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異世界に転移した日本で生きるオタクの話  作者: 山田太郎
第一章
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三日目・俺のイかれた家族の話

 俺の判断が甘かった。いや、実際のところこれは誰も予想は出来なかっただろう。まさか、ドラゴンが人間の姿になっても食べる量が変わらないことを。

 それは今朝の事だがドラゴンが襲来。ドラゴンの怪我をジャンヌさんが治したり、ギルドが登場したり、ドラゴンの世話を任されたり色々してすぐ俺とジャンヌとノワール先生で名前がなかったルリと名付けたドラゴンを家に残して来た。

 そして何とか遅刻せずに学校に行けた。

 そして学校から帰ってくれば冷蔵庫が空っぽになっていた。


「あ!兄貴!ルリお腹すいたのだ!」

「・・・・・・」


 俺は中身が空っぽの冷蔵庫の前で膝から崩れ落ちながら呆然とする俺にまだ食べ物を要求する後ろのロリの姿をしたドラゴンのルリ。


「え、毎日これだけ食べるの?だとしたら食費がやばいことになるんだけど」


 俺は落ち着くために一度深呼吸をする。


「そもそも部屋はどうしたら良いんだ?まだ余りあったっけ?」


 家は一階はトイレとリビング、風呂場と物置だけで二階に家族の私室四つしかない。今親父とお母さんの部屋をジャンヌさんとノワール先生が使っているので部屋はない。

 誰かと相部屋にしてもらうしかないか、等と思っていると後ろから仕事から帰って来てノワール先生と缶ビールで晩酌をしていた姉ちゃんが肩を叩いて来る。


「あるぞ。部屋」

「え」


 こうして現天野ファミリーが連れてこられたのは二階の廊下の何の変哲もない行き止まり。


「翠。ここに何があるんだ?」

「翠!?」


 いつの間にそんな仲になっていたのだろうか。昨日まで鬼塚先生呼びだったのに翠呼びをしているノワール先生。

 きっと酒を酌み交わして仲良くなったのだろう。酒の力は偉大だ。

 感心している俺を無視して姉ちゃんが話を続ける。


「ここには母が結界で隠した部屋がある」


 そう言うと姉ちゃんは札を壁に貼る。すると壁から一つのドアが現れる。

 そのドアを姉ちゃんが開け、その部屋の中身を見た瞬間俺はルリの目を塞ぐ。何故ならそこは照明がピンクで中には縄やら三角木馬やらがあり机の上にもローションやらディルドやら明らかにその部屋はR18部屋だった。


「姉ちゃん姉ちゃん」

「何だ愛しの弟よ」

「この部屋、何?」

「修行部屋だ」

「嘘つくんじゃねぇよ!」


 俺は姉ちゃんに叫ぶ。この世に生を受けて約十五年。今の今までこんな風俗の様な部屋があるなんて知らなかった。


「どう見ても夜の店じゃねぇか!AVでしか見た事ねぇよこんな部屋!」

「待ってくれ。今弟の順当な成長に流れそうな涙を堪えているところだ」

「知るかぁ!」

 

 とりあえず顔を真っ赤にして思考停止させていたノワール先生にルリを預けて一階に避難してもらいこの部屋の処遇について考える。

 しかし俺は忘れていた。この家にエロゲが好きなエルフがいたことを。


「先生。一つ質問しても良いだろうか?」

「何だ?」

「これはどちらが作った部屋なのだろうか?」


 興味津々そうに姉ちゃんに質問する思春期男子よりも思春期男子をしているジャンヌさん。


「母だな。無知な父を修行と称して絞りとったりSMぷプレイを・・・」

「もう止めろぉ!知りたかねぇわ親の下の事情なんざ!」

「無知シチュと言う奴だな!ボクには一生味わえない物だ!」

「いや、オネショタ概念がある。ショタを狙えば味わえるだろ」

「全く、零は乙女心を本当に解さないな」

「何で俺がボケたら不平言われんの!?」


 もう無茶苦茶な状況なので諦めて話に混ざればジャンヌさんに呆れられてしまう。


「とにかくルリのために早く部屋を片付けるぞ」

「おい、零」

「何だ姉ちゃん」

「実は私もお前もこの部屋で作られたんだぞ」

「もういいわ!」


 ようやく片付けが終わり部屋に残ったのは空っぽの棚と一人、ましてはロリのルリが使うには大きいツインベッドだった。


「あんまこの性なる遺産を子供にゃ使わせたくねぇんだけどなぁ・・・」

「ぼ、ボクがこの部屋に変わろうか?」

「いや、もう俺のベッドと交換するわ」

「原点回帰だな」

「姉ちゃんはもう口開くな」


 大きくため息をつき俺はとりあえず今日はルリに俺の部屋で寝てもらおう、と考えて部屋を眺める。

 そしてふと、思いついた。


「そう言えば食費どうしよ」


 その一言に姉ちゃんとジャンヌさんが戦慄する。


「・・・・・緊急家族会議だな」


 こうして俺達は一階のリビングに集まった。

 最初に話を切り出したのは誰も出来ないために半分強制で家計簿を管理している俺だった。


「はい。ルリが家に来たことにより我が家は今深刻な食料危機に陥りました」


 その言葉に反応したのはノワール先生だった。


「私とノワール先生の給料では足りないのか?」

「はい。全く足りな・・・え、ノワール先生の給料もいれてくれるの?」

「一応住まわせて貰っているからな。ほんの些細な気持ちだ。それで、足りるのか?」


 確かにノワール先生も給料を入れてくれるのならば少しは楽にはなるしかし。


「はい。まだ足りません。だから俺はここに提案する!」


 俺はバン!と机を叩き声を上げる。


「俺とジャンヌでどっかのバイトに行く!」


 それはごく当たり前の提案だった。当たり前過ぎて皆んな拍子抜けしている。


「バイトってなんなのだ?」

「ボクの知識によれば学生や就活に失敗した人とかがやるお仕事じゃなかったかな?」

「なんか言い方に棘ない?」

「バイトは良いにしても何処でやるつもりなんだ?あんまり危険なのはお姉ちゃんは許可できないぞ」


 姉ちゃんの言葉にう〜んと俺が唸る。


「ならギルドに入るといい」


 ノワール先生がビールを片手にそう言った。

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