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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第14章 戦神の逆襲

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プロローグ ゼウスは魔神になりました

「これはこれはオオクニヌシ様、このようなあばら屋にどうされたのですか」

 ボフミエ魔導国、大魔導師のジャルカはへりくだって、今の天界の主のオオクニヌシを自分の部屋に招き入れた。

 部屋は珍しくきれいに片付けられていた。


「それがのう、ジャルカよ。大変なことになったのだ」

 オオクニヌシが深刻な顔をして言った。

「大変なこととは、オオクニヌシ様がおっしゃるとは余程のことですな」


「さよう、ゼウス様が邪神になられて地獄から復帰したのは知っておろう」

「そうでしたな。また閻魔が負けてしまったとか。閻魔も落ちぶれたものですな」

「そういうことをいうな。貴様らがそういうことを言うから閻魔がゼウス様に寝返ってしまったのだ」

「なんと、閻魔がゼウスの手下になったというのですか」

「元々ゼウス様は全能神で、閻魔のじょうしだったからの。シャラザール様に二度も脱獄され、更にゼウス様にまで負けてしまって完全に折れてしまったのだ。そこをゼウス様に言葉巧みに口説かれたらしい」

「なんとも邪神ゼウスのやりそうなことですな」

 にやりとジャルカは笑った。

「ジャルカ、笑い事では無いのだぞ。シャラザール様等がせっかく倒したゼウス様の部下が、あっさりとまた地上に戻ってしまったのだ」

 オオクニヌシの言葉にジャルカは絶句した。

「なんと、では倒しても倒して敵は復活するでは無いですか」

「そうなのじゃ。このままでは本当にまずい。いくらシャラザール様が無敵でも、戦力は限りがあるからの。敵はいくら死んでも地獄から生き返れるのだ。圧倒的に敵が優位に立ったのだ」

「それは早急に何らかの手を打たねばなりませんな」

「そうなのじゃ。それにもまして、ゼウス様は今度は魔神になろうとなさっているそうだ」

「魔神でございますか」

「そうじゃ。魔王の上で天界の神よりも上になる全能の魔神になると公言なさっているのだとか」

 オオクニヌシが憔悴しきっていた。


「そうなって、もし、シャラザール様が負けてみろ。天界も全てゼウス様の支配下に落ちてこの世は真っ暗闇になってしまうわ」

「判りました。早急にシャラザール様と面会の場を設けましょう」

 ジャルカは慌てて二、三指示を出して動き出したのだ。



 一方、こちらはノルディン帝国の帝都モズ、

 先の大戦の傷跡がまだ明確に残っていた。

 宮殿の多くは焼失し、帝宮はほとんど焼け野原の体をなしていた。


 しかし、その焼け野原にゼウスは巨大な祭壇を作り、地獄から呼び戻した多くの神や元国王、騎士や戦士達を集めていたのだ。


「父上、地獄から蘇らせた全員10万名揃いましたぞ」

「うん、よく戻ったなマルスよ」

 ゼウスは息子のマルスに声をかけた。

「前回の地上ではアレクサンドルに負けてしまいましたが、此度は絶対に負けません」

「そうじゃな。マルス、しかし、仕返しは少し待ってはくれまいか」

「はあ? 父上何をおっしゃるのです。やられたらすぐにやり返せと地獄に落ちてからは散々おっしゃられてた記憶がありますが」

「実はのう、その方らに頼みがあるのだ」

「何なのです。父上、改まって?」

 マルスは不振に思って聞いていた。今までゼウスが改まって頼むと人に頼んだことなどほとんど無かったのだ。


「実はのう、我は魔神になろうと思うのだ」

「邪神よりも上の魔神にですか?」

「さようじゃ。さすればいくらシャラザールとはいえ、予には勝てまい」

ゼウスは負けた屈辱を思い出したのか、顔を少ししかめていた。


「なるほど、してどうすれば魔神になれるのです?」

「予は既に邪神じゃからの。調べたところ、あと、もう10万人ほど殺せば魔神になれるそうじゃ」

「10万人でございますか」

 マルスはその数字をどこかで聞いたことがあるような気がした。


「そうじゃ。そこでその方らに死んでほしいのじゃ」

「何ですって、父上。我らは生き返れるとは言え、死ぬ時はとても痛いものなのです。それをまた死ねと申されますか」

色をなしてマルスがゼウスに詰め寄った。


「すまん。我らが勝つためだ」

「そんな事は許されませんぞ」

「素養でございます。ゼウス様、お考え直しを」

「父上お考えをお直しください」

マルス達はゼウスに再考を促したが、

「すまんな」

 そう言うとゼウスはにやりと笑った。


「「「ぜ、ゼウス様」」」

 皆必死にあらがおうとした。


 しかし、その瞬間ゼウスから闇の魔力がほとばしって

「闇のスーパーエリア攻撃発動!」

 ゼウスが叫ぶと同時に一斉に闇の魔術が10万人に襲いかかったのだ。

 それは真っ黒なおどろおどろしい魔術が凄まじい勢いで全員を押し包んだ。

「「「「ギャーーーー」」」」

 凄まじい悲鳴が周りに響き渡り、血しぶきが飛び交った。蘇った人々はあっという間に闇の魔力に飲み込まれて吸収されたのだ。

 その闇の煙があっという間に周りの視界を覆い、それが徐々にゼウスに吸収されていく。


 ゼウスを覆っていた黒いおどろおどろしい闇魔術の奔流が消え去った時だ。


 その中央に真っ黒な人の形をした魔神が仁王立ちしていた。


「あは、あは、はっはっはっは!」

 魔神は笑い出した。


「ついに予は魔神になったぞ。これでもうシャラザールなどと言う小童に負けることもないわ」

 魔神ゼウスは高笑いをし続けたのだった。















ここまで読んで頂いてありがとうございます。

これより第14章 最終章開始します

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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