第1話 原田真子20歳
お久しぶりです皆さん。私、原田真子。何だかんだで20歳になりました。私は読者モデルから、ちゃんとしたモデルになった。涼子さんも私のマネージャーを続けている。今の私は有名なプロダクション事務所に所属している。
「涼子さん、明日何時から仕事ですか?」
「明日は9時から雑誌の撮影。13時からバラエティーの収録。17時から…。」
あ...忘れたな?
「17時からはドラマの記者会見です。」
「ごめん。」
「涼子さん、忙しくさせて申し訳ないんですけど…。」
「大丈夫よ。何年、真子ちゃんのマネージャーをしてると思っているの。」
大変私は忙しく、高校野球の取材をしてからブレイクしたのだ。中学の頃とは対照的に1日に3つくらい仕事が入るようになった。世の中何があるか分からないね。
現在パパはフリーのアナウンサーになり、ママはキー局のラジオパーソナリティーをしている。今日は3人で仙台に帰るのだ。
「は~。変わっていないな~。」
私はリラックスモードだった。
「真子、気を抜くなよ。」
パパらしいや。
「でも明日が仙台での仕事で良かったね。」
ママもリラックスモードだ。
「とにかく高校にでも行くか?」
私は例のことがあって高校には生理的に受け付けなかった。
「いいや。とりあえず温泉。」
「分かった。」
パパは渋々承諾した。
その日の夜、明日の仕事に向けて準備をしていた。
「手伝うよ。」
「ありがとうママ。」
ママは勘付いた様に私に言った。
「真子?高校に行かなかった理由はさ、誰かに会ったとか?」
「………。」
私は少し黙った後、言葉にした。 続く