Hotel Hana Maui
ハナの町は、太陽が常に降り注ぐ燦燦とした雰囲気のマウイ島西側のイメージとは異なる。
まず、たどり着くまでの曲がりくねった熱帯胃雨林に覆われた狭く長い道の果てにあるため、たどり着くには、かなりの苦労が伴う。
貿易風の影響で少しばかり曇りや雨の日が多い気候、西海岸ほど人口が多くなく、にぎやかではない、いや、どちらかというと静かであり、少し寂れた雰囲気がある。
Heavenly Hana といわれる割には、ホテルは1軒、コンド、バケーションレンタルが数件、レストランは街中に1つあるが、ほぼランチのみの営業であり、晩飯を食うには、あらかじめ食材を調達しておくか、唯一のホテルであるハナマウイのレストランで摂るしかない。
しかも、街中にはハセガワジェネラルストアくらいしか、まともな店は無い。
そのため、ホノルルのようなコンビニ生活に慣れた人たちは、あえてここまで泊まりに来ることは、まずない。
普通の生活からかけ離れた、何もない生活、ある意味不便さを求める人たちがやってくる町。
(しかし、そのようなハナも、今では複数のホテル、コンドも作られ、町中にショップやレストランもできるようになり、以前のような雰囲気は消え去りつつある。)
いくら小さい町とはいえ、交通手段は車以外ありえないので、また車を出すのも億劫になってきたので、外出は翌日に回すこととして、ホテル内をぶらぶらすることとした。
自分のコテージから海に向かって歩く、シーランチコテージは、エントランスがあるメイン棟から海に向かってなだらかに下がっていく斜面に点在している。
そのため、どのコテージからも、海が見えるような仕組みになっているが、レッドサンドビーチ側のコテージの方が、少し配置がゆったりとしている。
ホテル前のビーチは溶岩海岸なので、泳ぐことなどはできない、ビーチでのんびりしたければ、ホテルからは少し離れたレッドサンドビーチかハナベイ・ビーチパークに行かなければならないが、ホテルスタッフは、レッドサンドビーチはプライベートプロパティだから、行かない方がいいと言っていた。
コテージの間の道を歩いていると、きれいに整えられた芝生が目に入ってくる。
自分の部屋から見た景色も、まず目に入るのは一面の芝生、そしてその先にある海である。これが、ホノルルにあるホテルだと、オーシャンビューであるとしても、海以外に何らかのものが目に入るが、ここではそんなことはない。
本当に、文明、文化的な余分なものは、極力排除されている空間だと感じながら、メイン棟へ歩いていくが、緩いとはいえ坂道は応える。
(続く)