最終話 答え
ドラマが始まる前に私は上米良くんを駅前に呼び出した。
「話って何?」
「ごめんね急に呼び出して。」
「俺こそごめん。傷つけちゃって。でも聞いてくれ。俺は本当に真子のことが好きだ。真子を守れるのは俺だけだと思っているから。それだけは本当に信じてくれ。」
「………ごめん。私決めたの。結婚しない、恋愛もしない。仕事だけで生きていく。上米良くんの気持ちには答えられないから。」
少し黙って上米良くんは言った。
「もう諦めるな。」
「私はね、芸能人と芸能人が結ばれるのが当然だと思っているの。それをパパが証明してくれた。同じレベルじゃないと釣り合わないんだよね。私たちは芸能人だけど、結婚しない人生を選択した。それだけの話。」
上米良くんは納得したようだった。
「良い女優になれよな。」
「上米良くんも。良い俳優になってね。それとドラマ頑張ろうね。」
私はスッキリした。プルルルル...プルルルル...。誰だ?
「もしもし俺だ。明日香が…。」
「ママがどうしたの?」
「心肺停止で亡くなった。」
私は膝を落とした。
私は病院に向かった。病室にはパパがいた。
「パパ。ママは?」
私の正面にはママの遺体が白い布で覆われていた。
「ママ…。ママー。」
私は声をからして泣いた。しばらくしてから涼子さんも走って駆け付けてきた。
「嘘でしょ?どうして…。」
「俺が駆け付けたころには明日香は病院に運ばれていた。」
「ママ...。」
ママはもう帰ってこない。
家に帰ると2人きりだ。ママはもういない。
「真子、どうする?」
「私に聞かないでよ。」
「俺から言わせてもらえば、明日香の分まで生きること。」
「パパは悲しくないの?」
「悲しいに決まってる。でも仕方がないだろ。もう帰ってこないんだから。」
「私が死んだら原田家も終わりだね。結婚した方がいいかな?」
私は苦笑いで言った。
「好きにしろ。お前の人生だ。」
「私は立派な女優になる。ママに見ててもらう。」
恋愛・結婚・お芝居・死、私はたくさんのことを学んだ。嬉しいことや悲しいことがたくさんあった。ママが死んだのは悲しいけど、その分私は生きる。 終わり