【ネット小説大賞二次選考通過記念】クリスマスイブに大国王子がクリスと二人きりで過ごそうとノンアルを飲んだら戦神が来臨しました
私の処女作、このお話が、皆さんの応援のおかげで
第12回ネット小説大賞で二次選考通過しました。本当にありがとうございます。
皆様の応援のおかげで昨年紙書籍1冊、今年電子書籍3冊出せました。下にリンク出しています。
全てはこの作品から始まりました。
これも全ては応援頂いた皆様のおかげです。
感謝を込めて記念話書きました。お読み頂けたら幸いです。
ポフミアのまちまちもイルミネーションが飾られて、世の中はクリスマス色一色になりつつあった。
最近ではクリスマスイブの日に恋人と二人で過ごすのが流行っているらしいということをオーウェンは聞きつけて、なんとかクリスと二人で過ごせたら良いなと画策していた。
いつもクリスとの仲を邪魔するアレクとジャンヌだが、なんとこのクリスマスイブはどうやら二人で過ごすらしい。これはめちゃくちゃラッキーなことだった。
あの邪魔な二人がいなければ、クリスと二人で過ごせるかもしれないとオーウェンは早速情報を集めだした。
アメリア・テレーゼ王女はヘルマンと過ごすみたいだし、アルバートはソニアと、いつも煩いウィルもこれはむかつくことに止めさせたいが、妹のガーネットと一緒に過ごすみたいだ。
これはチャンスだとオーエンは思った。
取りあえず、おしゃれなレストランをガーネットから聞き出して個室で権力を笠に着て押さえた。
後はクリスを押さえるだけだ。
オーウェンはクリスと二人きりになるタイミングを探ったが、さすがに筆頭魔術師のクリスの周りにはいつも人がいた。オーウェンはイライラして二人きりになるのを待った。
その日も皆残業で残っていたが、一人二人と帰って行った。
「ヘルマン、今日はもう帰っていいぞ」
最後に残っていたヘルマンにさりげなくオーエンが言った。
「えっ、でも、あと少しやりたいことがあるんで」
「そうか。さっきアメリアがヘルマンを探していたように思ったが」
オーウェンはとぼけて嘘の情報を教えた。
「そうなんですか? ではお言葉に甘えます」
あっという間に態度を変えてヘルマンは帰っていった。
へ本当に単純だった。
あんなのでシャラザール3カ国の一つのテレーゼの王配が務まるんだろうか?
三カ国の中で最大の領地を誇っているドラフォードの王太子のオーウェンとしても不安が残るところだった。
それで、後はクリスの部署のナタリーとメイだけになった。
「ナタリー、新年会の打ち合わせがしたいので、シュテファンが図書室にいるはずだから呼んできてくれないか」
オーエンが声をかけた。
「えっ、魔導電話で呼び出したら良いんじゃないですか?」
余計な事をナタリーが言うので睨み付けたら、
「ああ、判りました……メイ、怖いから一緒に来て」
ナタリーは察してくれて、メイと一緒に部屋を出て行ってくれた。
これでやっと声がかけられると思った時だ。
「クリス様。困った問題が起きましての」
そこにいきなりジャルカが入ってきたのだ。
本当に邪魔な時にくる奴だ。思わずオーウェンは舌打ちしそうになった。
「何が起こったのですか、ジャルカ様?」
「マーマレードのお妃様がジャンヌ殿下と話をしたいと探していらっしゃるののですが、姫様が逃走中でして……」
「王妃様ですね。判りました。後で連絡しておきます」
クリスが頷いてくれた。
「よろしくお願いしますぞ」
やっとジャルカが消えてくれた。
「クリス、森の木の実というレストランなんだけど」
「えっ、オウ、森の木の実ってとても予約がしにくいレストランじゃないの?」
クリスがあっという間に食いついてきた。
さすが、妹に聞いただけはある。ガーネットは良いレストランを教えてくれた。オーウェンは妹に感謝したくなった。
「予約が取れたんで、出来たら一緒に行ってくれないかなと思って」
「えっ、良いですよ。いつですか?」
「12月24日の夜なんだけど」
さりげなくオーウェンが言うと、
「大丈夫ですよ。翌日の25日は部署の皆でクリスマスパーティーしようって言われているんですけど、その日は空いています。何故かこの日は皆忙しいみたいで」
クリスが言ってくれた。クリスは何も知らないみたいだ。
「じゃあ、18時にここから向かおうか」
「判りました」
オーウェンはクリスに見えないように思わず小さくガッツポーズしていた。
クリスはもう、マーマレードのジャンヌの母に電話していた。
クリスマスイブ当日。18時前にはもうほとんどの者がいなかった。
「じゃあクリス、行こうか」
オーウェンはクリスに腕を差し出すとクリスも恥ずかしそうに、その腕に手を添えてくれた。
もう完全なデートだ。オーエンはとても嬉しくなった。
そのまま、『森の木の実』レストランに行った。
二人はそのまま個室に案内される。
「オウ、ありがとう。このレストランとても料理が美味しいって有名なの。ガーネットにも勧められたんだけど、中々予約が取れなくて」
「そうなんだ。来たかったらいつでも言ってくれれば良いよ。このレストランのオーナーは俺の知り合いだからね。なんとでもなるよ」
「ありがとう、又お願いするわ」
二人の個室もクリスマスのイルミネーションが光っていた。
「このもみの木可愛いわね」
クリスが光っているもみの木を見て喜んでくれた。
喜んでいるクリスも可愛い。オーウェンはとても幸せだった。
「食前の飲み物はどうされますか?」
ウェイターが聞いてくれた。
「アルコールの入っていないノンアルコールのシャンパンに似たものはあるかな」
「ノンアルコールシャンパンですね。丁度ドラフォードから輸入したものがございます」
「じゃあそれにしてくれ」
「かしこまりました」
ウェイターが下がっていった。
「オウ、別に私は多少はアルコールが入っていても良いのに」
クリスが多少不満そうに言ってきた。
本来ならばそんな可愛いクリスのお願いを聞くところだったが、絶対にオーウェンとしては聞けなかった。何しろクリスが酔っ払った瞬間にクリスに憑依しているシャラザールが来臨するのだ。
こんなクリスマスイブの夜にシャラザールなんて呼び出した日には皆にひんしゅくを買うのは確実だった。それだけはオーウェンは避けたかった。
「まあ、クリス、それはまた今度ということで」
オーウェンは適当に誤魔化した。
でも、オーウェンは知らなかったのだ。ノンアルコールシャンパンにはごく微量にアルコールが入っていることを!
「お待たせしました」
ウェイターがよく冷えたノンアルコールシャンパンをもってきてくれた。
それをオーウェンのグラスに少し注いでくれる。
オーウェンは一口口に含んだ。
そのまま頷くも……
ん?
冷えてはいるが何か警告のようなものがオーウェンの頭の中に響いた。
オーウェンのグラスに注いでくれたウェイターはクリスのグラスにも注いでくれた。
これって少し、アルコールが含まれていないか?
と疑いはしたが、まあ、少しくらいなら問題はないかなと思ってしまったのだ。
「オウ、とても美味しいわ」
なんかノンアルコールシャンパンを口に含んだクリスの瞳が妖しく光って、ぬれた唇がオーウェンを誘っているように見えた。
思わずクリスの唇を奪おうとした瞬間だ。
バシーン
オーウェンはクリスに張り飛ばされた。
いや違う、そこには仁王立ちした戦神シャラザールがいたのだ。
「オーウェン、貴様。予にキスしようとするなど千年早いわ」
「いや、私はクリスにしようとしただけで」
「同じ事じゃ! それよりも軟弱なアレクやジャンヌはどうした?」
「さあ」
「直ちに呼び出せ。最近その方らは皆、恋だ愛だと煩くして訓練にたるみが見える。今日はその精神を徹底的に鍛え直してくれるわ」
「そんな!」
オーウェンは唖然とした。
「何をぼさっとしている。さっさとせい」
それから呼び出されたジャンヌらに散々白い目で見られて、オーウェンらは夜明けまでシャラザールに訓練させられることになったのだ。
オーウェンは二度とノンアルコール飲料は飲まないでおこうと心に決めたのだった。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
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