暴風王女の部隊は軽く北の大国の魔導部隊を叩きます
北方師団の特別魔導中隊の駐屯地では中隊の面々がジャンヌの帰りをみんな待っていた。
ジャンヌがいないのでのんびりしていたが。
みんな、王都に帰る準備もしている。
この北方の寂れた地に配属されて3年、
もっとも赤い死神と言われるイケメン皇太子が3日と空けずに来るので全くの寂れたところというわけでは無かったが。
北都ノザレも片道半日のところにあり、休みの日は北都で過ごせることも多かった。
戦闘は配属されてから3年間、北のその司令官と姫が仲が良いからかノルディンの攻撃は無かったが。
「うーん、姫様がいないと暇だな。」
のんびりとヨハン・ヨークシャーがいう。
「暇なら、さっさと報告書提出してください。3日も貯めていますよ。」
幻術が得意なライラ・チャートが文句を言う。
「いや、報告書よりは訓練と行こうか。ザン」
と火炎系の魔術の得意なザン・ルイスを誘う。
「ん?」
そのザンは気配を感じた。
みんな一斉に察知する。
「おいおい、初めてノルディンの奴ら来るみたいだぜ」
「北。ノルディンの魔術部隊20感知」
ライラが言う。
林の中から魔術師が現れる。
しかし、そこには構えていたザンがいた。
一瞬で火炎魔法をその魔術師に叩きつける。
魔術師は吹き飛んだ。
爆裂魔法が皆のいた机の上に炸裂する。
10名ほどいた隊員は散開し、各個撃破に入った。
「ジャルカ様。王都にて王弟反逆です。」
ジャルカの電話にルーファスは報告する。
「なんと、それは大変じゃのう。」
のんびりと爆裂魔法を避けながらジャルカは応えた。
「その方がいながら反逆を察知できなかったとはまだまだじゃの」
自分の事は棚に上げてジャルカは言う。
「何言ってんですか、そっちも襲撃受けているみたいですけど」
「こちらはノルディンの雑魚じゃのう。
赤い死神はおらんようじゃが」
目の前に現れて剣を向けてきたノルディンの魔導騎士に一瞬で爆裂魔法を浴びせながらジャルカが言う。
「王弟とノルディンの皇帝が手を組んだのかもしれんの」
「中央師団と近衛の一部、魔導部隊も第二中隊が反逆したようです。」
「クリス様も襲われたみたいですが」
「まあ、クリス嬢と姫は問題ないじゃろう」
「遅くなった」
そのジャルカの横にジャンヌが転移で現れる。
「姫様。ご無事で何よりですな」
ジャルカがしれっと言う。
「ふんっ全然心配していないくせに」
むっとしてジャンヌは言う。
「第二中隊ごとき100人いても姫様にはかないませんじゃろ」
目の前に転移してきた魔術師を衝撃波で弾き飛ばしながらジャルカが言う。
「変わり身の術で躱したら、あっさり信じやがったの」
無詠唱で火炎をはじき出し横にあわられた魔術師を黒焦げにしながらジャンヌは言う。
「おおお、姫様も幻術が使えるようになりましたか。やっと」
そう言いながらジャルカは走ってきた剣を構えた敵を躱す。
「どういう意味だ」
ジャンヌはその魔導騎士を剣で袈裟懸けにする。
「単純攻撃魔法オンリーの姫様が幻術などと言う躱す術を使われるようになるとは」
「単細胞と言いたいのか?」
「いやいや、ドラフォードの皇太子殿下のように陰険になられた」
「ジャイカ・・・」
ジャイカは現れたヨハンの陰に隠れる。
「終わりました。」ヨハンが報告する。
上げた手の行き所が無くてジャンヌは舌打ちした。
「ライラはノルディンの他の部隊の動きを索敵」
「他は散開してとりあえず待機」
「了解しました。」
「ルーファスはとりあえず情報収集を」
「了解しました。」
遠くの方でジャイカの魔導電話から返事が聞こえた。
暴風王女も強いです。








