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異世界に転移した日本で生きるオタクの話  作者: 山田太郎
第一章
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すぐに呼びましょ的なあれ②

 朝ご飯を食べ終わり俺はジャンヌさんが出て行ったのを確認してから家を出発する。

 一緒に行かないのか?、と聞かれたが用事がまだ残ってるからと無理矢理登校させた。ジャンヌさんみたいな美少女と一緒に登校してるところなんて見られたらおそらくその日のうちに刺されて死ねる。

 しばらくまったく興味の無い最近流行りの異種族アイドルなるもののニュースを欠伸をしながら眺めていると家中にインターホンが鳴り響く。


「はいはーい。今出まーす」


 すぐさまソファーから立ち上がって玄関へと向かう。玄関の扉を開けるとそこにいたのは見慣れた顔の幼馴染の陽奈だった。

 玄関から家の中を確認した陽奈が仏頂面で俺を見る。


「・・・・・あのムカつくエルフは?」

「もう登校したけど?」

「さよけ・・・」


 安心したかの様に玄関に座り込み早く支度をしてこいと無言の催促を促してくる。


「ちょっと待ってろ」




 陽奈を玄関で待たせて数分、ようやく準備が整い俺は陽奈と共に家を出る。

 いつもの様に会話をしながら、誰かに挨拶されれば挨拶を返す。それが例え人間でなくとも。


「おはようございます旦那」


 急に目の前に黒い羽根を背中に生やした同じ学校の制服を着た青年が現れる。


「おはよう焼き鳥。気分は如何?」

「旦那ァ。オイラは焼き鳥なんて名前じゃあなくって烏丸健太っつう歴とした名前があるんですぜ?」


 目の前の烏丸健太もその一人だ。彼は鴉天狗であり、俺の幼馴染の蘆屋陽奈が調伏した式神(陽奈は認めていない)でもある。


「知ってる。だから焼き鳥」


 さらっと言ってのける俺に健太も諦めたのか自分の主人に助け船を求める。


「お嬢も何とか言ってくだせぇ!オイラは焼き鳥じゃないって!」

「五月蝿いで手羽先」

「お嬢ですかい!?」

「大体中学の時に学校に勝ち込んで来たんを返り討ちにしただけやないかい。自分あれホンマ危ないことやってたんやで?」


 陽奈はカバンを健太に渡して数歩先を行く。健太を気の毒な奴だなぁ、と思って見ていると何だか嬉しそうにしていたので、ついでに俺のカバンも持たせてやった。

 そんなことはさておき彼女、蘆屋陽奈の生い立ちについて心の中ではあるが画面の前の諸君らに話していこうと思う。

 名前で何となく察している方もいるではあろうが、彼女はかの有名な蘆屋道満と言う陰陽師の直系の末裔なのだ。

 日本には昔から悪鬼螺旋が蔓延っていて、日夜人々を襲っている。それを解決するのが現代の陰陽師であり、安倍家と並び防衛省管轄の妖対策部所属の所謂キャリア一家だった。

 そんな中でも彼女の才能は全陰陽師の中でも群を抜いてダントツであり、幼いながらに蘆屋家の期待をその小さな背中に一身に背負っていた。

 だが、中学に入った頃蘆屋陽奈は反抗期へと突入してグレた。巷を騒がす不良娘となった彼女は二年に上がる頃には辺りの中学や高校、それ以上の半グレをシメ上げて西の蘆屋とまで呼ばれる様になっていた。

 そんな陽奈を見かねて現頭首の陽奈のお爺さんが普段から仲の良かった分家の端っこら辺にいる天野家の隣に両親ごと引っ越させたのが今年の初め。


「何でもいいけどよぉ、早く学校行かねぇと遅刻だぞ遅刻」


 俺の言葉に陽奈がスマホで時間を確認し、顔をみるみる青ざめる。


「もうこんな時間やんけ!手羽先!自分飛んで先学校にウチらの荷物置いてこい!」

「了解ですお嬢!」


 命令されたのが嬉しかったのか、健太は俺たちのカバンを持って高速で空を駆け抜けて行った。

 健太が行ったのを見送った後、俺は陽奈に声をかける。


「よし、走るぞ」

「・・・・・無理」

「なんで?」


 走り込みのポーズをしながら振り返らずに陽奈に聞き返す。ある程度予想はついているが、念のため、ほんのちょっとの好奇心と下心で聞いてみる。


「だから、その・・・最近、成長期で・・・」

「良かったじゃねぇか。俺はこの身長で成長期は止まったから望み薄だよ。伊藤誠が刺されて世間から悲しみの声が聞こえるくらい望み薄だよ」

「伊藤誠?」

「あ、うん。ごめん。何でもない」


 陽奈が伊藤誠を知らなかったことは置いておいて、俺はさらに言葉を続ける。


「ところで、成長期と走れない理由がどうかんけいしているのか、後学のために教えては頂けませんかね?」


 陽奈の顔を見ているわけではないが、今陽奈は絶対に照れて顔を赤くしているのは幼馴染の勘として分かる。陽奈も不良とは言え一人の女の子と言うことだ。


「・・・・・ねん」

「え?」

「今日ブラしてないから擦れて痛いねん!」


 ・・・・・・・・・・・知っていた。

 今日の陽奈がいつもと違う所、それはいつも以上に陽奈なたわわな実りが上下に揺れ動いていることだった。しかし、何故ブラをしていないかとか、どうやって理性を保つとかはこの際もうどうでも良い。

 如何にして陽奈の機嫌を損ねず合法的にその実りに触れるか、俺の頭の中にあるのはそれだけだった。


「しゃ、しゃーねーなぁ!俺が背負って走ってやるから、ほら!」


 未だに陽奈の顔が見えない。この行動が吉と出るか凶と出るか。

 次の瞬間、身体がずっしりと重くなる。


「じゃあ、頼むわ」


 首に回された腕に力が入っているのが分かる。そして何より柔らかい二つの実りが俺の背中に密着している。


「?どないしてん?早よ行かんと遅刻になってまうで?」

「わ、分かってらい!見てろよ、零さんの足捌き!」


 こうして俺は走り出す。背中で揺れ動く二つの実りを感じかながら。

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