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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第13章 全能神の逆襲

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大国王子は良い所で恋する者の弟に邪魔されてしまいました

クリスが目覚めると何故かオウが横で突っ伏して寝ていた。その手は、クリスの手を掴んでいる。

看病疲れで、そのまま寝てしまったのだろう。


クリスは邪神ゼウスにやられて・・・・


「あっ、ゼウスは?」

思わず声に出てしまった。その声でオウを起こしたみたいだった。


「あっ、クリス、元気になった?」

「看病してくれたんですね。ありがとうございます」

クリスは礼を言った。

「いや大した事はしていないのだが」

「他の皆様は?」

控えめに言うオーウェンにクリスは一番聞きたいことを聞いた。


「ああ、クリスのお陰で一応全員無事に帰還できたよ」

「えっ? でも私ゼウスにやられて」

「ああ、ゼウスはクリスの放った最後の攻撃が効いていて、強制帰還装置が働いた時に防げなかったんだよ」

「えっ、そうなのですか。そんなに効いていたようには見えなかったんですけど」

どう見ても防がれたとクリスは思っていたのだが、


「そんなことはないよ。あとは皆で力を合わせて、牽制して脱出するのがチャンと見えたよ」

シャラザールの存在はシャラザールからクリスには言うなと止められているので言えない。


「何か、古の戦神に助けていただいたように思ったのですが」

「えっ?」

オーウェンは一瞬固まった。


「やっぱり変ですよね。気を失う前に神様にお願いしたら、任せろって言われたような気がして」

「まあ、神が助けてくれたのかもしれないね」

戦い足りないと我儘三昧の神だったけれど・・・・

あの後もトリポリ軍はしばらくしごかれたらしい。


「そうですよね。やるだけやれば神様が助けて頂けたのかもしれません。相手は邪神でしたし」

もともと、全能神を退治したシャラザールの自業自得のような気もするけれど・・・・とオーウェンは思っても戦神怖さに何も言えなかった。

昔シャラザールにやらされた死のトレーニングは二度とやりたくなかった。


「アレク様も無事でした?」

「まあ、結構やられたみたいだったけど、あいつは不死身だからね。それよりもペトロが重症みたい」

「そうですか。随行した方々にも酷い目に合わせてしまいましたね」

「まあ、あいつの場合はエカテリーナを助けるために犠牲になったみたいだけど」

「エカテリーナ様を助けるために?」

「そう、あと何故かボリスも助けてくれたみたいだし」

「そうなんですか。ボリス殿下にもお力添えいただいたのですね」

クリスは頷いた。


「それよりもクリス、その話し方他人行儀なんだけど」

「他人行儀も何も他人です」

ブスッとしてクリスが言った。


「えええ、それは酷い、昔はオウって言ってくれていたのに」

「女ったらしのオウは嫌い」

「いや、だから、このまえのは間違えたんだって」

「手もすぐ繋いでくるし」

自分の手を見てクリスが言う。


「何言っているんだよ。手を伸ばしてきたのはクリスの方だよ」

オーウェンはサラリと嘘を言った。


「えっ、そうなの?」

疑り深そうに聞く。


「それに俺が自ら手をつなぐ人なんてクリスだけだよ」

そう言うとオーウェンはクリスの手の甲にキスをした。


「ちょっとオウ、何をするのよ」

クリスが真っ赤になって慌ててオーウェンと繋いでいる手を抜こうとしたが、ギュッと掴んでオーウェンは抜かさなかった。


「酷いじゃないか。クリス。俺を残して戦いに行くなんて」

オーウェンが恨めしそうに言った。


「だって、後方で完ぺきに出来るのなんてオウしかいないじゃない」

クリスも赤くなって言う。


「でも、それでも、君と一緒に行きたかった」

オーウェンはクリスの手を愛おしそうに撫ぜながら言った。


「ごめんね、オウ」

「いや、俺がもっと訓練して君のそばにいれるようにすればいいのんだ。後方も俺の代わりを作れば良いんだよね」

「前者はともかく、オウの代わりを作るのは無理じゃない?」

「いや、そんな事はないはずだ・・・・」

そう言ってオーウェンはクリスを見た。

クリスと目が合う。


二人は見つめ合った。


その時だ。


ドカーン


という音とともに、扉が吹っ飛んでいた。


「えっ」

慌てて見る二人の前に、剣を抜こうとして周りに押さえられているウィルがいた。


「オーウェン、貴様、姉さまが倒れているのを良いことに何をしている」

「ちょっとウィル様。せっかく良いところだったのに」

ミアらが残念そうに言っている。

クリスとオーウェンは慌てて離れた。


「ちょっとウィル様。この扉高かったんですが」

トリポリ国王が呆然としている。


しかし、ウイルは無視した。


「オーウェン、もう許さん」

そしてねアルバートの腕をかいくぐり飛び出した。


「ちょっと待てよ、ウィル」

オーウェンは逃げる。


「ええい、そこに直れ」

斬りつけるウイルを躱して二人は飛び出した。

「ちょっと、これ以上宮殿を壊さないで下さいよ」

その後ろを心配そうに追いかけていくトリポリ国王の悲鳴が響いていた。




戦力の多くを失ったノルデイン帝国はしばらく沈黙した。その沈黙が不気味だったが、クリスたちはその間に大国間の協議をこまめにして、次なる戦いに備えたのだった。

戦いが短期に終わり、被害にあったのはノルディン帝国の帝都のみだったので、ボフミエの民は戦いの被害は殆ど及んでいなかった。

クリスらが帰ってきた国都ナッツァは戦時中だと感じられないほど活気に溢れていた。


次に始まる戦いまでのしばしの休息だった。




ここまで読んで頂いてありがとうございます。

これにて完結です。


新作始めました

『悪役令嬢に転生してしまいましたが、前世で出来なかった学園生活を満喫することに忙しいので何もしません』


https://ncode.syosetu.com/n3651hp/


これも完全新作です。


「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。王子にまとわりつく聖女、更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。

ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[一言] 完結おめでとうございます!
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