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13 派手


「面白いね、その魔導車」


 そりゃどうも、


 で、どこのどなたさんですか。



「見て分からないの?」


 いや、無礼な若造だなってくらいしか。



「めんどくさいから、エルサニア王家の者ってことにしておいて」


 そうする、めんどくさいから。



「例のナイフを渡してくれれば、見逃してやってもいいよ」


 イヤだね、めんどくさいから。



「調子に乗るなよ、おっさん」


 お前もな、若造。



 ---



 若造が、右手の人差し指で天を指すと、


 辺りの気配が変わった。



「『完全結界』の指輪は、所有者以外の魔導具の使用を禁ずる」



 解説、ご丁寧にどうも。


 人差し指にはめてる指輪の効果、かな。


 よく見ると全部の指にはめてるし。


 つまりは、10種類の技を使えますよ、と。




「『重力』と『麻痺』」

「おっさんのパーティー、強いのはそこのふたりだけでしょ」



 若造から両手の中指でそれぞれ指差されたマーリエラさんとアンチさんが、膝をついた。


 ちょっと苦しそうだけど、俺に向ける笑顔は信頼の証し。


 少しだけ待ってて、すぐ終わらせるから。




「後はおっさんだけだろ」

「抵抗すんの?」


 はい、喜んで!



 新しい短槍を構えて、ゆっくり近付く。




「はい『激痛』」

「……あれ?」

「『光弾』、『炎槍』、『影縛り』……なんで効かないの!」


 それはね、この短槍が魔法無効化してるからですよ、おぼっちゃま。



 どれ、短槍の間合いなので、遠慮無く。



「げふっ」



 石突の方でブン殴るのは、俺なりの優しさですよ。


 王家がどうこう言ってなきゃ、間違い無くブッ刺してたけどな。


 ってか、いい加減マーリエラさんたちの魔法を解除しろよ、若造。




「……こんなおっさん相手に、使いたくなかったんだけどな」


 ほう、切り札ですか。


 なんすか、その球。


 逃走用の煙玉とか?




「あのクソ親父にはもったいないからな、王家の秘宝」

「この『裏悪多』は、これまでエルサニアで召喚された全ての勇者の固有スキルを使えるようになる」

「終わりだよ、おっさん」



 若造が胸に球を埋め込もうとして……



 派手に爆散した。



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