第四話「吸血鬼」
俺は目を開ける。
外は真っ暗だった。
「・・・・・・・・・・もう夜か。」
朝昼とご飯を抜いているせいか、お腹がなった。
俺はテーブルに置いてある財布をもって、外に出た。
外には車も人も見当たらない。
腕時計を見ると、1時を指していた。
俺はコンビニを目指す。
ふと、ビルとビルの間、裏路地が目に入る。
誰かがいる。
「―――――っ!」
突然何かの記憶フラッシュバックする。
危険だ。そう俺の勘は告げる。
俺は何かの匂いが鼻についた。
鉄の―――――いや、鉄じゃない。
血の匂い。
急に俺の司会は点滅する。
目の前が歪む。
裏路地にいた『誰か』は俺を見た。
知っている。
金色の髪を持ち、真紅の目をしたその女の人。
記憶喪失。
俺の記憶はない。
その女の人以外は。
一瞬驚いたような表情になる女の人はこちらに向かってくる。
何か、甘い匂いがする。
その匂いは俺の意識を刈り取る。
もう、意識を保てない。そう思ったとき、女の人は倒れかけている俺の前まで来て、
首筋にその白い牙を当た。
俺が目を覚ますとそこは、自分のアパートのベッドの上。
「・・・・・夢、か?」
俺は、首に手をやる。
傷が、ある。
血を吸われた。
俺はそう思った。
俺は 吸血鬼という種族を思い出した。