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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第四章 王立高等学園

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大国皇太子は恋敵の母親の王妃の前でクリスに婚約を申し込みました

-なんでこうなった。

クリスはそう叫びたくなった。

避けていたエリザベス王妃殿下が、クリスの前に優雅に座っていたのだ。

放課後ジャルカに呼び出されて来てみればそこに王妃がいた。

王弟反逆の時は本当に好き勝手に悪口を言ったとクリスも思っていたため王妃とは絶対に会いたくはなかった。


「お久しぶりね。クリス。元気にしていた?」

王妃が声をかけてきた。


「はい。あの…」

クリスは言いよどむ。


「そうよね。うちのバカ息子にパーティーの時、皆の前で婚約破棄なんてされたら普通は機嫌が麗しいわけないわよね。

御免なさいね、クリス。

ひどい目にあわせて。謝ります」

王妃は頭を下げた。


「いえ、王妃様。王妃様が悪いわけではありませんし、私がエドの心に寄り添えなかったのが、原因でもありますので」


「そんな事は無いわ。すべて悪いのはエドだし。

それに私の王妃教育もとてもひどいものだったのでしょ」

王妃はニコッと笑った。


来た…王妃がこの笑いをするときは碌なことがないのだ。

クリスは絶体絶命のピンチを迎えていた。


その時まさに王妃が何事か禄でもない事を言おうとしたその時にオーウェンが扉を開けて現れたのだ。


「クリス、大丈夫?」

「オウ?」

いきなり現れたオーウェンにクリスは戸惑った。

でもナイスタイミングだと少し喜んだ。

後でなんで来てたのかと恨んだクリスだったが、この時は喜んだ。


「これはこれはエリザベス叔母様。お久しぶりです」

オーウェンはにこにこ笑った。

でも目が笑っていなかった。


「あなたをお呼びした覚えは無いんですが」

エリザベスは言う。


「またつれないお話ですね。叔母様」

オーウェンはそのまま不吉な笑みを続ける。


「私はお話ししたいことが山のようにあるのですが」

オーウェンはの目は笑っていない…いやいや怒りに溢れていた。


「えっオーウェン。どうしたのですか。そのように怖い顔をして」

「お判りですよね。叔母様。

そもそもクリスの婚約を私が申し込んだのに、先に無理やりエドとの婚約成立させましたよね。

幼い心にメチャクチャショックを受けたんですけど私」


えっ何そんな事聞いていない。

エドの婚約申し込む前にオーウェンが婚約申し込んだってどういうこと?

クリスには初めて聞く内容だった。


「えっいやオーウェン…」

「そんな傷ついた私がクリスの想いに区切りをつけるために、最後に過ごそうとこの王立学園に留学して来た時にあなたなんて言われました?」

「えっ。いやオーウェンちょっと待って」

エリザベスはグイっと顔を近付けてきたオーウェンを避けようとした。


「僕がクリスが好きなの知っていてエドとの婚約無理やり早めましたよね」

「いや、オーウェン。国を治めていくにはいろいろあって」


オーウェンは身を戻して椅子にもたれて

「そう、甥の想いなんてどうでも良いんですよね。

でも、最後の別れを言いに来た甥になんていいました?

もう婚約していて、結婚も視野に入っていて、どうしようもないのに。

留学は認めるけれどクリスはエドワードの婚約者だ。

他の男が例え幼馴染だと言えども異性の者が話すのはやめてほしいと。

私は叔母様の冷たい仕打ちに日々泣いて暮らしました。

クリスが公爵令嬢らにいじめられている時も、勉強で苦しんでいる時も、

話しかけたらドラフォードに送り返すの言葉に我慢していたんです」


オーウェンはそこで再度身をグイっと乗り出した。

「でも、あのエドの態度は何だったんですか!

もともとクリスに興味が無いんなら、私の邪魔しなければよかったじゃないですか!

違うんですか!叔母様!」

オーウェンは机を叩いていた。


「いや、あのオーウェン。それは違うのよ。

エドの幸せを考えて、クリスも生まれた国にいた方が幸せだと。」

「その結果が学園のサマーパーティーでの婚約破棄ですか!」

「そんなことするなんて思ってもいなかったのよ」


「思っていなかった?

クリスにあんな酷い目にあわせて。

私との婚約認めて頂けていたらそんな苦労クリスに背負わせなかったのに。

僕の純情な心をもてあそんで、クリスも翻弄して、聞くところによると礼儀作法において1ミリでもおかしかったらクリスを注意したとか。

エドはほったらかしにして!

酷く無いですか。」


「誰からそんなこと聞いたの。そこまでひどく無いわよね。クリス!」


「…」

王妃はクリスに問いかけたが、クリスは視線を反らして答えなかった。


「えっクリス…」

そこまでの態度を取られるとは思っていなかったので、王妃は絶句した。


「ほうら。そこまで嫌われているじゃないですか」

「えっいや、そこまで嫌っては」

クリスが言い訳するが、


「叔母様。クリスはもう私の婚約者です。

今後は話すのは私の許可得てからにしてもらいましょうか」

意地悪い笑顔でオーウェンは仕返しとばかりに言い切った。


「オウ、私あなたの婚約者じゃないから」

慌ててクリスが否定する。


「酷い。エドの時はすぐに許可したじゃないか」

エドが悲しんで言う。


「だって、あれはお父様がさっさと了解したから」

「じゃあ侯爵さえ納得すれば良いのか?」

「そんな。オウは皇太子だし、正式な申し込みとか大変でしょ」

クリスが逃げるように言う。


「正式な申し込みしたら受けてくれるの?」

オーウェンが畳みかける。


「オーウェン。それはもう」

「叔母様は黙っていてください。」

エリザベスが話そうとするのをオーウェンは止める。


「えっいやそれは…」

あまりの意気込みに実際やりかねないと危惧してクリスは口を濁した。


「何か君に伝わっていないようだから言うけど、君が婚約破棄された時から即座にうちの父親には言って、正式な婚約の申し込みをマーマレードの国王と君の父親には出させているんだけど…」

「えっ、嘘?」

クリスは信じられなかった。


「届いていますよね。叔母様!」

オーウェンが乗り出してエリザベスに詰め寄る。


「さあ、クリスへの申し込みは何十か国からも来ていて全ては覚えていないわ」

エリザベスはしらを切る。


「あああ!そんなに来ているのかよ。

叔母様。今度余計なことしたら私は絶対に許しませんからね!」

憤怒の形相でオーウェンが言う。


「あああ、もうそんなにライバルが多いなら、こんなことをしてはいられない」

言うやいきなりクリスの前に跪いていた。


「ちょっとオーウェン」

クリスが慌てて王妃は絶句した。


「クリス嬢。あなたの笑顔がずうっと好きでした。

どうか私を一生ご指導ください」

いきなり婚姻の申し込みを始めた。


「ああん、こんなところでやるなんて信じられない!」

クリスが怒る。


「だっていつまでも認めてくれないじゃないか。

この前みたいに横からトンビに攫われるような事はしたくない。

認めてくれるまでは何度でもやる」

「ちょっとあなたたち。元婚約者の母親の前で痴話げんかするの止めて」

涙目でエリザベスが言う。


「元はと言えば叔母様がクリスを横取りするのが悪いんでしょ」

「オウ、デリカシー無さすぎ」

言い争う二人の前でクリスは真っ赤になって言った。

元婚約者の母親の前で婚約の申し仕込みをするなんて絶対におかしい。


「もうちょっと待ってよ。ちょっと、お酒をちょうだい。素面ではやってられないわ」

後ろに控えていて侍女にエリザベスは言う。


「えっしかし学園ですし」

「何言っているのよ。私の言う事が聞けないわけ!」

「ひいい」

止めようとした学園の侍従は慌てて下がる。


「まあいいわ。とりあえず飲みなさい。」

エリザベスは何処から取り出したのか赤いワインの瓶を開けた。

そして、それを棚から取り出した3っつのグラスに入れて二人にも渡した。

3年前に気づけ薬でボリスがクリスにアルコールを飲ませて…

そして今、クリスにアルコールを飲ませてしまう王妃。

次回はシャラザール来臨???

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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