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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第14章 戦神の逆襲

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宰相は魔導爆弾を腹に埋められて降伏勧告の使者にされてしまいました

イヴァン・ドロビッチはノルディン帝国の誰もが恐れ奉る宰相のはずだった。諸外国の国王といえども、ドロビッチにの前ではみんななりを潜め、頭を下げてくれたのだ。ドロビッチはそれだけ周辺諸国にも恐れられていた。


そう、ついこの間までは……


おかしくなったのは、皇帝がボフミエの筆頭魔導師のクリスの行いに対して怒り狂い、闇堕ちしてからだった。

皇帝はクリスに王宮を何回も破壊されて怒り狂い完全に常軌を逸していた。そして、闇の力を頼り、おかしくなったのだ。

どうやら、闇堕ちした皇帝は魔王に憑依されたようだった。


そして、いつの間にか怪しげな姿の者達が宮殿に出入りするようになったのだ。その中には10年前のマーマレード侵攻戦にて亡くなった皇子マクシムや王妃アフロディアも含まれていた。ドロビッチには死んだ者達が復活したという超常現象に頭が追いつかなかった。驚愕している間に、宮殿の主は皇帝から邪神ゼウスに成り代わったのだった。

その間、ドロビッチは抵抗しなかった。というか何も出来なかったといった方が正しかった。

どこに元全能神に対して反抗できる人間がいるというのだ?

全能神に呼ばれたら平伏するしかないではないか!

いつの間にか、ドロビッチも元全能神に顎で使われるようになっていた。


そんな彼らが、ボフミエの代表として訪れていたアレクサンドル皇太子を拘束した時も、ただ見ている事しか出来なかった。


その捕まったアレクサンドル皇太子を助けるためにボフミエの連中が大挙して現れたのには目を見開いた。元全能神に楯突いても大丈夫なのか? ドロビッチには判らなかった。

しかし、戦いの中、ゼウスといえどもシャラザールには適わないということが判り、ドロビッチはその状況が理解できなかった。

何しろゼウスは元全能神なのだ。それが高々一戦神に負けそうになったというのが信じられなかった。

まあ、10年前のマーマレード侵攻戦でもそうだったが……


その戦いの中、闇堕ちして魔王となった皇帝はビアンカという小娘に魔王もろとも消滅させられた。

名実共にゼウスがこのノルディン帝国の支配者になったのだ。


その上、ゼウスは邪神ではもの足りずに魔神となっていた。

最強の闇の神様だ。



そのゼウスに久しぶりにドロビッチは呼び出されたのだ。

兵士が呼びに来た時、ドロビッチは浮かない表情になった。

今頃呼び出しとは何だろう? ドロビッチは重いため息をついた。


「ドロビッチ、御前に参りました」

手足が震えそうになるのを必死に我慢して、ドロビッチはゼウスの前に跪いた。

魔神になったゼウスの威圧感は半端ではなかった。

ドロビッチでは立っているのが精一杯だった。


「うん、よくきたな、ドロビッチ」

ゼウスは何故か機嫌よさげだった。


「はっ」

取りあえずゼウスの機嫌が良いことにドロビッチはほっと胸をなで下ろした。


「実はの、ドロビッチ。その方に頼みたいことがあるのじゃ」

ゼウスが珍しく下手に出た。


「なんでございましょう? ドロビッチで出来ることでしたら何でも承りますが」


「さようか、それを聞いて安心したぞ」

ゼウスは笑顔を見せていた。


「実はその方にトリポリにいるボフミエの筆頭魔導師に使者になってもらいたいのだ」

「使者にございますか? どのようなことをすれば宜しいのでしょうか?」

「なあに、簡単な事じゃ。ボフミエの小娘に我々に全面降伏するように伝えてほしいのじゃ」

「全面降伏でございますか」

ドロビッチはゼウスの言葉に途方に暮れていた。絶対にボフミエが降伏する訳はないと判っていたのだ。それは火を見るより明らかなことだった。

「そうじゃ。その方ならなんとか出来るであろう」

ゼウスはドロビッチを玉座から見下ろしてくれた。その顔は笑みを浮かべていたが、目は笑っていなかった。ドロビッチの背中がぞくりとした。

ここは断ってはいけないとドロビッチの本能が警報を鳴らしていた。


「ははあ、臣は全力を尽くす所存です」

ドロビッチは必死に頭を下げたのだ。


「ドロビッチよ」

「はい」

呼ばれてドロビッチは頭を地面に叩きつけるように下げていた。

「今回は失敗は許されんぞ」

「ははあ」

頭を地面に押しつける。

「この身に代えましても必ずや成功してご覧に入れます」

「さようか、それを聞いて安心したぞ」

ゼウスは更に上機嫌になった。

「こちらに来よ」

「はっ」

ドロビッチは少しだけ前に進んだ。


「もっとじゃ」

「ははあ」

ゼウスの言葉にドロビッチはもう少し前に進む。


「もう少しじゃというのに」

ゼウスの言葉が頭の上から降ってきた。

更に前にドロビッチが進もうとした時だ。


ズブリ


と何かが腹に突き刺さったのをドロビッチは感じた。

「えっ」

それがゼウスの手だとドロビッチが知り得たかどうか……


ドロビッチはバタリと倒れたのだ。

「ふん、その方には人間爆弾になってクリスの前に出てもらうのじゃ。その身に代えて頑張って自爆すれば良いぞ」

ゼウスはドロビッチの腹に魔導爆弾を埋め込むと高らかに笑ったのだった。


ここまで読んで頂いて有り難うございます

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
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■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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