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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第14章 戦神の逆襲

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トリポリ国王は罠に填って吸血鬼にされてしまいました

ゼウスの怒りの雷撃によって謁見の間は悲惨な状況になっていた。

天井や壁は焼けただれ、中にいた兵士達の多くは怪我をしたのだ。

その中でゼウスはこめかみに青筋を立てていた。


「しかし、ゼウスよ、シャラザールは地獄の門を守っているのだろう。我が方は兵のほとんどを地獄に幽閉されたままだ。今の戦力で地界から攻め上がるのは中々至難の業では無いのか」

ゼウスの怒りの攻撃が収まったところでポセイドンが指摘した。


「しかし、ならばどうするのじゃ」

ゼウスは表情を険しくして問うていた。


「シャラザールは分離したとはいえ、クリスとか言う小娘を溺愛しているそうじゃ。その小娘を人質にとれば必ず、シャラザールは地獄から飛んでくるのではないか?」

「しかし、そううまく事が運ぶのか?」

ゼウスはポセイドンの提案に懐疑的だった。

ポセイドンの言う所のクリスの小娘に前回はあと一歩の所まで追い詰められたのだ。ゼウスが魔神になったとはいえクリスの力は侮りがたかった。


「直接クリスを攫おうとするから難しくなるのじゃ。クリスの小娘はトリポリをまた拠点にするのだろう。トリポリ王は少し頭の足りないところがあるのではないか? トリポリ国王を嵌めれば良いのじゃ」

「トリポリ国王か。確かにトリポリ国王は単細胞だとは聞いているが、それをだましたとて、クリスには繋がらないのでは無いか」

「お主の部下に吸血鬼のドラクエがいるでは無いか」

「なるほど。ボフミエ国王を吸血鬼にして、クリスを襲わせるか」

ゼウスはぽんと手を打った。


「そうじゃ。クリスもその配下もトリポリ国王を疑いはしまい。その油断しているところを後ろから吸血鬼になったトリポリ国王が襲いかかれば、いくらクリスといえども一溜まりもあるまいて」

「そうじゃの。さすればシャラザールを呼び寄せるのも容易か」

「そうじゃ。うまくいけばボフミエの者達も大半を仕留められよう。そうなれば敵のまっただ中にのこのことやってきたシャラザールを仕留めるのも容易になるわ」

打ち合わせを終えるとゼウスとポセイドンは大きな口を開けて笑い合ったのだった。




その後直ちにドラクエ伯爵が呼ばれ、トリポリ王国に派遣されたのだ。



ドラクエ伯爵はトリポリ国王に拝謁するのにも、一応、念のために策を練った。


ノルディン帝国から逃げ出した女官ドーラとして女装して拝謁したのだ。

元々ドラクエは見目麗しい男だったので、女装してもよく見ても男とは判らなかった。肩まで伸びる艶やかな黒髪の女性女官が出来上がったのだ。


ドーラはその姿でトリポリ王国の王宮に亡命を希望したのだ。



黒髪の美女が亡命を申請してきたと聞いて、女にだらしないトリポリ国王は直ちに会ってくれた。


「その方が、このトリポリに亡命を希望してきたドーラか?」

「はい、さようでございます」

頭上からの声を聞いてもドラクエは頭を下げたままだった。

顔が見えずに国王はじれた。思わず前のめりになる。


「表をあげよ」

「そのような。私は命からがらノルディンから逃げてきてものでございます。陛下の前で表をあげられるような身分のものではございません」

うつむき加減でドラクエは答えた。声も甲高い女の声に変えていた。


「そうは申しても、ノルディン帝国で女官を務めていたのならば、貴族の娘であろう」

「しかし、父も母もゼウスに殺されましてございます。今は平民扱いかと」

ドラクエは涙声で答えた。

「そうか、それは難儀であったの?」

国王はドラクエに同情した。


「はい。私もここまで逃げてくる途中で何度も兵士達に襲われそうになり、やっとの思いでここまでこれた次第です。途中風呂にも入れず、到底陛下にお見せできるような顔ではございません」

そう言うが、取り次ぎの兵士はとても美人だったと国王に報告していたのだ。

だから王妃らには内密にこうして会うことにしたのだ。

でも、顔も見られないでは意味が無かった。


しかし、焦らすためか、中々ドラクエは顔を上げなかった。


「そのようなこと、気にせずとも良い。是非とも顔を上げてその方の元気な姿を見せてほしいものじゃ」

「さようでございますか? それではお言葉に甘えまして」

その降肩的な瞬間を待っていたのだろう。上目遣いに見上げたドラクエの顔を見て国王は言葉を失っていた。それほどの美女に見えたのだ。

ドラクエはここぞとばかりに赤い目を光らせていた。

その赤い目に見据えられて国王は完全に魅了されていたのだ。



その夜、トリポリ国王の寝室にドラクエは呼ばれた。


部屋に入ったドラクエの姿は目が赤く輝いてとても妖艶だった。


目をギラギラと光らせた鼻息も荒い国王はそのままドラクエを抱きしめた。

そして、ドラクエが身に纏っている薄衣を剥ぎ取って、あられもない姿にしようとした時だ。

首筋にチクリと痛みを感じた。

「えっ」

ドラクエを慌てて振りほどこうとしたが、首筋に突き刺さった牙は抜けずに、ドンドン血を吸い取られた。トリポリ国王は声を上げる間もなく、そのまま意識を失ってしまったのだった。


ここまで読んで頂いて有り難うございます。

ゼウスの罠の張られたトリポリに次回クリスが登場です。

クリスらの運命や如何に?

明朝更新予定です。

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾






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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


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■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

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後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

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アルファポリスのレジーナブックスにて

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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