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将校の勇と幽霊少女  作者: 豊田 玲
4/5

想いを伝えられなかった俺は

それはあまりに突然で

悲しい事

次の日の朝

目が覚めるとあきが居ない

一人で散歩に行ったのか?

そう思い基地内を探したが見つからない

あちこちを探した

食料庫も

庭も

会議室

トイレ

だがどこを探しても居ない


まさか、消えた?


昨日した事により未練が無くなって消えたのか?

そんな事が頭をよぎった

いや、諦めるのはまだはやい

俺は今まで二人で行った場所に言ってみた

レストラン

遊園地

映画館

公園

あらゆる所を探したが見つからない


「あきーー!!!」


叫びながら探す

走る

見つからない


やだ、まだ想いを

想いを伝えていない

ただセックスしただけになってしまう


そうだ!あそこなら!


俺は寺に走った


「はぁはぁ……じ、住職さん!!住職さーーん!!」

「おいおいおい、どうしたそんなにボロボロに、疲れて」

「あ、、はぁはぁ、、、あきを……見ませんでしたか」

「あき?みてないが……」

「俺はまだ、、想いを伝えてません!!」


俺はあきの墓に走った

すると


「あき!!」

「……!!いさむ!!」


そこにはあきが居た

よかった

消えてない


「あき!お前どこに……!!」


あきの肩を掴もうとした時

透けた

あきを触れない

何度さわろうとしても

すけてしまう


「いさむ……ごめんなさい…………私未練が無くなったから、、、もう居られないの」

「な、何言ってんだ!!まだやる事はいっぱい!!」


その時気づいた

あきの向こうにある墓が透けてる


「いや、ダメだあき!!だめだ!俺たちはこれからじゃないのか!!!」

「…………いさむ」


あきも泣いていた

その涙を拭うことも出来ない

つい昨日まで一緒にすごしていたのに

触れる事もできない


「いさむ、今までありがとう。私、嬉しかった。誰も私を見つけられないと思っていた。でも、いさむが見つけてくれて、色んなとこに連れてってくれて、色んなもの食べさせてくれた。死んじゃった後だけど、とっても楽しくて幸せだったよ。」


どんどん薄くなる

ダメだ

ダメだダメだダメだ


「あき!!!俺はまだお前に!!言ってない事が!!!」


そして手を伸ばす

掴もうと必死に

頼む

触れてくれ


「さよなら、、いさむ。ありがとね」


あきがそう言った瞬間


消えた


「あ、、、あああああああああああああ!!!!!!!」


泣き叫びその場に崩れる

結局想いは伝わらなかった


「あきぃ……!!!あああ大好きだあああああ」


墓にしがみつく

もうあの感触は戻らない


俺は泣き続けた

声を上げて

ひたすらに

住職は其の様子をずっと見ていた


土曜日の夕暮れ

願っていた成仏は

あまりに突然で

あまりに悲しい結末だった


ふと見上げた空に見たことの無い星が光っている

これは後で調べて分かったことだが

あきが成仏する6年前ほど前に新たに地球に届いたらしいその星の光は

1年ほど前から急に見えなくなっていたそうだ

そしてこの日

再び見える様になったそうだ


その星の名は『秋星』

秋の夕暮れにのみ見えていた事からこの名が付いたそうだ

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