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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第三章 王弟反逆

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赤い死神と大国皇太子 誓約書に署名させられる

「お姉さま」

「クリス」

馬車がついてクリスは本陣にジャンヌを訪ねた。


「しかし、中央師団の大隊を降ろしたことと言い、ホーエンガウ城の無血開城と言い、お手柄だな」


「お姉さまの魔導中隊戦との特殊部隊戦に比べれば全然ですわ」

クリスが謙遜する。


「ここからは私がやる。ここまでご苦労だったな」

ジャンヌがこれ以上クリスを危険な目に会わせたくないと言い切った。


「何をおっしゃるんですか!

ドラフォードの皇太子殿下と同じことを言われるんですね」

クリスが不機嫌そうに言う。


「何、私のどこがあの陰険皇太子と同じなのだ」

ジャンヌがクリスの思い通りに引っかかる。


「殿下も私が役立たずだから後方で待機しろとおっしゃいましたから」

いや、危険だから後方にいてほしいって思ったんじゃ無いのかと横にいたウィルは思ったが、


「いや、役立たずとは思っていないぞ」

慌ててジャンヌは言う。


「じゃあ、私も王弟殿下のところに参ります」

クリスが申し出た。


「乗り掛かった舟です。

ホーエンガウ城の皆さんに王弟殿下を無事に返したいんです」

クリスがニコッとして言った。


「でも、クリス王弟は反逆だぞ」

言い辛そうにジャンヌが言う。


「確かにジャンヌお姉さまのおっしゃる通り、反逆は大罪です。

しかし、人殺しも大罪なのでは無いですか?


私、王弟殿下の母上エイミー様が亡くなった件については本来殺人罪が適用されてしかるべきだと思います」

昔の事を持ち出してクリスが言う。


「そんな昔の事を持ち出されても困るだろう」


「困るのは王家と私のミハイル家だけですが」

クリスがあくまでも拘る。


「ミハイル家は別に謹慎でも何にも困りません。

お父様が出仕しなくて困るのは王家の皆様のようですし、国外追放させられたら、何処かの国に拾っていただけるとは思いますので」

何か不穏な事しか言っていないクリスを見てジャンヌはため息をついた。


「ああ、判ったクリス。何を望む」


「エイミー様殺害事件の真相と王弟殿下の再生の機会を」

クリスが言い切る。


「何故お前がそれを求める。お前も王弟に殺されかけただろう?」

訝し気にジャンヌが聞く。


「ホーエンガウの城には王弟殿下に殉じようと500名もの方々がいらっしゃいました。

極悪人に500人もの方が命を預けないです」

クリスは理想を言う。


「私はその人たちに約束したのです。王弟殿下を必ず無事に皆さんの元に帰すと」

クリスが宣言した。


「えっ、そんな勝手な約束をしたのか」

ジャンヌが驚いて聞いた。


「申し訳ありません。

処罰ならばいかようにもお受けいたします。

国外追放ならば即座にお受けいたします。」

あっさりとクリスは何でもないように言い切った。


「・・・・・・」

ジャンヌは苦虫をかみつぶしたような顔をした。

クリスの周りからジャンヌに冷たい視線がブンブンぶつかってくる。

特にクリスの弟からの視線が怖かった。


「判った。前向きに考えよう」

ぼそりとジャンヌが言う。


「ありがとうございます。殿下」

嬉しそうにクリスが言った。


文句たらたらの顔をしたジャンヌがいた。

こんな事がしれたら、あとで司法長官のブリエントや王妃から何を言われるか判ったものでは無かった。


そのはるか後ろでは突っ伏して涙にむせるホーエンガウからただ一人ついて来たゴードンがいた。

彼はただひたすら泣いていた。



そしてその軍のはるか後ろに、頬を腫らしたアレクと呆然としているオーウェンがいた。


「何も殴らなくても良いのではないか。こちらは何も知らなかったのに。」

アレクは二度と何もしないよう皇帝に念押しし、自軍にも再度2度と手を出さないように念押ししたあと、やっと追いついたのに、


「貴様、責任とって殴らせろ」と周りが止める間もなく思いっきりジャンヌに殴られていたのだ。


「クリスはひどい。せっかく徹夜で追いついたのに、

前線は危険だからって注意しただけなのに、傍に寄らせてくれない…」

二人はうじうじと愚痴を言い合っていた。


「ふぉっふぉっふぉっ、どうされたのですかな、お二人とも振られましたか」

笑ってジャルカは言う。


「そんなに笑いたいんですか。あっちに行ってください」

アレクが言う。


「なんと冷たい。あなた方が、姫様方にメチャクチャ感謝される案をお持ちしましたのに」


「どのみちろくでもない案なのだろう」

アレクは受け付けない。


「そうですか。じゃあウィル殿とアルバート殿にでも振りますかな」

ジャルカは他に行こうとした。


「ちょっと待った。その案とやらをお話しいただきたい」

「私も聞こう」

二人の名を出した途端にアレクとオーウェンは食いついた。


「いやしかし、ろくでもない案だとおっしゃいましたな」

ジャルカがいじわるそうに言う。


「あの二人で出来るなら私の方が良いだろう」

「そうだ。剣の腕は私の方が上のはずだ」

二人が慌てて言う。


「でも、他国の皇太子殿下を危険にさらすわけには」

ジャルカが言いよどむ。


「ふんっそんな危険なことなど戦場に比べればましだ」

「暴風王女の側にいる事に比べたらましだ」

二人はそれぞれ言い合って無理やりその役を取った形になった。


そして、


ジャルカ様が危険だからやめろと言われましたが、無理を言って譲っていただきました。

何があっても責任は自分で取ります。


という内容の誓約書まで書かされていた。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
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とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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