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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第14章 戦神の逆襲

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北の使者への対応でもめましたがクリスらで対処することにしました

「何だと、ドロビッチが使者に来ただと!」

 その報告を聞いてアレクが大きな声を上げた。

「あのノルディンの陰険宰相だろう」

「あの偉そうな奴が自ら出てくるか?」

 オーウェンは胡散臭そうに顔をしかめ、ジャンヌは信じられないという顔をした。

「普通はあり得んな」

 アレクが断言した。


「これは何かの罠に違いない」

「自爆攻撃か?」

「しかし、あの男が自ら魔導爆弾になるか」

「普通はあり得んな」

「しかし、ゼウスに命じられたら可能性があるぞ」

「ゼウスが憑依してる可能性もある」

 皆それぞれ可能性を上げだした。


「どうする?」

「とりあえず、トリポリ国王を出して探りを入れるのはどうだ?」

「それはありかもしれんな」

「ヒィィィィ、ちょっと、止めてくださいよ!」

 突然自分に振られてトリポリ国王が素っ頓狂な声を上げた。


「私はまだ死にたくありません」

 慌てふためいて両手を大げさに振って叫ぶが、

「クリスを殺そうとしたのだ。それくらいやっても良かろう」

「ヒィッ」

 氷のようなオーウェン冷たい声に思わずトリポリ国王は飛び上がっていた。


 クリスの魔力に当てられて人間に戻り、翌日には元気になったトリポリ国王だが、吸血鬼になってクリスを襲いそうになったと聞いて青くなっていた。特にオーウェンが今にも斬りかかりそうな顔で睨んでいたので平身低頭して謝ったのだが、オーウェンはまだ許していないみたいだ。


「オーウェン様、私はもう気にしておりませんから」

 クリスが横からそう言うとトリポリ国王に向けて微笑んだ。

「ありがとうございます。クリス様」

 クリスに喜んで近づこうとしたトリポリ国王の前にオーウェンが立ち塞がった。

「ヒィィィィ」

 トリポリ国王はオーウェンに弾き飛ばされて、尻餅をついた。


「ふんっ、これもその方が女にだらしないからであろう。クリスが汚れるから近づくな」

「オウ!」

 オーウェンの言葉にクリスが注意するがトリポリ国王に手を差し出そうとはしなかった。


「申し訳ありません。クリス様。でも私はあの宰相が苦手でして」

 必死にトリポリ国王が言い訳する。

「どうする?」

 ジャンヌが腐ったジャガイモを見るような目でトリポリ国王を見下すと

「うーん、別に淫乱トリポリ国王がドロビッチの自爆で殺されてもなんてことはないのだが、人質に取られたら事だな」

「そのまま自爆させれば問題ないだろう」

「いや、クリス様が気にされると思うが」

「そうだな。クリスはこのような変態が死んでも気に悩むからな」

 ジャンヌは冷たい視線でトリポリ国王を一瞥した。

 アレクとジャンヌの言葉にトリポリ国王の顔は青くなったり赤くなったりしていたが、最後のジャンヌの言葉にほっと頬を緩めた。


「何を安心しているのだ。トリポリ国王」

 ぎろりとアレクがトリポリ国王を睨み付けた。

「貴様が女にだらしないから、吸血鬼につけ込まれたのだ。それも女装した男に欲情するなど貴様は変態か」

 アレクの言葉に女達の視線が冷たい。

 特にほとんど目も合わせてくれないクリスにトリポリ国王は国家存亡の危機を感じた。


 トリポリ王国が残っているのはクリスが温情をかけてくれたからなのだ。

 赤い死に神のアレクに任せておいたらとっくにトリポリ王国はボフミエ魔導国に併合されるか、魔王やノルディンの攻撃で壊滅していたかどちらかだった。赤い死に神は属国など平気で見捨てる冷酷な男なのだ。

 まあ、普通はこんな小さな属国など見捨てられても全然問題ないのだ。


 そんなトリポリ国王を過去にクリスはわざわざ自ら助けに来てくれたのだ。

 そんなクリスに嫌われたらトリポリ王国はあっという間に滅亡してしまうだろう。


「申し訳ございません。クリスティーナ様。二度とこのようなことはいたしませんので何卒お許しください」

 トリポリ国王は土下座していた。


「ふんっ、信用ならんな」

 オーウェンが氷の視線で国王をねめ付けた。

 国王はゴクリとつばを飲み込んだ。


「まあ、そう言うな。オーウェン。こういう男でもドロビッチの自爆攻撃の盾には出来るぞ。クリスの前に盾として置いておけば良いだろう」

「そうだな。ドロビッチが自爆しそうになればこの男をドロビッチに投げつけるか?」

 ジャンヌとアレクの言葉に国王の顔はもう真っ白になっていた。


「何かあった時にドロビッチを斬るのに邪魔になってしまいますが」

 クリスの護衛騎士筆頭のアルバートが指摘したが、

「なあに、その時は一緒に斬れば良いだろう」

「そうだな」

 アレクとジャンヌの言葉に国王はもう卒倒しないのがおかしなほど震えていた。


「まあまあ、皆さん。トリポリ国王を虐めるのはそのくらいにして」

 大魔導師のジャルカが声を掛けてくれて国王はほっとした。


「ジャルカ様。別に我々は冗談で話しておりませんが」

 アレクの言葉に国王はまた真っ白になるが


「まあまあ、いざという時はクリス様が攻撃なさいますが、国王がいてはクリス様の攻撃の邪魔になりましょう」

 ジャルカは指摘した。

「うーん、こんなくず殺してもなんともないのだが」

「クリスは甘すぎる」

「本当に」

 最後はジャンヌが残念な者を見るようにクリスを見た。


「まあ、そこはクリスの良いところなのだが」

 最後のオーウェンの言葉にアレクとジャンヌは白い目でオーウェンを見た。

 冷徹なドラフォードの外交を見ている二人にはオーウェンの言葉が信じられなかった。特にアレクは今まで散々ドラフォードには苦汁を飲まされてきたのだ。こいつの甘いのはクリス限定だ。

 でも、クリスが出てくると絶対に甘くなる。それに巻き込まれると大変なことになるのだ。それはノルデイン帝国にしてもだ。そして、それだけの力をクリスはシャラザールがいなくても持っていた。既に5個師団くらいがクリスのお陰で消滅していた。あまりクリスに触れたくないのはアレクも同じだった。


「まあまあ、皆さん。既に1時間以上北の使者殿を待たしておりますからな。蛇が出るか蛇が出るかは判りませんが、そろそろ顔を出してやりませんと勝手に自爆しかねませんぞ」

 ジャルカの言葉に一同顔を見合わせた。


「まあ、ドロビッチなど何時間待たせて置いても良いが」

「そういう訳にもいかないでしょう」

 クリスの言葉に一同謁見の間に向かうことにしたのだ。



ここまで読んで頂いて有り難うございます

続きは今夜です。

ついにゼウス対クリスの最終決戦勃発?


『婚約破棄されたので下剋上することにしました』

https://ncode.syosetu.com/n0747ju/

閑話上げました。

まだの方は是非ともお読みください。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
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私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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