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秘宝の星


 そして、銀河鉄道は次の目的地であるR-15-111『秘宝の星』へと辿り着いた。そこは一見すると砂漠の星で、遠くの方に背の低い建物が幾つも見える。


 未緒が出会った旅芸人はそこにある居酒屋に来ていた。どうやらここで音楽を演奏しながら生きていくらしい。

「賑やかな星ね」

「ええ、異国情緒が溢れる町ですね」

そこは『機械の星』程技術が進んでいるという訳ではないが、暮らしている人々は皆楽しそうに生きていた。



 『秘宝の星』は豊かな星だった。鉱山からは金銀宝石が採れ、それを加工して装飾品にし、様々な星に売っていた。そのお陰で星の財政は潤い、人々は豊かに暮らしていた。

「この星にはお城があって、王族が暮らしているのだそうです。それは観光地にもなってます。行きませんか?」

「行ってみたい!」

未緒達は、次の列車の出発まで観光を楽しむ事にした。未緒達が持っているお金で装飾品は買えないものの、見るだけで充分だった。




 そして、『秘宝の星』には珍しい食べ物が幾つもあった。それを使った特徴的な郷土料理は見るからに美味しそうだった。だが、それらは皆法外な値段だった。未緒達が持っているお金ではとても買えそうにない。

「それにしても、物価が高いですね。この星では何も買えないかもしれません。」

「お腹空いた…」

「それなら、『機械の星』で買った錠剤をどうぞ」

未緒は仕方なく類が渡して来た錠剤を飲んだ。空腹は抑えられたが、相変わらず食べた気がしなかった。『機械の星』の住民達は産まれてからずっとこれを飲んでいるのだろうか、そんな生活は未緒にとっては耐えられなかった。

「気を取り直して、城の方に行きましょう。」

類は平気な顔をして先に進んで行く。城まではまだ距離がある。乗り物にも乗れない未緒達はずるずる歩いて進んで行った。



 そして、ようやく未緒は城に辿り着いた。観光地というのに入場料は取らないらしく、人々は中に入っていく。

「大体、こういう観光地って入場料取るのに、取らないのね」

「ええ、その代わり厳重な警備がされているようですから」

城の内部には宝石が散りばめられていて、豪華絢爛な印象を与える。

「城に入る観光客はこちらを着けて私達に付いてきてください!」

そんな声が聞こえて、観光客は次々に渡された何かを着けていた。それは未緒達にも渡される。よく見るとそれは、手錠と足枷だった。未緒達はそれを付け、鎖で観光客全員繋がれてしまった。

 そして、未緒達は他の観光客と一緒に見学した。王家に伝わると言われる秘宝は確かにあったが、どれも金庫の中に入っていて、お金を出さないと中を見る事はできない。



 内部を楽しもうとしたのに、これではまるで囚人だ。だが、この厳重な警備はまだ序の口らしい。

「この『秘宝の星』最大の『秘宝』はもっと厳重に保管されているようですから」

「最大の『秘宝』…?」

「ええ、何しろ秘術で『無限の命』が手に入ると言われているものらしいです。」

未緒達を先導する王の使いと思われる者からはその話は出て来なかった。恐らく、その『秘宝』はあまり知られていない話なのだろう。他の観光客もそれを知ってはいないようだった。



 そして、未緒達はようやく手錠と足枷を外され、ようやく外に出た。まともなものを食べず、休みなく歩いていたからか、未緒はヘトヘトだった。近くにあった川の水を飲んで、未緒は座り込む。

「疲れた…」

類と萌香も疲れたようで、未緒の横に座り込んだ。動けるようになるまでここでじっとして、頃合いを見て列車の中に帰ろうと、未緒は思っていた。 



 すると、そんな三人に一人の少女が話しかけて来た。彼女はこの星の人らしく、この地の民族衣装を身にまとっている。

「あの、もしかして他の星の方ですか?」

その少女は不思議そうな顔をして未緒達を見つめていた。

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