推しがハーレムに吸収される哀しみを語る
ほぼ読み専時代に書いた、タワゴトです。
普段は異世界恋愛ばっか読んでは、たまに無責任なお話を書いてる、ほぼ読み専のタワゴトです。
なろう系のファンタジージャンルには、チョロイン量産型ハーレムが多々ありまして、何作か読みましては、自分で書くのは難しいジャンルだなあと思い至りました。
チョロイン量産型ハーレムの主人公って、フツーなんですよね。もとがダメニートだろうが、学生だろうが、リーマンだろうが。
フツーの男がフツーじゃない能力を持ったり、ありえないくらい可愛い子にモテモテになったら、チートするか鈍感に徹するか、ラッキースケベに甘んじるしかないじゃないですか。
こういうキャラって女性には書くの難しいなーと思います。ハイ。女性ってこーゆーとこナイーブじゃないからw
ハーレムものって、形を変えたモラトリアム小説なんですよね。自分を好きになってくれた子たちを否定しないことで、甘酸っぱいようなほんわかした時間がゆるやかに続いていく。
そこに種の罪悪感がある作品もあれば、開き直ってる作品もあるけど、昨今はひとりを選ばない傾向にある気がします。
昔の三角関係やハーレムを描いた作品は、最終的にひとりを選びました。
「みゆき」も「気まぐれオレンジロード」も「いちご100パーセント」も。
最終回はモラトリアムの終着駅なのです。
異世界ファンタジーも、ファンタジーの世界から帰ってきました。「ナルニア国物語」も「魔神英雄伝ワタル」も「千と千尋の神隠し」も。
今は割と行ったきりですね。
今の「ひとりを選ばない」「元の世界に戻らない」ってのは、モラトリアムを卒業しなくても生きていける、現代の世相を象徴してるのかもです。
ただ、個人的には「片思いだからこそ、その一途さが可愛い」女の子がハーレムに入っちゃうと、残念だなーと思います。
ハーレムもののヒロインは、主人公に見切りをつけたら悪役かモブになっちゃいますが。ハーレムに入ることで、その個性が薄れて残念だなーってキャラがけっこーいます。
もちろん、作者さんに言ったりしませんが。
だれがどうハーレム要員するかなんて、読者がシノゴノ言ったらいかん領域です。
作者さんにも、それが好きな方にも、大変に失礼だし。
ただ、推しがハーレム要員だと分かった瞬間のそっ閉じは、してます。ゴメンナサイ。
なんかね、いたたまれないんですよ。推しがその他大勢と同じくくりになるって。
今時珍しいピンで歌えるアイドルを、乃木坂46につっこまれた哀しみ、とでも申しましょうか。
いや、乃木坂は可愛いよ? 大好きだよ? でも、今更入るか? 乃木坂のアイドルにトラバーユして、同じ土俵で白石さんやあすにゃんと勝負すんの? いやいや、2列目以降に落ちるでしょ。わー、やっぱ落ちた! みたいな。
ハーレムの舞台が源氏物語とか後宮小説だったり、相手がアレキサンダー大王やら織田信長やらダークシュナイダーみたいな傑物なら、おいしく納得できるんですが。
尤も、ハーレムものの全てが嫌いなわけじゃないし。たまに、すんごい説得力をぶっこんでくる話もあるし。
でも、推しがしあわせな顔でハーレムに吸収されるのは、性根は悪くないんだけど女にだらしない男に惚れきってる娘を見てるみたいで、いたたまれないし。
ここら辺が、ほぼ読み専のジレンマです。