魔人の群れに筆頭魔導師が雷撃を浴びせました
背の高さ20メートルほどの巨人といっても良いほどの魔人達は一群となってトリポリ王国の王都に向かっていた。
体は真っ黒で目は真っ赤に爛々と光っていた。
その群れの中に、ボフミエ最強、いや、世界最強騎士のジャスティンの斬撃は放たれたのだ。
ドゥオーーーーン
先頭を歩いていた魔人が真っ二つに切断された。そして、少し後ろを歩いていた魔人も。
斬撃は次々に魔人を切断していった。
20体は両断されて倒れる。それと同時に黒い消し炭と化して崩れていった。後には黒くなったチリしか残らなかった。
「「「グウォーー」」」
魔人達が咆哮した。
「「「うっ」」」
その声に集まった皆は頭を押さえる。
魔人は歩く速度を加速し始めた。
「右は私がやる」
頭を押さえたジャンヌが魔術師達を連れて右翼の魔人達に突入していった。
「アルバート!」
クリスが指示を飛ばす。
「「「はっ」」」
アルバートとウィル、ナタリー、メイ、ビアンカが駆けだした。
先頭に立った魔人がアルバートに殴りかかる。
アルバートはその手をかいくぐり飛び上った。
そして、魔人の首を次の瞬間斬り落としていた。
横の魔人はウィルが転移で首の真横に現れて、剣を振るう。
魔人の首が飛んでいった。
魔人は首を斬り取られ、その瞬間地面に崩れ落ちていた。
ナタリーは必死に魔人の攻撃から逃れる。
メイはミラーで魔人の攻撃を跳ね返して魔人を消滅していた。
一方のジャンヌは火炎魔術で魔人の首を次々に破壊していく。
アレクは爆裂魔術であっという間に10体の魔人を一瞬で消滅させていた。
100体は30分で消滅していた。
「大したことはなかったな」
ジャンヌが戻ってきて笑顔を見せた。
「まあ、一度魔王との戦いで戦っているからな」
返ってきたアレクも余裕だった。
「まあ、これくらいなら、まだなんとかなります」
アルバートも言ってくれたが、ナタリーもメイも疲労困憊していた。
一方のゼウスはそれを映し出した画像で眺めていた。
「100体くらいでは大したことはないの」
ゼウスが眉間のしわを深くした。
「そうじゃな。次は200体で行くか」
「それが良かろう。兵士達はまだまだおるからの」
魅了魔術で魅了された兵士達はゼウスに魔人に変えさせられた事すら判っていなかった。
「よし、行って参れ」
ゼウスが200体の魔人を作り出すと転移魔術を発動させた。
200体が黒く光ると次の瞬間ゼウス達の前から姿を消した。
「さあて、小娘、どれくらいまで耐えられるかな」
ゼウスはほくそ笑んだのだ。
「申し上げます。新たな魔人確認しました。今度はその数は200です」
兵士が報告してきた。
「ちっ、ゆっくり休む暇はないようだな」
「行くぞ」
ジャンヌ達が飛び出していく。
まず、ジャスティンが斬撃を放った。
今度も20体ばかりが消滅する。
ジャンヌ達が魔人にとりついた。
しかし数が先程の倍だ。
次の200体は倒すのに1時間ほどかかった。
更に、魔人200体を倒したその後に今度は魔人300体がきたのだ。
これにはジャンヌ達は頭を押さえていた。
これを倒しきるのは2時間くらいかかった。
終わった後はさすがのジャンヌ達も疲れ切っていた。
話す余裕もなかった。
その日はそれで終わったが、翌日からの事を考えるとジャンヌらは頭が痛くなった。
そして、翌日早朝から400体の魔人が転移して現れた時に、さすがのクリスらも唖然としたのだった。
400体を倒した時、さすがのジャンヌ達も疲労困憊していた。
そんな時に次の500体が現れたのだ。
ゼウスはどうやら100体ずつ増やしていく方針みたいだった。
それを見て、さすがのジャンヌ達も顔をしかめた。
さすがにこの500体は厳しいと思ったのだ。
「お姉様達はお休みください。ここは私がやります」
初めてクリスが前に出た。
「しかし、クリス、お前は対ゼウスの為の貴重な戦力だろうが」
ジャンヌが言うが、
「そうだ。クリス。ここで力を使って問題ないのか」
オーウェンが口を出した。
ここまで乱戦でオーウェンもクリスを守って3体の魔人を倒していた。
出来れば皆クリスの力をゼウスの戦いのために取っておきたかった。
「背に腹は代えられません」
クリスはそう言うと魔人に対して手を向けた。
500体の魔人達がそれを見て速度を上げた。
「魔人達よ。土に還るのです!」
クリスはそう叫ぶと手を魔人達に向けてから振りかざした。
その瞬間だ。クリスの手が真っ白に光った。
そして、凄まじ数の雷撃を放出したのだ。
バリバリバリバリ
凄まじい光景だった。
雷が前方に一斉に飛び出し、魔人に襲いかかった。
魔人が雷の前に次々に黒い塊になり、崩壊していく。
凄まじい煙と稲光に周りは覆われた。
そして、その黒煙が去った後には何も残っていなかったのだ。
ここまで読んで頂いて有り難うございます
続きは今夜です。
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