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Road To Hana  作者: Stray__Cat
6/9

朝の雨

 朝起きてテラスに出る、目の前には芝生の先と海が見える。

 夜は、コテージの明かり以外は何もない真っ暗な世界だが、夜が明けるとえ世界に明るさが見えてくる。

夜は暗いもの、朝は明るいものという、凄く当たり前のことをすっかり忘れていたんだ。


 散歩をかねて朝食を採るためにメイン棟まで歩く。

 何回か歩いた緩い上り坂の道をメイン棟に向かってあるく。

メイン棟に入り、ダイニングに行く、スタッフとおはようと軽く挨拶を交わして席に案内してもらう。


 席について、メニューをざっと見て、ベーコンエッグとサラダ、フレッシュジュースのセットにコーヒーを選ぶ。スタッフは、微笑みながら、オーダーをメモして下がっていった。


 このレストランはメイン棟の海側の一番前に位置しており、海側はスライド式のドアを開けるとオープンな空間が広がり、半島から海を見渡すことができる。

 雨が降らない限りオープンになっていて、風が室内を横切っていく

 今日も扉は開いていて海が見えている。今日の席は、ここからの景色がよく見える。半島の先にある島も見えている。


 ぼーっと海を眺めていると、朝食が運ばれてきた。

 ベーコンエッグは、カリカリに焼いたベーコンにサニーサイドアップの卵が2つのっかっていた。

 朝食を食べながら、ふと外を見ると、遠く小島の向こうに雨が降っているのが見えた。

挿絵(By みてみん)

雨が降っている側と雨が降っていない手前側は、見えない境界線でもあるようにスパッと分かれている。雨の壁があるようだ、そんな雨が降っていた。


 しばらくそんな雨を見ていると、その壁はこちらに向かっているように見えた。

小島を覆いつくし、半島に差し掛かってきた。スコールのような雨だった。

 雨は、海とレストランの間にあるコテージも飲み込んでしまった。

 とどまることなく徐々に雨の壁は迫ってきた。雨の匂いがしてきた。そして、雨の壁はレストランにぶつかった。雨のしぶきやミストが室内に入ってきた。


 レストランのスタッフが慌ててスライドドアを閉めている。

ドアは閉められたが、雨の匂いと屋根に当たる雨音は、レストランの中を満たしている。


 都会では、雨は嫌なものだ、傘がない時に降られると辟易する。

でも、ここでは雨を嫌いにはならない。

 雨も、ここで流れている時間であり風景だと受け入れることができる自分がある。


 朝食を食べ終わり、二杯目のコーヒーを飲み終わる頃、雨が止んだ。

 テーブルに置かれたチェックに、部屋番号とサインをして、チップを挟んで席を立つ。

雨上がりの道をコテージへ戻ることにした。

 

(続く)

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