第二話 転生して目覚める。
ーーこれ絶対体の節々が痛いやつだ。どうしよう……
と思いながら、重たい瞼を開けると見慣れない天井が目に飛び込んできた。なんか、豪華なシャンデリアまである。
ーー絶対、私の部屋じゃない。夢?
ベタではあるが、試しにほっぺたを引っ張ってみる。普通に痛い。なんなら、すごい肌がスベスベになってる。
ーー絶対おかしい。何かがおかしい……待てよ、まさかの、異世界転生しちゃった?!
ひんやりと冷たい床に足を下ろし、少し部屋を散策してみた。どうやらここの部屋は、ピンクを基調としていて、ベッドやソファなどの家具にはレースやリボンがあしらわれていて、物凄く可愛い。殺伐としていた私の部屋とは大違いだった。
しかも、私の部屋4個分くらいある気がする……すごい高貴なところの女の子に転生したのは、間違いなかった。
ーーカチャ
「セリーヌお嬢様、おはようございます。身支度の準備にやってまいりました。洗顔用のお水をお持ちいたしましいたので、まずはお顔を洗いましょうか。」
数人の使用人らしき方々が、入ってきた。
ーーうわー、小説でしかみたことなーい。
なんて、言ってる場合ではない。本当に、本当に、異世界に転生してしまったのだ。とりあえず、この国のことを知りたい。
「ジゼル。今日の予定は。」
不思議と名前が出てきた。確かこの人は、私のお付きのメイドだった気がする。この子の記憶は、断片的ではあるが残ってるみたいだ。
「本日は、午前中には教養の先生がいらっしゃいます。昼食は、ヴィクトル様がいらっしゃってご一緒に食事をとるそうです。午後はダンスの先生がいらっしゃいます。夜は、いつものように家族でお食事だそうです。ところで、朝食はどうなさいますか?」
貴族忙しいのか。今日は、この国について調べる時間がなさそう。ヴィクトルって、お兄様のことか。
「ありがとう。朝は、何か果物を頂戴。」
「かしこまりました。」
小説読んでるだけあって、振る舞いはかなり貴族じゃない!すごい私!適応能力高い!
とはいえ、この子、元からかなり礼儀正しい子だったみたいで、言葉以外の細かい作法は全部体が覚えていた。
身支度を終えて、教養の先生が来るまで部屋で待つ。その間に、この子について整理してみよう。
名前は、セリーヌ。セリーヌ・ド・ファンティーヌ。多分、年齢は12歳。ヴィクトルとウィリアムって言うお兄さんが2人いて、かなり溺愛されているみたい。身分は、公爵。この身体にも慣れてきたせいか、だんだん思い出してきた。
やっぱり、かなり身分の高いお嬢様なのか。前世の私とは大違い。顔もかなり美形……可愛すぎる……
とはいえ…
こんな可愛く産んでくださったセリーヌのご両親には、失礼極まりないけど……
ーーなんでこんなに悪役令嬢顔なの?!
こんなに可愛いのに、どうしてこんなに悪役令嬢ぽい顔してるのだろう。キリッとした眉毛、少しつり上がってる目、12歳にしては大人びてる…
いや、でも、悪役令嬢顔とはいえ本当に美形。こんな美少女に転生させてくれてありがとう神様。