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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第四章 王立高等学園

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クリスは戦災孤児の母に謝りに王宮に行くが皆に囲まれてお礼でもみくちゃにされました

結局、殴り疲れて地面にへたり込んだジャックをなんとか、家に連れて帰って別れるしかできなかった。


「姉ちゃん。姉ちゃんは赤い死神と友達なの」

別れ際に挑発的な目でジャックはクリスを見た。


「友達かと言われるとクラスメートと言うくくりかな」

クリスは何とかそう言った。


「判った。姉ちゃんも嫌いだ!」

そう言うと扉を思いっきりジャックは閉めた。


クリスは何一つ言えなかった。


気まずくなったのか一同はそのまま三々五々分かれて家路についた。


「ごめんなさいね。オーウェン様。こんな事になってしまって」

クリスが謝った。


「いや、マーマレードにある反ノルディン感情がよく判って良かったよ」

オーウェンが言った。


「アレク様が付いてきている可能性もあったのに、あんまり考えてなくて良くなかったですね」


「いや、あいつにはむしろ良かっただろう。

ジャンヌの入り婿に入るなんてなかなか厳しい事がよく判ったんじゃないか」


「あの子にとってはアレクは父親を殺したにっくき相手だし、私にしてもジャンヌお姉さまにしても彼は戦った相手ですし、私なんかいまだにたまに夢見るくらい怖い相手でもあるんです」


「その時に傍で君を守れずに本当につらかった。

クリスが無事だって聞いたときは本当にほっとしたよ。

今回も中央師団に襲われたって聞いて本当に肝冷やしたんだから。

それを取り込んでいるなんて想像もしなかったよ」

オーウェンは苦笑いをした。


「下手したら俺よりも強いよね。クリスは」


「オウ、それ女の子に言います?」


「そばに置いていただけるならこれからも君を守らぜていただきますけど」

オーウェンは笑って言った。


「で、なんで王宮な訳?」

連れて来られた巨大な壁を見てオーウェンが聞いた。


「あの子の母親に謝っておこうと思って」


「王妃でなくて侍女な訳ね」


「王妃様にはお会いしたくないです」

クリスははっきり断る。


その頃王宮内で王妃はくしゃみしていた。


「これはこれはクリス様。」

門番も最敬礼した。


「すいません。侍女のメリーに用なんですけど」


「少々お待ちください。中に入られますか?」


「いえ、そこの打ち合わせスペースでいいです」

中なんて案内された日にはどんなことになるか判らない。

王妃にわかったらどうなる事やら。

前回散々喚き散らした点まだ謝ってもいないし、延々怒られてしばらく帰れなくなるかもしれないし。

クリスは遠慮した。


入口の傍の打ち合わせスペースに案内される。


「へえええ、こんなところあるんですね」

簡易な小屋が区切られていて初めて入ったオーウェンは驚いた。


「普通の面会場所なんです。王城の中なんて案内されたら門限までに帰れないかもしれませんし」


「クリス様。どうされたんですか。

こんなところまで来ていただいて。

お呼びいただきましたら私からお伺いいたしましたのに」

慌ててメリーが飛んできた。


「ごめんなさんいね。メリー、お仕事中に呼び出して」


「いえ、そんなのは大丈夫なのですが。」


「それよりもごめんなさい。あなたに謝らなければいけないことがあって」


「何なのですか。いつも私の方が助けて頂いているのに」


「それがね。実は今日ジャックを訪ねたのだけれど」


「えっありがとうございます。

あなた様がわざわざジャックを見に行っていただけたのですか。」

驚いてメリーが言った。

電話してもらっていたのは知っていたが、一介の侍女の息子にわざわざ会いに行ってもらったなんて、普通ありえなかった。


「あの、それは良いんだけれど、知らないうちにノルディンの皇太子殿下も付いてきていたみたいで、ジャックと会ってしまって」


「赤い死神がですか」


「ごめんなさい。父親の仇ってジャックが怒ってしまって」

クリスは必死に謝る。


「すいません。息子は皇太子殿下に失礼な事をいたしませんでしたか?」


「いえ、それは良いのだけれど、御免なさい。あなたにとっても赤い死神は夫の仇。」


「でも、それを言ったらクリス様にとっても大叔父様の仇では無いですか。

そもそもクリス様は皇太子殿下と戦われたんですよね」


「でもそんな私が皇太子殿下とクラスメートなのが許せなかったみたいで」


「そんな事は気にしないでください。

息子には良く言って聞かせておきますから」

メリーは笑って言った。


「そんな事をお知らせいただくためにわざわざここまで足をお運び頂けたんですか」

メリーは感激していった。


「あのう、それよりもクリス様が来たことが皆に知れまして。

みんな外で待っているんですが」

メリーが言う。


「えっ」

クリスは固まった。


「今日いる侍女や内勤の者王宮警護の面々が来たみたいです。」


外に出ると城門の周りに100名ほどが勢ぞろいしていた。


「皆さんどうしたのですか?」

クリスが聞く。


「クリス様。ありがとうございました」

「クリス様のおかげで逆賊にならなくて済みました」

「夫を助けて頂いてありがとうございました」

「息子のところに無事に帰れました。」

クリスは皆に寄られてお礼を言われていた。

もみくちゃにされそうなのをクリスの率いた大隊関連者が盾になってクリスがつぶされないように必死に支えていた。


クリスはとてもうれしかった。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
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イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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