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03 マシマシ


 やっぱスゴいな、老師の指導。


 教わっているのは本当に基礎的なことばかりなのに、


 以前とは身体のキレがまるで違うよ。


 もちろんスタミナもマシマシ。



「嬢ちゃん、喜んどるじゃろ」


 はい、持続力もマシマシ、


 って、ナニ言わせるんですかっ。



「ええのう、夫婦円満」

「ワシも、円満しっぽりしたいのう……」


 えーと、こっちの世界には若返りの方法がたくさんあるって聞いたのですが。




「ワシ、若い頃に、竜の試練を受けたのね」

「竜と闘って満足させることが出来たら、生涯にたった一度だけ、三つの願いのうちのひとつを叶えてくれるっていう神イベント」


 なるほど、お約束だけど、まさに神イベントですね。



「ひとつ目は、"ほぼ不老長寿"」

「人族の限界を超えて、長命種以上に長生き」


「ふたつ目は、"選べる最高の伴侶"」

「その竜がワシの望む姿に変化してくれて、生涯連れ添ってくれるの」


「みっつ目は、"更なる武神の極み"」

「人族としての最高峰の肉体になれちゃう」

「ただし、それを維持する努力は自分次第」


 で、選んだのが……



「ワシ、その頃は若かったし、ひたすら強くなりたかったのね」

「で、"更なる武神の極み"」


 うん、老師らしいです。



「後悔はしてないけどさ、ほら、知り合いが連れ合いとらぶらぶしながら、孫とかひ孫とか自慢してくるのを見てるとさ」

「ワシ、しくじったのかなって……」


 でも、若い頃に圧倒的な武術を極めたのなら、かなりモテモテだったのでは?



「竜の願いって、ある意味、呪いなの」

「三択で選ばなかった選択肢の芽は全く育たなくなるのね」


 えーとつまり、素敵な伴侶なんていうご縁の方は、それ以降全く無く……



「それどころか、人より早く見た目が老けちゃった」

「武術の方は頂点出来ても、若い頃からこの老けっぷりだとますます女っ気が遠ざかって……」


 うわっ、マジで呪いですね、それ。



 ……いや、ちょっと待って、


 女っ気が遠ざかったのは、セクハラしまくりだったからでしょっ。




「……今日は、全セットマシマシじゃっ」



 お若いですね、老師……



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