未緒にとっては初めて聞く単語だった。銀河鉄道は誰にも乗れる訳ではないのだろうか。未緒はそれを聞こうとしたが、結局聞き出す事は叶わなかった。




 そして、ノアは未緒達に付いていく事になった。ノアには両親が居るが、ノアだけに切符が渡され、旅立つ事になったらしい。

「もしかして、その列車にはゼットさんが乗っているかもしれないですね」

「ゼットさん?存じないですね、どなたでしょうか?」

「こことは違う星の王で、優れた魔術師であり、化学者でもあります。」

「化学者であり魔術師?魔術と化学は相反するものではないでしょうか?」

類がそう聞くとノアは首を振った。

「そんな事はないですよ、化学は元々錬金術から発達したものらしいですから。」

「というか類、魔術なんて信じてるの?」 

「僕がよく知る方は奇跡を起こせる事が出来ましたから。」

類はそう話したきり急に口を聞かなくなってしまった。急に機嫌を損ねてしまったのだろうか。未緒が何を話しても答えてはくれない。

それを見て萌香は未緒にこう話した。

「未緒ちゃんは魔法ってあると思う?」

「あったら面白いと思うけど…」

「ゼットさんの魔術はそんなに夢があるものではないですよ」

ノアは苦笑いを浮かべながら二人にそう言う。未緒は魔法なのか魔術なのかは名前はどうでもいいが、もしそんな力があったら面白そうだなと考えていた。


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