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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第四章 王立高等学園

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演劇の演出は雑用係のエステラ

翌朝クリスはガーネットらと朝食を取っていた。


「クリス様。何を見ておいでですの?」

ナタリーが聞く。


「昨日学祭で何がしたいかアンケート取ったでしょう。その結果をスティーブ様が送ってくれたので

それを見ているんです」

画面をクリスが動かす。


「ああ、12月にある学園祭の出しものね。」

ガーネットが聞く。


「ガーネット様のクラスは学園祭は何をされるのですか。」

イザベラが尋ねる。


「うちはなんか喫茶店みたい。コスプレしてやるみたいだけど。」

ガーネットが答える。


「クリス姉様のところは?」

「3年生ですからね。やはり演劇希望が多いですね」

「へえええ、出し物は何するんですか」


「それはこれから決めますけど、歴史ものと恋愛ものが拮抗しているって感じですね」

クリスが言う。


「へええ、演劇か面白そうですね。」

「恋愛ものね」


3人は画面を見ているクリスをほっておいて3人で顔を付き合わす。

「これはチャンスでは無いですか」

「お二人をくっつけるには」

「何としてもお兄様とクリス姉様をくっつく配役にして」


「何また3人で悪だくみしているんですか」

また後ろからエカテリーナが入ってくる。


「あらエカテリーナ様。昨日の数学理解できました?」

「そうね。まあまあよ」

「ですよね。あのスミスと言う子、判りやすかったですよね」

「王女に対して生意気でしたけどまあ、何とかわかりましたわ」

エカテリーナがそう言う事は判りやすかったという事だろう。


そこへ死んだ顔でジャンヌが降りてくる。


「おはようございます」

皆挨拶する。

「おはよう」

そう言う言葉も死んでいた。


「ジャンヌお姉さま。今日は昨日に比べて早いですね」

クリスが言う。


「今日から遅刻1回につき1時間補習入れるって陰険ジャルカに言われたから」

ぶつぶつ言いながら、クロワッサンのパンを口に放り込んで牛乳で流し込みながら

ジャンヌは言う。


そのジャンヌを遠くからエステラ・ハイドはあこがれの目をもって見ていた。


ジャンヌ王女は暴風王女としてノルディン戦の英雄だ。

その姿はりりしく、今回の王弟反逆においても敵を一刀両断に次々と倒していったらしい。

エステラは何回頭の中でジャンヌの戦う様を想像しただろう。


あのりりしい姿を自分の思うように演出してみたい。

夢見る演劇少女だった。



そのジャンヌが食べ終わったので、みんなで出る。

ジャンヌは千鳥足だ。

クリスはスミスが送ってくれたみんなの意見を頭に入れつつ、考えていた。

エステラの演劇を取ったデータをルーファスに無理言って見せてもらった。

内容は中等部なのに結構しっかりとしており、皆の演技も良かった。

せっかく演劇やるなら、みんなに楽しんで欲しい。

その中の演出は要だった。

平民出身だから、王族に遠慮があるかもしれないが、王立学園は身分平等を謳っている。

ジャンヌはそんなこと気にしないだろう。


後は何処で捕まえるかだけど…・

「おはようございます」

と言いながら、まさにその子が足の遅いクリスらを頭を下げて抜いて行こうとしていた。


「あっエステラ・ハイドさん」

クリスが思わず声を上げる。


「えっ」

エステラ・ハイドは驚いた。まさか侯爵令嬢クリスに声をかけられるとは思ってもいなかった。そもそもクリスが自分の名前を知っているのに驚いた。

確かに今年はクラスが一緒だったが、クリスは王妃教育に忙しくてエステラと話したことは無かったはずだった。

そしてその横にはあこがれのジャンヌ王女もいるのだ。

エステラは固まった。


「あなた同じクラスで演劇部のエステラさんよね」


「はい。クリスティーナ様。そうですけど」


「そんな様なんてつけないで。クリスでいいわ」


「じゃあクリス様。」


「学園だから呼び捨てで良いわよ」


「そんな滅相も無い。」

平民のエステラには難しかった。


「まあいいわ。それはおいおい。

スティーブさんがあなたの中学の時の演出が素晴らしかったっておっしゃていらっしゃったんだけど」


「褒めて頂いてありがとうございます。昔の話で恥ずかしいです。

でも、今はもっと素晴らしい方が一杯いらっしゃって演劇部では雑用係なんです」


「じゃあ学園祭の時も演劇部はそんなに忙しくない?」


「それはまあ」


「じゃあクラスで演劇するなら演出できるわよね」

クリスは詰める。


「そんな、王族方が一杯いらっしゃるのに私のような者が演出するなんて恐れ多いです」

エステラは首をブンブン振った。


「ジャンヌお姉さま」

半分寝ているジャンヌをエステラの方に引っ張る。


「彼女が演出してくれたらお姉さまの輝きが2倍になりますわ」

クリスは強引にエステラを勧める。


「えっそんなにすごいのか」

驚いてジャンヌが言う。


「スミスさんが褒めていらっしゃいましたから」


「ふーん。ならよろしく頼む」

半信半疑でジャンヌが言う。


「えっいや、ジャンヌ様!」

エステラはジャンヌから話しかけられて感動した。


「良かったです。これで演出が決まりましたわ」

クリスが喜んで言う。


「いや、クリス様。そんなの無理ですって」

慌てて我に返ったエステラは否定する。


「演劇部にはお姉さまの方から断ってもらいますから。

宜しくお願いします。」

クリスは強引に話を勧めた。


エステラは口をパクパクするしかなかった。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

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上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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アルファポリスのレジーナブックスにて

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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イチオシ

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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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