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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第四章 王立高等学園

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クリス 子供に電話で励まされる

それからが大変だった。

慌てた理事長までやって来た。

幸いなことに結界がクッションになったようで、フランツは怪我はしていなかった。


クリスに魔術を使わせることは禁則行為になっていたのだが、それをさせたことでフランツはしばらく謹慎になる予定だった。


「まあ、クリス気にするな」

遅めの食事を食堂で取っているクリスの目の前に座っているジャンヌが慰める。


「でも、フランツ先生を弾き飛ばしてしまいましたし」

うつむいてクリスが言う。

せっかくおとなしくしていようと思ったのに。


「あれはフランツが悪いだろう。自分より魔力の多い人間に魔力干渉しようなんて馬鹿なことするから」


「そうです。禁則事項に触れた彼が悪いですよ。」

隣のテーブルに座ったオーウェンが言う。


クリスの隣に座ろうとしたのに、アルバートに邪魔されて隣に座れなかったのだ。

クリスにしてみれば目立ちたくないのでこの王族に囲まれた中で食事するのもやめてほしかったのだが。まあもうこれは仕方がないかもしれないが。


「禁則事項って言われも、なんか、私が魔術使うととんでもないことが起こるように言われたみたいで…」

クリスが嫌がるが

アレクは事実だろうと口にはできなかったが、思った。

そう、死んでもそれは口にはできない。


「いや、それだけ偉大な力をお持ちなのですから、お気になさることは無いですよ」

隣に座っているアルバートが言う。


「そう、クリス以上の魔力量を持つ奴はなかなかいないからな」


「ジャンヌお姉さまに言われると何か私が化け物みたいです」

クリスが嫌がる


「そうか、私もそれだけ魔力量があればノルディンを殲滅することもできるのにとうらやましいんだが」

ジャンヌがしれっと真実を言う。


それを聞いて思わず、アレクはびくっとする。

余計なことをジャンヌは言わないで欲しい。


「そんなことは無いですよね。お兄様。

ノルディン軍は一人の人間にやられるほど弱く無いですわ。」

ちゃっかりとオーウェンの横に座っていたエカテリーナが言う。


「いやまあ・・・」

アレクは笑って誤魔化した。

ここは即座に否定してくれると思っていたエカテリーナは驚いてアレクを見る。

兄が誤魔化すなんてめったにないのに。

それに心なしか兄の顔が青いのが気になった。


「それより、ジャンヌ殿下、もしよろしければ久々にお手合わせをお願いしたいのだが」

アレクは話題を思いっきり切り替えた。


「うん、それは構わないが、何処でやる?」

ジャンヌもそれに乗っかる。


「私はどこでもいいんだが」

「まあ、ここの訓練所でも良いが、本気出したらまた何か壊れるかもしれないし隣が魔導第一師団の訓練場だしそちらでやるか」

「私がが入ってもいいのか」

アレクが驚いて聞く。


「いまさら何を言っている。駐屯地には散々入り浸っていたではないか。

オーウェン、お前のところの騎士も来させて良いぞ」

ジャンヌは言う。


「判った。せっかくだからお邪魔する。アルバートお前はどうする?」

オーウェンが聞く。


「私はクリス様の」

「アルバートも行ってきていいわ。ここはメイがいるし、私はこの後図書館に行くだけだから」

その言葉を途中で切ってクリスが言う。


「せっかく留学しているんだから皆様と手合わせしてきて」

嫌がるアルバートを行かせて、クリスは食堂から立ち上がった。


図書館に行くとボフミエ魔導帝国の資料をいろいろ取り出して調べ出す。

ボフミエからクラスに2人、学校に5人もの留学生が来ているなんて今日まで知らなかった。

たしか、ボフミエ魔導帝国からの留学生なんて久しぶりのはずだ。

いつもはクラスメイトの国の事は彼らに会う前から知っているのだが、今回はそんなことをする気も無かったのだ。しかし、あれだけかんでくるという事は、それも5人もよこしてくるなんて何かあるはずだ。魔導大国で魔力第一主義、魔力があるものが貴族になるという事は知っていたが、いつ必要になるかは判らないので出来る限りの情報は手に入れたい。

ジャルカにもいろいろ聞いてみよう。

そう思ったときに魔導電話が鳴る。

慌てて図書館の外に出ると電話を取る


「クリス姉ちゃん」

画面には小さい男の子が映っていた。


「ジャック久しぶり」

クリスは笑顔で言った。


「姉ちゃん、もう姉ちゃんに電話したらダメなの?」

男の子がいきなり聞く。


「えっそんなことないわよ。なんでそんなこと聞くの?」

クリスは驚いて聞いた。


「良かった。姉ちゃん、もう僕らに愛想をつかしたのかと思ったよ」

ジャックはほっとした。


「なんで、私が愛想つかすわけないじゃない」


「そうだよね。昨日、兵隊さんの偉い人が来てくれてそんなこと言っていたから」

クリスの言葉にジャックが言い訳する。


「大丈夫よ。ジャックが電話しても良いと思うならいつまでも電話してきていいわよ」

クリスは言う。

この前の事件の時に他の大人に嫌味を言いすぎたかもしれない。

とクリスは少し後悔した。


「約束だよ」

ジャックはせがむ。


「お姉ちゃんが嘘言ったことある?」

クリスは聞き返した。


「ううん、ない。それとこの前は僕らのために戦ってくれてありがとう」


「えっ戦ってくれたって?」


「僕らみたいな子供たちが出来ないように悪い奴をやっつけてくれたんでしょ」

「・・・・」

ジャックの言葉はクリスにとってうれしかった。

大人たちと違って純情な子供の言葉にお世辞や嘘は無かった。


「母ちゃんが言っていたけど、悪魔にのっとられた偉い人も思いっきり張り倒して正気に戻してくれたって。聖女様みたいだって」


「・・・・・」

それを聞いてクリスの目に涙が浮かんできた。

涙があとからあとから湧いてくる。


「ど、どうしたの姉ちゃん」

いきなり、クリスが泣きだしてジャックは驚いた。


「何でもないわ。君に褒められてうれしくて」

そのクリスに横からハンカチが差し出される。


「ありがとうございますって オウ」

ハンカチを出してくれた人を見上げてそこにオーウェンが立っているのを見てクリスは驚いた。

オーウェンは軽く微笑むと誰かに呼ばれたみたいで手を振って離れて行った。


「お姉ちゃん、誰かいるの?」

ジャックが聞く。


「ううん、大丈夫よ、ジャック、本当にほめてくれてありがとう」

涙をそのハンカチで拭きながらクリスが言う。


「ジャックらの為にこれからも姉ちゃん頑張るね。

だからジャックも頑張るのよ」

クリスがジャックに言う。


「うん、俺も頑張るよ。姉ちゃんも頑張って」

そう言うとジャックは電話を切った。

クリスは思った。そう不敬になろうと貴族から文句を言われようとこの子供たちの為に頑張っていこうと。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
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私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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