表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

古城の主

 閑静な村の奥にそびえたつ建物。

 先日、クリーグラン氏が購入した別荘である。

 周りを青々と茂った木々で囲まれた石造りの様子は、まさに「古城」と呼ぶに相応しい。


 そんな「古城」には、毎日のように来客があった。


「マリア君、今日の予定を教えてくれたまえ。」

 クリーグラン氏は秘書の女性に声をかけた。

「本日は、宝石鑑定士のダヴィッド・アライト氏にお越しいただく予定です。」

「おぉ、そうだったな。では、客間の準備をしておいてくれ。」

「かしこまりました。それから、NYのテレビ局のほうから、取材の依頼が来ておりますが、いかがしましょうか?」

「そりゃまた、いったい何の用だね?」

「洞窟のクリスタルについてだったと思われますが。」

「なぜ、テレビ局がそのようなことを……?」

 二人は首をかしげる。

「おそらく、どこからか情報が漏れたのでは……。」

「まぁよい。スケジュールの調整は任せたぞ。」

「はい、承りました。」


 秘書がいなくなった後、クリーグラン氏は洞窟へと向かった。


 洞窟は、建物の奥にある。

 古いアーチの門を押し開けると、崖の斜面にぽっかりと大きな穴が開いている。

 脇にあるスイッチを入れると、ところどころ天井に吊り下げられた裸電球に光が灯り、薄暗い坑道のような通路を照らす。

 村の住民たちは数百年もの間、毎日この道を通っていたらしい。丁寧に手入れされていたのだが、現在は、この道を通るのはクリーグラン氏とその関係者のみ。それもそうだ。ここは今、クリーグラン氏の持ち物。買い取られると決まった時、村の住民は大反対した。なんとも、この城の城主様の眠りを妨げるなとか、災厄が降りかかるだとかなんとか言っていた。しかし、クリーグラン氏はそのようなことを気にする人物ではない。欲しいものは欲しい。誰が反対しようと、力づくで手に入れる。そういう人物だ。結局、金と権力にものを言わせ、城の住民たちを追い出した。

 そこまでして、なぜ、クリーグラン氏はこの城を欲しがったのか?

 その答えが、洞窟の奥に眠っている。


 坑道を進んでいくと、観音開きの少し豪勢な扉が現れる。

 それを両手で押し開けた。


 天井の隙間から差し込む澄んだ太陽光が照らす空間。


 そこで、ひときわ輝くのは、


 壁に埋め込まれた巨大な(ハーキマー)(ダイヤモンド)


 こんなにも美しい宝石、富豪たちは大金をはたいてくれるだろう。そうすれば、自身の富はより増える。


 

 その時彼は知らなかった。


 この夢水晶(クリスタル)に、意思が存在するなんて――――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ