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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第13章 全能神の逆襲

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年末年始特別閑話 除夜の鐘を突きました

いつもこの話を読んでいただいてありがとうございます。

このお話の完結までまだ少しかかります。

もう少し完結編はお待ち下さい。

ボフミエ魔導国の年末は亜熱帯なのでそれほど寒くはなかった。

しかし、亜熱帯とはいえ、夜は多少冷える。


だが、今年の年末の王宮はねじり鉢巻きに和装の姿の物が多く見られた。


そして、その順番を待つ列の先に王宮に巨大な鐘が鎮座してその時を待っていたのだ。


今年は財務卿のコレキヨの故郷ジパグ王国にある風習の年末から年始にかけて鐘を突く除夜の鐘というものを皆でやろうということになったのだ。ジパグでは人間の108の煩悩を除くことを願って108回突くといわれているのだが、何がどう、トチ狂ったのか、自らの望みを鐘を突いて願うという、煩悩まみれの除夜の鐘になったのだが。



「では、一番は筆頭魔道士のクリス様お願いします」

フェビアンがマイクを握って話す。


カメラが回っており一応全世界に放送されていた。何しろ、多くの大国の皇太子や王族が多数この国の運営には参加しているのだ。


「はい。世界の人が来年一年幸福でありますように」

そう祈るとクリスは巨大な鐘つき棒を引いた。


「えっ」

手伝おうとしたクリスの騎士たちは驚いた。クリスは一人で引いてしまったのだ。

護衛騎士のミア自身、一人では引けなかった。その鐘つき棒を、そんな力がどこにあるのかというか華奢なクリスがあっさりと引いてしまったのだ。



そして、思いっきり振りかぶると、手を振り下ろした。


しかし、最後は勢いを殺してコツンと当てたのだ。



ゴーン


小さく鐘がなった。


「すいません。小さすぎましたよね」

クリスが頭に手をやって皆に謝る。


「まあ、クリス様。クリス様らしくて、よろしかろうて」

ジャルカが言った。

皆も頷く。

ここで思いっきりついてシャラザールが来臨したら大変なことになるのを皆は怖れていた。




「では、オーウェン内務卿、宜しくお願いします」


「今年こそ、クリスとうまくいきますように」

「おいおい、煩悩のままかよ」

オーウェンの声にアレクが言うが、


ゴーーーーーーン


思いっきり引いたオーウェンの鐘の音はボフミエの王都中に響き渡った。


「信じられない」

真っ赤になったクリスが固まっていた。



「では、次はアレクサンドル外務卿」

「じゃあ、俺も、ジャンヌと仲良くなれますように」

「おい、俺と何が違うんだ」

みんなの白い目の中アレクも思いっきり鐘を突いていた。


グォーーーーーーーン


今度も巨大な音がする。


「人類の煩悩が無くなりますように」

コレキヨ財務卿は、除夜の鐘の本来の意味に戻したのだ。



しかし次に続いた

「今年も腹いっぱい食べられますように」

ジャンヌ、魔導師団長の祈りを皮切りに、


「姉さまと仲良くなれますように」ウィル

「魔術が上達しますように」ミア

と煩悩まみれの鐘つきが続いた。


「今年こそは闇落ちした全能神を退治できますように」

という、ジャスティン騎士団長の鐘つきで終わるはずだった。



「あれ、これで107ですよ」

「もう一人誰でしたっけ」

フェビアンとイザベルが言い出した。


「いや、待て、もう107で終わりでいいだろう」

「そうだ。もう一人を探していてやぶ蛇を突いたらどうするんだ」

アレクとジャンヌがシャラザールの来臨を恐れて言っていた時だ。


「ねえ、クリス、年明けに甘いものでも王都に食べに行こうよ」

クリスはオーウェンから年明けのデートについて誘いを受けていた。

「そうですね。でも、新年は色々と忙しいですから」

「そんな事言わずにね、クリス」

オーウェンがクリスに抱きつくように言い寄る。クリスは周りに人がいるのでとても恥ずかしかった。その暑さを冷ますために、近くのグラスを取ったのだ。



「あっ、クリス、それダメ」

ジャンヌが叫んだ時は遅かった。クリスは一口口に含んでいたのだ。


そう、それは少しアルコールを含んだ飲料だったのだ。




ダンッ




凄まじい音がした。


アレクが飛び退ろうとしたが遅かった。


そこにはクリスではなくて、シャラザールが立っていたのだ。


当然その瞬間、オーウェンは弾き飛ばされていたのだが・・・・


「アレク、ジャンヌ、その方共、こんな面白いことをしているのに余を呼ばないとはいい根性をしているではないか」

じろりとシャラザールが二人を睨みつけた。


「いえ、その様な」

「今お呼びしようとしていたところなのですよ」

二人は必死に誤魔化した。


「まあ、良いわ。この鐘を突けばよいのだな」

シャラザールはニコリと笑った。


そして、鐘つき棒を持つと思いっきり引いたのだ。


「今年こそはゼウスを地獄にお繰り返してやるわ」

自らの希望を叫ぶとシャラザールは思いっきり鐘を突いたのだ。


ドカーーーーーン



その瞬間だった。凄まじい大音響を残して鐘はその衝撃を受けきれずに、そのまま、空の彼方に飛んでいったのだった。



皆唖然とそれを見ていた。



「何だ。ちゃちじゃの」

シャラザールはムッとして言うと


「まあ良いわ。夜はまだ始まったばかりじゃ。騎士たちを呼び集めよ。余が年初の訓練を付けてやろう」


「・・・・」

そこにはとてつもない沈黙が訪れた。アレクなんてへなへなと座り込んでしまったのだ。



アレクとジャンヌの恐れが現実になって、騎士たちは夜通しシャラザールの訓練につきあわされて半死半生の目に合わされたのであった。


私の一番人気の物語『悪役令嬢に転生してしまいましたが、前世で出来なかった学園生活を満喫することに忙しいので何もしません』

https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


第三部始まりました。


今回はフランが外国に留学したいということで、


フランを何の枷もなく留学させたらその学園が消滅するとか国の恥になるとか皆の反対に合いながら、留学するお話です。


何故か礼儀作法のフェリシー先生がついてきたり、大変なフラン。

今回もいろいろやってくれます。


是非ともお読み下さい。


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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