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可惜夜(あたらよ)に君を想う  作者: ウエハース
第一章 一ノ瀬遥と愉快な仲間たち
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自覚ないのが1番タチ悪い

「行きたくねぇ……」

なんて言いつつあと少しで学校なんだけど。校外学習を終え(俺は途中で死んだが)今日から通常授業だ。憂鬱な理由はただ1つ。蒼野達である。彼女らと関わった際の周りの反応が怖い。彼女たちは自分の人気の程を自覚しているのだろうか、いやしてないな。

そんなことを考えていたら教室に着いてしまった。色々心配するのをやめて、俺は扉を開ける。扉を開けるといつもの光景が見える。一応、途中帰宅した奴ってことで最初は視線を向けられたが、すぐにいつもの光景に戻る。クラスはそれぞれのグループで別れていて、最初の出だしと校外学習というイベントを逃した俺の入るところは無かったはずだった。はずだったのだが……。

「あっ、おはよ一ノ瀬!」

「おはよう一ノ瀬」

「おはよー!遥っち!」

俺を呼ぶ声が聞こえる。その方向を見ると、例の3人がいた。明るく手を振る蒼野に控えめな海瀬。そしてめちゃくちゃ元気な鈴名。これだけで絵になる美しさだ。

……おっとまずい。クラスの男子の視線が全部こっちに向いた。やめてください皆さんが思っているようなものじゃないんです。だから「なんでお前なんかが…」って目で見ないでください。

「お、おはよう…」

「どうしたの一ノ瀬、元気ないじゃん」

「確かにー、どしたの遥っち」

そんな俺を見て、調子が悪いと思ったのかそんなことを聞いてくる。誰のせいなんだろうね。

「……すまない、一ノ瀬」

唯一気付いている海瀬だけが、謝罪の言葉を口にする。

「いや、海瀬達が悪いってわけじゃ……いや悪いかも」

「………………すまない」

「まだ熱でもあるの?」

鈴名が調子が悪い理由を当てにきた。

「熱あったら来てねぇよ」

「じゃあなんで元気ないのさ?」

続いて蒼野。

ホントに誰のせいで元気ないんだろうね……。

「それはお前達が……、もういいわ……」

「はいはーい、みんな席ついて〜、HR始めるよ〜」

田村先生が入ってきて、とりあえずお開きとなった。





そして午前が終わり、昼休み。踊り場に呼び出された俺の周りにはクラスの男子の数人。あの3人の人気具合いが伺える。

はぁ……嫌だなぁ男子との初絡みが恐喝みたいな感じなの。

「一応聞くけど、何の用?」

おそらくこのグループの中心的人物であろう男子に分かりきった質問をしてみた。

「なんでお前みたいなやつが蒼野さん達と仲良くしてんだよ?釣り合ってないってわかんない?」

まぁ、そうだよな。なんでって言われてもこっちが聞きたいくらいなんだが。本当のことを言ったら向こうに迷惑がかかるかもしれないし、ここは誤魔化すか。

「なんでって言われても、仲良くなっちゃったからとしか」

「煽ってんのか?さっさと身を引いて前見たく教室の隅で縮こまってな」

すげぇ言い草。まだ知り合って1ヶ月の人相手にそこまで言う人間なかなか居ない。

俺もあいつらの中の誰かととそういった関係なりたいとは思ってないし、こういった勘違い野郎には現実を見せるのが1番だと、経験則上よく分かってる。

「俺自身もなんでこうなったのかは分からんが、お前らにこういう機会が訪れることは無いってのは分かる」

「は?」

急に反撃に出た俺に、驚いたような声を上げる男。

「こんな風に呼び出して怒鳴る奴と関わりたくないもん俺なら。多分あいつらそういうタイプの人嫌いだろうし。というかみんな嫌いだろうし」

実際そうだろう。自分の思い通りにいかないからってこんな人目のつかない場所に呼び出して恐喝する人間とか誰が好むんだって話。

「何様のつもりだよお前!」

「アイツらの友達。あと、自分のことを棚に上げるんじゃないけど、そんなふうに俺の事を貶すと間接的に俺と関わってくれてる向こうの格を下げることになるんだぞ」

「なっ……」

これもまた事実なのだからしょうがない。

誰と仲良くなるかはそいつの自由だ。それが気に食わないからってその相手を貶すのは、同時に本人の選択をも貶すということだ。

「理解できたなら、やめておくことをおすすめするけど。じゃ」

そう言って、教室へと歩きだした。

「……………………」

彼らは姿が見えなくなっても、ずっと何も言わずただ唇を噛み締めていた。

さてと、友達になる可能性があった人を失った訳だが。

まぁあんな奴らとはこっちからお断りだ。

あの様子だと、おそらくもう突っかかってくることも無く、ちゃんとした振る舞いになるだろう。

問題は、他の友達を作ることだ。あの3人だけでは少しアウェイが過ぎる。

とりあえず最初の目標は、"男友達を作る"だな。

最後の方よくわかんなくなっちゃった

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