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第7話 成果

涼子さんのお見合いの件も片付き、私も涼子さんも仕事に専念していた。今日は雑誌の写真撮影。明花と同じ現場だった。

「なるほどねー。真子がマネージャーの首に突っ込むとは…。」

「でも仕事に専念していくってさ。」

「真子嬉しそうだね。」

「そんなことないよ。一生独身同士頑張っていくだけ。」

「加守田さん。ちょっと宜しいでしょうか?」

明花がスタッフさんに呼ばれた。

「私、次出番だから行くね。」

しばらくしてから私もスタッフさんに呼ばれた。

「どうかしましたか?」

「すみません原田さん。雑誌の質疑応答に答えてもらえませんか?」

「分かりました。」

明花も私と同じことをしていた。

「真子も?」

「うん。用紙頂戴なー。」

「あいよー。」

私も書き始めた。どれどれ。...芸能活動をどう思っているか?...か。正直私は楽しい反面、ちゃんとしなければいけないと思っていた。勿論謙虚にはしているが女優業を真っ当するには、今のままでは足りないと思っていた。

「真子、ペンが進んでないよ。」

明花の言葉など耳に入ってこなかった。私はとりあえず楽しいと書いた。んで次は?...好きな異性のタイプは何ですか?

「どうでもいいし。」

思わず声が出てしまった。

「どうしたの?さっきから変だよ。」

「いや。異性のタイプとか、恋愛のこととかは考えないようにしているんだよね。」

「私は恋愛したいけどなー。どうして?」

「恋愛しちゃうと仕事にも影響するから。それに応援してくれるファンの人の気持ちを裏切ることにもなるから。」

「真子がそれでいいならいいけど。ただ、本当に愛してくれる人の気持ちだけは踏みにじってはいけないからね。」

「有り得ないけどね。」



その3時間後、涼子さんからメールが届いた。

“連ドラの主演が決まったよ。”

私は少し引っ掛かっていた。

“何時の連ドラですか?”

“深夜の30分。”

“分かりました。ありがとうございます。”

私にはまだゴールデン枠の主演は遠かった。私は落ち込んだ。



家に帰り、しばらく部屋で溜息をついていた。するとパパが部屋に入ってきた。

「何を落ち込んでいる?」

「私には月9向いていないのかな…。」

「お前は、やるべきことをやったのか?」

「え?」

「上ばかり見ていないか?たまには後ろを振り返ろ。大事なものを見落としていないか?」

「それって?」

「深夜での主演が決まったんだろ?まず受けたドラマをやり遂げろよ。」

「………。」

私は何も言い返せなかった。   続く

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