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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第二章 大国での失恋

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クリスは大国の皇太子に告白されます

その夕方、クリスはオーウェンに連れられて城の塔の屋上に来ていた。

階段から外に出ると、今まさに地平線に太陽が沈むところだった。


「きれい!」

クリスはその風景を堪能した。


「いつも、怒られた時なんかここによく来たんだ」

オーウェンが言う。


「クリスはそんな時どこに行くの?」


「うーん、怒られても今までは考える暇がなくて。図書館に籠るとか」


「それいつもと変わらないよね」


「そうですね。本当に今まで時間が無くて。

あっ、でも、小さな子供と電話したりしていました。」


「知っている。それもたまたま見えた」

その子は戦災孤児でクリスはその子を励ましていた。

その後ろで驚いて固まっている女生徒がいたのも図書館の窓から見えていた。


「えっご存じだったのですか」


「ごめん、こそこそ何しているのかなと覗いてしまった」


「見られていたと思うと恥ずかしいです。

子供って本当に純情で明るくてその力もらっていました」

ニコって笑うクリスが愛らしくて思わずオーウェンは抱きしめてしまいそうになった。


いや、誰もやらないよ。

そもそも使用人がシングルで子供を育てているなんて知っている雇用者なんてほとんどいない。

その子を慰めるなんてすごい事だ。

それを楽しそうに言うなんて。


でも、もうこの笑顔が見れないかもしれない。


オーウェンは思わず下を見て唇をかんだ。


「どうなされたんですか。皇太子殿下」


「えっなんか堅苦しいな。オーウェンと呼んでいただければ」


「そんな恐れ多い」


「じゃあせめて幼馴染のオウで」


「じゃあオウはどうされたんですか」


「敬語じゃなくていいのに。昔みたいに」


「それは難しいです」


「二人きりなのに」

残念そうにオーウェンが言う。


「はい」

はっきりとクリスは言った。


「まあいいか。いやあ、クリスと一緒に図書館で勉強したかったなあって思ったんだ」


「えっでも結構近くにいらっしゃいましたよね」


「でもさ、判んないところ教えてもらうとかさ、エリザベスおばさまのいう事なんて聞かなくてもっと話しかけたらよかった」


「そっか、オウはもう留学も終わりなんですね」

クリスは少し寂しいなと思った。


学園に帰ってあと半年頑張るんだが、王妃教育が無くなった分がぽっかり心の中に空いていた。


皇太子に婚約破棄されたし、もう守ってくれるものもジャンヌ姉様もウィルもオウでさえいなくなると皆の反応も少し怖かった。


「どうしたの?」


「いえっみんないなくなると寂しいなって」

そのさみしそうな姿を見て思わず、オーウェンはクリスの両肩に手を置いてしまった。


「クリス君を守りたい」


「えっ」

驚いてクリスはオーウェンを身た。


二人の目が合う。


「昔から君の事が好きだった。

エドの婚約者になったって聞いてとても悲しかった。

でも、忘れられなくて。

今回は父に無理やり3か月間だけ留学させてもらったんだ。

でも、クリスに話してはいけないってキャロルおばさまに言われて。


でも、必死に取り組んでいるクリスを見られてとてもうれしかった。

俺も負けずに頑張ろうって。


エドとあの公爵家の女の子が仲良くしているのを何だこいつと思う気持ちとクリスと仲良くなれるかもしれないって言う汚い気持ちが交差して。

本当にごめん。


でも、パーティでクリスと踊れて本当にうれしかった」

オーウェンはそういうと跪いた。


今しか言う時はない。


明日は赤い死神のせいで異国に向かって立たねばならない。


「クリスティーナ・ミハイル嬢、

どうか私と一生涯一緒に歩いていただけませんか」

下から必死の形相でクリスを見る。


クリスはびっくりした。


今までオーウェンからそのような言葉を聞けるとは思っていなかったのだ。


「御戯れを」


「いや、冗談なんかじゃない。本気だ」

真摯な瞳でクリスを見あげる。

「今までずっと君と一緒にいたいと思っていた。」


「殿下。あなたは皇太子なんです。それも世界で一番大国の。

パーティ会場で婚約破棄された私なんて釣り合わないです」

クリスが何とか言葉を絞り出す。


「そんなことは無い。

君は聖女って呼ばれているではないか。

マーマレードの国民にも慕われている」


「だから、他国に行くことなんて出来ないんです。

今までみんなにしてもらってきた事、返していかないと。」


「いや、だから・・・」

オーウェンは言葉を間違ったことに気づいた。


でも、そんな…


顔面蒼白となった。


「殿下失礼します。国王陛下が」

そこへ場を読まない近衛が上がってきた。


「殿下失礼します」

クリスが慌てて駆け出した。


「クリス!」

オーウェンはクリスの手を取ろうとしたが、その手をかいくぐって駆けて行った。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
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イチオシ

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『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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