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第22話 恋心、芽吹く朝

 ブルーヴェイルの冒険者ギルド。ここで受付として働き始めて以来、リリアは数えきれないほどの冒険者と接してきた。けれど、レオンに初めて会ったあの日のことは、今でも鮮明に覚えている。

 突然ギルドに現れ、少しぎこちなくも礼儀正しい態度で登録を申し込んだ青年。不審者ではないかと内心疑いつつも、その所作の端々から育ちの良さを感じさせる違和感に、なぜか興味を引かれた。普通の冒険者とは違う、そう直感し、彼を見守るようになったのはいつの頃からだったのだろう。

 次第に、クエストの帰還を心待ちにし、彼の無事を確認するたびに安堵し――。Dランク昇格時には、お祝いを名目にして食事へ誘うほど、気持ちは膨らんでいた。けれど、その矢先に彼がセリナとパーティを組み、つい嫉妬にかられて冷たい態度をとってしまう自分に嫌気がさしていた。そして拉致事件に巻き込まれた。

 あの恐怖の事件。レオンが必ず来てくれると信じた自分。そして、彼は本当に現れた。セリナと共に、自分を助けてくれた。今なら、素直に言える。あの瞬間、自分の中で何かが変わったのだと。もう、後戻りはできない。

 だから今日は、その気持ちを形にする一日。ギルドの制服ではなく、普段とは違う自分をレオンに見せるために――。

 待ち合わせ場所のギルド前。胸を高鳴らせながら彼を待つ。今日の目的は、初めてのデート。たった二人だけの時間。レオンはどんな顔をしてくれるだろうか。そして、どんな一日になるのだろうか――。



 ブルーヴェイルの朝は、いつもより少しだけ肌寒い風が吹いていた。白み始めた空が、やがてオレンジ色の光で街並みを染めていく。その変化を感じ取るように、街はゆっくりと目覚め始める。

 そんな早朝の冒険者ギルドの前。いつもなら受付嬢として忙しなく働いているリリアが、今日は私服姿で待ち合わせの相手――レオンをじっと待っていた。

 前夜、リリアは何度もクローゼットを開け閉めし、服を選び直しては落ち着かず、鏡に映る自分の姿を見てはため息をついていた。この日はギルドの制服ではなく、一人の女性としてレオンと出かける特別な日。嬉しさと恥ずかしさが入り混じり、胸の高鳴りが眠りを妨げるほどだった。

 そして今――。

 ギルドの前で、リリアはいつになく落ち着かない様子で周囲を気にしていた。行き交う冒険者や街の人々が珍しそうに彼女を見ては通り過ぎるが、彼女は気づかないふりをしながら、ただレオンが来るのを待っていた。


「……変じゃないかな、この服。もっとシンプルにすればよかった? いや、でも、これくらいの可愛さは……ううん、大丈夫よ、リリア!」


 誰も聞いていない独り言を呟きながら、リリアは自分を奮い立たせるように言い聞かせる。

 柔らかな色合いのワンピースに、少しだけフリルのついたブラウスを合わせた装い。いつものギルドの制服とはまるで違う雰囲気だ。

 果たして、これが彼に見せる服としてふさわしいのか――自信はない。けれど、今日はどうしても特別な一日にしたかった。あの事件を乗り越えた今、自分の気持ちをもっと素直に伝えたい。そんな思いが、胸の奥で静かに熱を持っている。

 ――そのとき。


「……お待たせ」


 低めの声がして、ハッとして顔を上げる。ギルドの門のあたりに立っていたのは、レオンだった。

 彼の視線が自分に向けられた瞬間、リリアはぎゅっと手を握る。レオンは驚いたように一瞬動きを止め、目を瞬かせていた。


「……えっと、リリア?」


 その戸惑い混じりの声に、リリアは急いで姿勢を正し、彼のほうへ小走りで向かう。ここで照れるわけにはいかない。ちゃんと堂々と――そう思っていたのに、頭の中が真っ白になりそうだった。


「き、今日は仕事じゃないので……あの、どう……かな?」


 リリアは微かに声を震わせながら、言葉を選ぶように問いかける。レオンはしばし黙って彼女を見つめた後、やがて柔らかく微笑んだ。


「すごく、似合ってるよ」


 その言葉が、じんわりと心に染み込む。胸が高鳴り、頬が一気に熱くなるのを感じる。思わず目をそらしてしまいそうになるが、ここで逃げてはいけない。リリアは踏ん張って、微笑みを返した。


「……ありがとう。今日は、せっかくの休みだから、一日……一緒にいてほしいの」


 レオンは少し照れくさそうに、それでもしっかりと頷いた。


「うん、もちろん」


 その返事を聞いた瞬間、リリアの心の中で小さなガッツポーズが生まれる。――よし、今日は絶対に最高の一日にする!



 少し早い朝の時間、ギルドから離れた商業区へ向かうと、活気に満ちた市場が広がっていた。露店には新鮮な野菜や果物、雑貨が所狭しと並び、店主と客のやり取りが飛び交い、賑わいを見せている。

 リリアはレオンと肩を並べて歩きながら、あちこちの露店を指さしては目を輝かせる。普段のギルドでの真面目な姿とは違う、年頃の女の子らしい屈託のない笑顔を見せていた。


「ほら、見てください! このリンゴ、すごく甘くて美味しいんですよ!」


 リリアは馴染みの果物屋で足を止め、瑞々しいリンゴを手に取る。レオンは苦笑しつつ財布を取り出し、「そんなにオススメなら、買ってみるか」と言いながら数枚の銅貨を支払った。

 リンゴを受け取ったリリアは、小さなナイフを取り出し、手際よく皮を剥いて一口大に切る。そして、やや意を決したように、レオンに向かって手を差し出した。


「レオンさん、あーん……」


 その瞬間、レオンは完全に固まる。頬がわずかに赤くなり、視線が泳ぐ。リリアも「あっ、しまった!」と顔を真っ赤にして慌てた。


「ち、違います! 深い意味はなくて……あの、ただ味見してほしいなと思っただけで、つい『あーん』って……!」


 しどろもどろになりながら言い訳するリリアに、レオンは苦笑しながら「まあ、せっかくだし」と言って、差し出されたリンゴを受け取る。口に含むと、驚くほど甘さが広がった。


「……うん、確かに甘いな」


 そのひと言を聞いて、リリアは思わず胸の中でガッツポーズをする。ほんの少しでも、女の子らしい自分をアピールできたかもしれない――そんな小さな達成感に、心が浮き立つ。

 市場の賑わいの中、二人は甘酸っぱいやり取りを交えながら店を巡った。リリアが「これも美味しそう」と目を輝かせれば、レオンが「食いしん坊だな」と軽口を叩き、逆にレオンが「この店、気になるな」と言えば、リリアが素直に手を引かれてついていく。

 ギルドでは決して味わえない、この一日だけの特別な時間。レオンと一緒にいるこの瞬間が、何よりも幸せに思えた。



 市場を散策し、軽食をつまみながら昼下がりを過ごした後、二人は少し町を離れた公園へ向かった。緑が広がるこの公園には小さな丘やベンチが点在し、静かに夕陽を眺められる場所として地元の人々に親しまれている。

 レオンとリリアは、人気の少ないベンチに腰を下ろし、たっぷり歩き回った足を休めながら、穏やかな風を感じていた。


「……今日は、一緒にいてくれてありがとう」


 リリアは沈みゆく夕陽を見つめながら、小さな声で礼を言う。レオンは少し驚いたように振り向き、照れくさそうに笑った。


「いや、こっちこそ誘ってくれてありがとう。すごく新鮮だったよ。普段のリリアと違う雰囲気が見られて……楽しかった」


 その言葉に、リリアの胸がドキリと高鳴る。いつもはギルドの受付嬢として、しっかり者の姿を崩さないように振る舞っている。だが、今日は完全に女の子としての自分をさらけ出してしまった。レオンがそれを新鮮と受け止めてくれたことが、嬉しさと恥ずかしさを同時に呼び起こす。

 思わず、口をついて出た。


「それなら……またいつか、こういう日を作りましょう?」


 言った直後、少しだけ緊張する。だが、不思議と後悔はなかった。リリアはレオンの反応を待つ。彼は一瞬考え込むような表情を見せ、やがて小さく頷いた。


「ああ……そうだな」


 たったそれだけの言葉だったが、リリアの胸がじんわりと温かくなる。彼が拒否しない。それだけで十分だった。むしろ――。


(……きっと、もっと好きになっちゃう)


 リリアは心の中でそっと呟きながら、夕陽を浴びるレオンの横顔を見つめた。王宮出身という隠された事情があることは知らない。けれど、彼が普通の冒険者とは違う何かを秘めていることは、うすうす感じ取っている。

 いずれ、彼の過去や秘密に触れる日が来るのかもしれない。もしそれがどんなものであっても――リリアは、ただレオンのそばにいたいと願った。



 夕暮れが深まり、公園の木々にオレンジ色の光が差し込む。ベンチに座る二人の影は長く伸び、ゆるやかな風が頬を撫でる。

 リリアはスカートの裾をそっと整えながら、隣に座るレオンの様子をちらりと盗み見る。彼は何か言いづらそうに口をつぐんだまま、視線を彷徨わせていた。


(何か話したいことがあるみたいですね)


 そう思った矢先、レオンがぽつりと口を開く。


「……実はさ、ちょっと話しておきたいことがあるんだ」


 リリアは自然と背筋を伸ばす。妙に深刻そうな声のトーンに、思わず身構えてしまう。


「何でしょう? 深刻そうな顔してますね……」


 レオンは苦笑しながら「いや、大したことじゃないんだけど」と言葉を濁し、しばらくためらった後、おそるおそる続ける。


「……実は今、セリナと同じ部屋で泊まってるんだ」


 言い終えると、レオンはまるで矢が飛んでくるのを覚悟するかのように肩をすくめ、チラリとリリアの様子を伺う。

 しかし――。リリアはきょとんとした表情で「……そうなんですね」と答え、何の動揺も見せなかった。


(なるほど、セリナさんのことだから、案外強引に決めてしまったのかもしれませんね)


 レオンは明らかに拍子抜けした顔をし、「えっ、それだけ?」と戸惑っている。


「ええ、それだけですよ。別に普通のことでしょう?」


 リリアは首を傾げながら、くすりと微笑む。


「だって、セリナさんはあなたのパーティメンバーですし、それに……彼女なりの考えがあってのことだと思います。たぶん、わたしが口を挟むようなことではないんでしょう?」


 以前の自分なら、思わず「なぜそんなことに!?」と詰め寄っていたかもしれない。でも今は、レオンに向ける感情がただの独占欲ではなくなっていることに気づいていた。


(わたしが本当に欲しいのは、彼の隣に立てるだけの存在になること……そして、そのために何ができるかを考えること)


 レオンは困惑したように頭をかきながら、「普通なら怒るとか、嫉妬するとか……俺はそれを覚悟してたんだけど」とぼやく。


「そうですね、以前のわたしなら、そうなっていたかもしれません。でも……」


 リリアは真剣な表情で、じっとレオンの目を見つめる。


「何より、わたし、レオンさんが誠実な方だって知ってますから。そんな下手な裏切りなんて、しないですよね?」


 まるで確信しているかのような眼差し。

 レオンは、まるで不意打ちされたように目を見開き、顔を赤くして口ごもる。


「そ、そんなに信用されてるのか……?」


 リリアは小さく笑い、「ええ、とても」と軽やかに返す。

 レオンは何かを言いかけるが、結局何も言えずに視線を逸らす。その反応が微笑ましくて、リリアはふっと息を漏らした。


(セリナさんも、わたしも、きっと彼の傍にいたいと思っている。でも、それを奪い合うのではなく、どうやって共に歩むかを考えたい……)


 たぶん、セリナも本心では気づいている。レオンが誰かを特別扱いするような男ではないことを。彼が望むのは、誰かを選ぶことではなく、共に生きることなのだろうと。


(それなら、わたしも焦る必要はないわね)


 リリアはふっと柔らかな笑みを浮かべた。

 セリナと同室だろうが、そんなことは些細なこと。彼の誠実さに揺るぎがない限り、わたしは安心して彼の傍にいられる。そして――。


(わたしが彼のためにできることを、もっと増やしていこう)



 しばらく夕陽を眺めつつ、ゆったりと時間を楽しむ二人。柔らかな風が頬を撫で、空の赤が刻々と夜の帳へと溶け込んでいく。リリアは、胸の中で何度も考え続けていた言葉を、ふと口にした。


「レオンさん……わたし、夢があるんです」


 自分でも、少し大胆なことを言ったと思う。だからこそ、レオンが一瞬きょとんとするのがわかった。


「夢?」


 リリアは静かに頷く。まだ彼にとって、未来のことを考えるのは早すぎるかもしれない。でも、リリアにとってはずっと胸の中で温め続けてきた想いだった。


「ええ。いつか、あなたがもっと高みへ進んだとき……わたしも、あなたの力になれる存在でいたいんです」


 言葉にすると、少しだけ恥ずかしくなる。でも、リリアの中に迷いはなかった。レオンは意外そうにしながらも、真剣に彼女の言葉を受け止めてくれている。


「……そっか。リリアが、そんなふうに思ってくれていたなんて嬉しいよ」


 彼は少し驚いたような表情を見せたが、穏やかな口調でそう言った。


(ちゃんと聞いてくれてる……)


 それだけで、リリアの胸がじんわりと温かくなる。


「でも、まだ今は……」


 そう言いながら、リリアは膝の上でそっと拳を握る。


「今はまだ、ギルド員としても、人間としても、もっと成長が必要だと思うんです。今回の事件のときも、私が強くなければって痛感しました。でも、いつか絶対に追いつきたいんです」


 レオンはそんな彼女の言葉に耳を傾けながら、夕陽を受けたリンゴをゆっくりとかじる。そして、しばらくしてから、静かに微笑んだ。


「リリアがそう思ってるなら、きっとそうなるさ」


 その言葉に、リリアの胸が、一瞬にして温かさで満たされる。それはまるで、遠い未来の約束。だけど、レオンの言葉が、何よりも確かな希望に思えた。


「……はい! その時が来たら、わたしも迷わず、あなたの力になります!」


 彼の隣で、堂々とそう言える自分でいたい。そのために、自分はこれからも努力し続ける――。夕陽の残光が、レオンの横顔を照らしている。リリアはその姿を目に焼き付けながら、未来を想った。


(この約束が叶う日が、きっと来る。そのとき、私は……)


 胸の奥で、そっと強く決意を固めた。



 公園のベンチで語り合った後、あたりはすっかり夜の帳が降りていた。街の灯りが点々とともり始め、夜の空気が心地よく肌を撫でる。リリアはレオンと並んで歩きながら、今日一日の思い出を反芻していた。

 楽しかった。それが、彼女の率直な感想だった。

 普段のギルド業務では決して見せない自分を、レオンに見てもらえた。彼も楽しんでくれたようだし、夢への想いを伝えられたことも、彼女にとっては大きな前進だった。


(レオンさん……どう思ったんだろう)


 彼は驚いたような顔をしていたけれど、否定することなく受け入れてくれた。まだ先の話だと思っているみたいだったけれど、リリアにとってはそれがとても嬉しかった。彼に選ばれたわけじゃない。けれど、彼のそばで役に立ちたいと思えることが、今の自分にとって確かな道標になった。

 一方で、レオンはどこかぎこちない表情を浮かべていた。きっと、セリナとの宿のことを話したときのことが気になっているのだろう。以前の自分なら、たしかに嫉妬したかもしれない。でも――。


(そんなこと、些細なことだわ)


 彼が誠実であることを、リリアはもう十分知っている。だからこそ、彼が焦って弁解しようとする姿が、かえって可愛らしく思えた。

 やがて、ギルド宿舎の前にたどり着く。

 ここでお別れだ。


「……ありがとう、レオンさん。今日はすごく楽しかったです」


 立ち止まり、リリアはふわりと微笑む。夜の静寂が二人を包み、通りの灯りがレオンの横顔をほのかに照らしていた。

 レオンは少し驚いたように彼女を見てから、微笑を返す。


「ああ、俺も。楽しかったよ」


 その言葉だけで、胸の奥が温かくなる。レオンの中で、今日の時間が本当に楽しかったものとして刻まれたなら、それだけで十分だった。


「また……こういう日、作りましょうね?」


 リリアは少し上目遣いでそう問いかける。彼の反応が気になり、鼓動が少し速まる。

 レオンは一瞬目を丸くしたが、すぐに小さく頷いた。


「……ああ、そうだな」


 その返事に、リリアの胸がじんわりと満たされていく。

 お互い、どこかぎこちなく「おやすみ」と交わし、リリアはギルド宿舎の扉へと向かう。ふと、後ろを振り返ると、レオンはまだその場で彼女を見送るように立っていた。


(……レオンさん)


 リリアは小さく笑い、そっと手を振る。すると、レオンも不器用に手を挙げ、短く微笑んだ。

 宿舎の扉を開けると、静かな館内の空気が夜の空気と入れ替わる。扉が閉じる直前、リリアはそっと呟いた。


「……本当に、幸せな一日でした」


 彼女はそのまま、小さな夢を抱えながら、自室へと足を進めた。



 リリアにとって、この日は恋心が芽吹く朝だった。普段の受付嬢ではなく、一人の女性として、レオンと向き合う時間を得ることができた。まだはっきりと口に出して告白したわけではないが、彼との距離は確実に縮まっている。

 思えば、何かしらの過去を持つレオンや、獣人のセリナ、そして事件に巻き込まれた自分。それぞれが悩みや葛藤を抱えながらも、共に手を取り合って一歩ずつ進んできた。今、この恋心が大きくなるにつれ、リリア自身も変わっていくのだろう。

 夜のブルーヴェイル。高い月が街の建物を照らし、その影を長く伸ばす。リリアはギルドの寮へ戻ったあとも、今日の出来事を反芻しながらベッドで眠りについた。抱きしめた枕にほんのり顔を埋め、思い出すのはレオンの笑顔と、共に見た公園の夕陽。

 明日からも受付嬢としての日常が待っているが、リリアにとってはもう昨日までと同じではない。前を向いて、もっと強く、もっと可愛く――そう願う自分を受け止められるようになったのだから。


 そして、レオンもまた同じ夜、宿の部屋で今日の一日を回想している。セリナの存在や護衛クエストなど課題は山積みだが、リリアのことを考えると、どこか懐かしい温もりを感じる。彼がいつかその高みへと到達したとき、リリアの想いはどう実を結ぶのか。そして、セリナとのパーティとの兼ね合いはどうなるのか――すべてが未知数のまま、物語は次のステップへと続いていく。


 しかし、今日という日だけは特別。リリアとレオンにとって、かけがえのない初めての二人だけの時間だった。そこには穏やかで、甘酸っぱくて、心が震えるような恋心の芽吹きがあった。

 夜のとばりが降り、月の光が静かに大地を照らす。まばらな星の瞬きに、二人の未来が暗示されているかもしれない。恋心が育ち始めたこの朝から、彼らは少しずつ変わっていく――そんな予感に胸を躍らせながら、それぞれの夜を迎えたのだった。

ご一読くださり、ありがとうございました。

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