表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第四章 王立高等学園

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

84/480

エステラは脚本書く決意をしました

昼休みが終わった後にショートホームルームがあった。

今日は学祭の出し物をある程度決めるホームルームだった。


「皆さんからとったアンケートの結果を見ると演劇が多かったです」

クリスが全員を見渡して言う。


「演劇で宜しいですか。」

スティーブが聞く。


「異議なし」

ジャンヌが言った。


「では演劇なんですが、出し物については皆さんからいろんな意見いただきました。

それで皆さんからいただいた意見を元に脚本を演劇部のエステラ・ハイドさんに書いていただこうと思うのですが」


「素人にさせるのですか?」

ヘルマンが聞く。


「エステラ・ハイドさんは演劇部でも雑用係だと思いますが。」

マーマレードの生徒からも反対の意見が出る。


「彼女の中等部の演劇は見させていただいたのですが、とても素晴らしいものがありました。

自主性を重んじる王立高等学園としても生徒に脚本を書いてもらうのは問題無いと思いますが」


「でも、彼女以上の物を書けるものがいたらそちらを優先しても良いんだろ」

ヘルマンが言う。


「当然、そうですね。脚本書きたい人は書いていただいて結構です。2週間後の今日の朝までに出して頂いて検討したいと思います」

クリスは言う。


「データは同じものを皆さんにお渡しします。後でスティーブさんまで取りに来てください。

あと、皆さんご自身が何をしたいか、演技なのか衣装なのか子道具なのかあるいは音楽なのか。

剣が得意なのか魔法が得意なのか、やりたいこと書いてアンケートまた返してください」

クリスが言う。


そのクリスをハンカチの端をかみしめながらエカテリーナは見ていた。

トイレから帰ってきた時に、ガーネットとナタリーが電話しているのを聞いてしまったのだ。


ー私がいない時を見計らってオーウェン様と街に行く約束するなんて許せないー

エカテリーナはハンカチをかみしめていた。



次の授業は世界史だった。

ドラフォードの成り立ちだった。

シャラザールがマーマレードを蛮族から解放された後に連合軍で攻め込んで建てた大帝国

それが100年後に分裂してできたのがドラフォードだった。

今は最大の領土を誇る大国になっていた。

農業と商業の大国であった。

大帝国からさかのぼると建国500年をほこる国だった。


「オーウェン様。オーウェン様の国は我が新興国のノルディンに比べてとても歴史が長いのですね。

ぜひもっといろいろお教えいただきたいんですが」

ここぞとばかりエカテリーナは聞く。


「えっドラフォードに興味があるの?」

喜んでオーウェンが聞く。


「はい。ミラーとか、文化史とかにとても興味があるんです」

何かきっかけをつかもうとドラフォードの文豪で唯一知っている名前を挙げる。


「文化史ならイザベラ嬢が得意だよ。イザベラ嬢」

オーウェンはイザベラを呼ぶ。


エカテリーナは失敗したことを悟った。


「はい。オーウェン様。何ですか?」


「エカテリーナ嬢がドラフォードの文化史について興味がおありだとか。いろいろお教えしてほしいのだけど」


-えっドラフォードの文化史にエカテリーナが興味がある?

文芸に興味のなさそうなエカテリーナがまさかと思いながらイザベラが話し出す。

それを見てオーウェンはクリスと話をしようとクリスの席に向かう。


「クリス嬢。次の力学の授業なんだけど、ちょっとわからないところがあって」

教科書をオーウェンが見せる。


次は選択授業で難関の力学だ。

クリスはこの授業も物理と並んで苦手だった。

それをオーウェンが聞きに来るってどんな意地悪なんだろうと思いながら、


「オーウェン様。力学も私とても苦手なんです。

スティーブ様がお得意だったと思いますわ」

スティーブに振られて終わりだった。


空回りしたエカテリーナとオーウェンだった。



その力学の授業でクリスはエステラの隣に座った。

エステラは隣に座るクリスの顔を見てうつむいたが、授業に集中する。


終わった後に思い切って顔を上げてクリスを見る。


「なんで私が良いと思ったんですか?」

エステラはいきなり聞いた。


「ごめんなさい。本当を言うと私もよく判らないの」

クリスが言う。


「えっそうなんですか?」


「でも、あなたの中学に娘を通わせている王宮侍女がいて学祭でのその演劇が素晴らしかったって

言ってたのよ。前もらっていたのだけど王妃教育で忙しくて見られなかったの。

それこの前やっと見られたら本当に面白くて。

それ演出していたのあなただったのよ」

笑って言った。


「えっ見て頂けたんですか」

驚いてエステラは聞く。


「ごめんね。遅くなって。夢見るステラさん」

そのクリスの言葉にエステラは真っ赤になった。


「中学のあだ名なんで知っていらっしゃるんですか」


「その侍女の娘さん、オリビアに聞いたのよ」


「オリビア知っているんですか」


「彼女が演技指導がメチャクチャ厳しかったって言っていたわ」


「判りました。さすが聖女クリス様にはかないませんね」

笑ってエステラが言った。


「聖女なんていいものじゃないわ」


「何言っているんですか。人の心に入り込むのがとてもうまくていつの間にか皆の心を掴んでいるって。今回の反乱でも私のおじが第4師団にいたんですけど、助けて頂いてありがとうございました」


「私じゃなくてジャンヌお姉さまたちがわがままを聞いていただけただけよ」

クリスは謙遜する。


「まあそういう事ににしておきますね」

エステラは笑った。


クリスに感謝しているものはこのクラスにも多かった。

婚約破棄でも侍女の大半を味方にしたと聞いている。

今回の反乱にしてもそうだ。

いつの間にか人の心を魔法のように掴んでいると。

自分もそのクリスの魔法に捕まってしまった。


後は全力出すだけだとエステラは決意した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ