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可惜夜(あたらよ)に君を想う  作者: ウエハース
第二章 自失と再認識
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まだ、分からない感情

「ふぅ………」

晩御飯を食べて、風呂から上がって、そのまま顔からベッドへダイブ!

「ううううう~~~!!」

恥ずかしい。すんごい恥ずかしい。高校生にもなって?女子の前でガチ泣き?穴があったら入りたいかな!親にもバレかけたし!

分かるか?親に「あんた、泣いてたの?」って言われた時の焦りようを!

『ピロンッ』

「んぁ?」

メール?誰だよこんな時間に?

『あのー、ちょっといい?』

「……スゥーーーーー」

どうしようかこれ。あんなことがあった手前すんごい気まずいんだけど。かといって無視するのも気まずくなるしな。

……………………返信するか。

『どうした?』

『いや、大丈夫かなーって』

『その節は大変ご迷惑をお掛けしました』

いやほんとにな。向こうからしたら勝手に話し始めたと思ったら泣きだしたやべぇやつなんだもん。

『別に迷惑だなんて思ってないから!まぁちょっとだけスッキリしたけどね』

『スッキリ?』

『遥ってなんか壁あるな〜って思ってたから』

『えっ』

マジ?そんな分かりやすかった?それとも渚がなんかおかしいだけ?

『あ、分かりやすいとかじゃなくて。多分湊とかも気付いてないだろうし。ただ何となくそう感じたってだけ』

『へーー、……なんか怖いな』

『なんでさ!?』

『何となく』

渚がおかしいだけだった。どうなってんだよ観察眼。趣味人間観察タイプの次元だぞそれ。

『まぁ色々あるしね。別に気にしないって』

『前世聖母?』

『いや〜気付いちゃったか〜』

『いや聖母がカップル限定の店入って恥ずかしがってんじゃねぇよ。』

思い出してこっちまで恥ずかしくなってきた。諸刃の剣だったか……

『それはナシでしょ』

『うん俺も言ってて恥ずかしくなったわ』

そこから、くだらない話とかをした。世間話から、渚の昔話とか、海瀬と鈴名の秘密の情報とか。

………………これ俺知っていいやつ?

『じゃ、明日も勉強教えてねー』

『全身全霊で当たらせて頂きます』

『苦しゅうない』

『じゃおやすみ』

『おやすみ』

気が付くともう日付を回る頃だ。2時間くらい話してたらしい。

「…………?」

楽しかった。そりゃもちろんある種の満足感とかいうのを感じてもおかしくはない。でもなんか違う感じがする。なんなんだろうな、この感情。人生初の感情なんだが。うーーん、わからん!

スマホのトーク画面を見ながら、ふと思った。中学の頃の俺に「こんな会話する友達できるぞ」って言っても絶対信じてくれないんだろうなぁ。

ほんとに、良い友達を持ったな…………

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