実るはずだがどうしたものか
1 努力は実るはずだがな
ある日の夜のこと・・・・。
『ちきしょう・・・俺の何がいけなかったんだ・・・・』
そう、この話の主人公となる男、その名も【実】。
今日、初めてバスケの試合に出たのだが・・・・
結果は自分のミスで惨敗。
『ああ、そうか俺が悪いんじゃねぇや!』
そう、この男はポジティブすぎる。
そのせいで自分勝手になってしまっている
~翌朝~
外は晴れている
鳥は・・・・まあ鳴いているとしよう
実は昨日の夜のことなんか忘れてしまっていた
『今日もいい天気だな』
そんなことを一人でだべっていたそのとき
窓から勢いよく何かが飛び出してきた
『何だこれ?』
実はその物体を覗き込んだ
『やあ、久しぶり』
その言葉を聴いた実は慌てて布団の中に飛び込んだ
『おい、何でお前がいる。なんでだ・・・・?』
『別にいいじゃないか、元ここに住んでいたのだから』
そう、昔実はネガティブであった。
それを直そうとある呪文を唱えてこの物体を呼び出したのだ
『ナレーション!物体とは酷いなぁ僕にはちゃんと名前はあるさ。僕の名前はリキ。』
『お前誰と話してるんだ?ナレーション?』
『い・・・いや、なんでもないさ!気にしないで』
ここで、こいつは男だと思っただろう。実は女だ〔僕っ子〕だ
『どうして僕がこの世界へもどってきたかって?それは簡単、僕の世界へ旅行しないか?』
『何言ってんの。お前』
『いや・・・・だから・・・・その・・・・旅行行かない?』
『いかねぇよ!学校だってあるからな?』
『大丈夫、旅行が終わったら時間戻してあげるから!』
『何でもありだなこいつは・・・・』
努力は実るはずだがな
『ところで、何で急にそんなこと言い出したんだ?』
『いや、だって君ポジティブになりすぎじゃない?だから、普通ぐらいになるようにしないとなぁと思って』
『何なんだよお前は・・・・』
『お、そろそろ着くよ』
そう、いまはよくある次元移動魔方陣で移動している途中だ
いや、普通のやつは使えない。当たり前だ
『ふう、やっと着いたね実!』
『ほんの10分ぐらいだったけどな』
『おい、もっと盛り上げてくれよ』
実の無愛想な言葉がリキは少し気に入らない
『えっとこの世界は・・・・?』
『リュークデイって場所だよ~、一応地球でいうゲーム世界かな?』
『うわ、マジか・・・・よく見る異世界モノかよ・・・・』
『何がいけないのさ!まあ、旅行だからね。安心しておくれ』
『安心もクソもないな・・・・』
『大丈夫、僕が付いてるから・・・・ってあれ?魔方陣消えてない!?』
((あ・・・・これ帰れなくなるやつだ・・・・))
二人の心の中は同じことを察知していた
『ゴメン・・・・実魔方陣の本おいてきちゃった』
『馬鹿か!終わった・・・・モンスターに食われて死ぬんだ・・・・』
『まあ、なんとかなるさ!努力は実るはずだから』
そういってのんきなリキと無愛想な実の物語が始まる