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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第14章 戦神の逆襲

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魔神復活で戦神が碌でもない事を考えつきました

「うん、酒はうまいな」

 シャラザールはアレクがクリスから取り上げようとした酒を飲み干した。


「クリスも匂いをかいだだけで酔うなんて弱すぎるだろう」

 ジャンヌがブツブツ言ったが、

「ジャンヌ何か申したか?」

「いえ、何でもありません」

 シャラザールに睨まれて慌ててジャンヌは否定した。


「で、オオクニヌシ、どうしたのじゃ? その方が天界から降りてくるなど、大問題でも起こったのか?」

「問題はいつも起こっておりまする。そろそろシャラザール様にも天界に帰ってきて頂けませんと……」

 オオクニヌシが苦情を言い出した。


「そんな文句を言うためにわざわざこの地に来たのか?」

 シャラザールはつまらなそうに聞いていた。

「オオクニヌシ様! 本題を」

「そうじゃった。実はシャラザール様。大変なことが起こったのです。閻魔がゼウス様に寝返りました」

 ジャルカに指摘されてオオクニヌシは慌てて本題を話し出した。


「なんと、あやつ、生意気な奴だとは思ってはおったが、ついに裏切ったのか?」

「裏切ったのかではございませんぞ!」

 シャラザールのどうでも良い返事にオオクニヌシは少し怒りだした。


「なんじゃ。何か問題でもあるのか?」

「問題があるかではございません! この前、シャラザール様達が苦労して退治なさったマルス等が全員生き返ったのですぞ」

 オオクニヌシが完全に怒って言った。


「なんですって!」

 机の山からアレクの驚きの声が聞こえた。

「と言うことはこの前必死に退治したアフロディアら邪神達が復活したのですか?」

 ジャンヌも慌ててオオクニヌシに聞いていた。


「ふんっ、下らん。それならば再び退治すれば良いだけではないか」

 何でもないようにシャラザールが流してくれた。


「シャラザール様! 敵は死んでも死んでも生き返るのですぞ。我らがいくら倒してもきりがないではありませんか!」

「それにこちらが死んだら二度と生き返れないと言うことなのですよ」

 アレクとジャンヌが叫んでいた。


「うーん、それはその方等が、まだまだなっとらんからではないか? 雑魚はいくら相手をしても雑魚じゃぞ」

 シャラサールがぎろりとアレクとジャンヌを睨み付けた。


「いえ、滅相もございません。我々は日々訓練をしております」

「そうです。シャラザール様。日々訓練することにより、更に能力アップいたしました」

 ジャンヌに次いでアレクも言い訳し出した。またシャラザールの訓練に付き合わされてはたまったものではない。二人ともそう思ったのだ。


「本当か?」

 シャラザールは再度二人を睨んだ。


「我らはそうですが、クリス様を守りたいと言っているオーウェンはまだまだです」

 いきなりアレクがオーウェンに振ったのだ。

「な、何をいきなり俺に振るんだ!」

 オーウェンが慌てたが、

「さようでございます。オーウェンはなかなか訓練できておりません」

 ジャンヌまで言ってくれた。


「さようか、まあ、クリスを守りたいと言うのは殊勝じゃが」

 シャラザールが自らの顎を撫でて考えた。

「さようでございますよね! シャラザール様! 戦神シャラザール様も私とクリスのことを認めて頂けますか」

 オーウェンは先走りすぎた。


「愚か者!」

 そこにシャラザールの雷が落ちた。


「貴様になんぞ、クリスの相手するにはまだ百年早いわ。クリスのパートナーになりたければ余を倒してみよ」

「はい? そんな! シャラザール様に勝てるなど不可能ではありませんか!」

 オーウェンは絶望した。

「なんじゃと貴様、やる前から諦めるのか」

 しかし、その言葉は更にシャラザールの怒りに油を注いだのだ。


「シャラザール様。今はそのようなことよりも地獄をどうするかです」

 そこにオオクニヌシが仲裁に入ってくれて、オーウェンはシャラザールから張り倒されるのをなんとか免れた。


「それはそうじゃが、その前に。此奴等の根性をたたき直さねば世の気が済まん」

「「「えっ!」」」

 全員絶望の視線をシャラザールに向けた。また徹夜の訓練がこの朝から始まるのかと思うとうんざりしたのだ。


「うん?」

 全員を集めよと叫ぼうとして、シャラザールは違和感を感じた。

 オオクニヌシとジャルカもだ。


「何か変なおぞ気が走りましたな」

 ジャスティンが声を上げた。

「そうか、その方も感じたか?」

 シャラザールは考え込んだ。


「これはゼウスが魔神になったか」

 シャラサールは呆れたように言った。

「しかし、そう簡単に邪神から魔神に変われるものではありませんぞ」

 オオクニヌシが青くなって言った。

「さようでございますな。余程の悪事を働きませんと難しかろうかと」

 ジャルカも頷いた。


「ひょっとしてゼウスの奴、蘇らせた部下を全員殺したのか?」

「ま、まさかそのような」

 シャラザールの声にオオクニヌシは否定しようとした。

「しかし、それくらいしか魔神になる方法は考えられまい」

「殺した奴らも地獄を支配しておれば、すぐに生き返らせることは可能ですな」

 シャラザールにジャルカが頷いた。


「まさか、ゼウス様がそのようなことをするとは……」

「諦めよ、オオクニヌシ、所詮奴は魔神じゃ」

 シャラザールは言い切った。


「そんな……」

 オオクニヌシは絶句していた。

 全能神だったゼウスが何をやってくれるのだ! オオクニヌシとしては許せることではなかった。


「シャラザール様、いかがなさいますか? 地獄に落ちた奴らがまたすぐに復活してしまいますが」

「ふんっ、それも面白くないな」

 そう言うとシャラザールは少し考えていた。

「判った。そうじゃな。余が良いことを思いついたわ。これで地獄に落ちた奴らも魔神ゼウスにも目にもの見せてやるわ」

 喜々としてシャラザールが言い出した。


 アレクとジャンヌは顔を見合わせた。そして、二人してため息をついたのだ。

 二人には判っていたのだ。シャラザールの考えることなんてどうせ禄でもない事だと……


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

続きは今週末の予定です。

お楽しみに。

私の毎日二回更新中の

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』

https://ncode.syosetu.com/n0747ju/


現在ついに聖女教会が竜王リディをおびき寄せるためにクラスメートを魔女裁判にかけ出しました。

どうするリディ。いよいよ話は山場です。

是非ともご覧下さい。


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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