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「文字だけやろ?」 兄に言われた今でも忘れられない言葉。

作者: 毛利秋王





昔から僕は本を読んでいた。


読書家というほどでもないが、普通の人並みに本は読んでいたと思う。



僕が文章を書くとき、小説をはじめとする本は勿論だが、他にも映画や 絵画、それに音楽から影響を受けている。

そして、周囲の人達とコミュニケーションをとることで得られる知識、自分が行動することで得られる体験、など……。

それらが複合的に合わさって僕の脳の中でごちゃまぜになり、また新しいものができる。



「若者の読書離れが進んでいる」と世間ではよく言う。

僕の兄もそうだ。昔から本は全く読まない人だった。

そんな兄に僕は何度か本を読むことを勧めてみた。


だが、ある日、兄にこんな一言を言われた。

「文字だけやろ?」


僕は今でも、兄のこの言葉が忘れられないでいる。

そして、それは僕自身が“書く”ということについてのテーマとなった。



アルベルト・アインシュタインが残した言葉。

「6歳児に説明できなければ、理解したとはいえない」

まさしくその通りだと思う。



読書は絵画を鑑賞することや音楽を聴くなどと違い、“受け身“では絶対に理解ができない。


常に脳をフル稼働し、神経を使うものだ。


漫画のように絵があるわけではないため、視界に広がる文字を追うことで頭の中でイメージし、想像力を掻き立てながら、疑似体験し、理解する。



「文字だけやろ?」

あの時兄が言った一言は確かにその通りだ。


だが、そこに書き記されている人々の膨大な情報や知識を得られる喜びは、他には代えがたいものがある。


そして、それをどれだけわかりやすく砕いて人に伝えられるか。



僕が文章を書く時、いつもあの兄が発した言葉と戦っている。





毎晩、即興の自由詩やエッセイ、それに短編小説を掲載しているので、今回の作品を少しでも気に入られた方はまた覗いてやって下さい。

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― 新着の感想 ―
[一言] お兄さんが、ある意味きっかけをくれたんですね! 確かに誰にでも同じ想像ができる小説って案外難しいですよね!Σ( ̄□ ̄;)
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