表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第13章 全能神の逆襲

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

439/480

暴風王女は赤い死神に慣れぬ看病をして大変でした。

ジャンヌはアレクに付き添ってそのまま、直ちにトリポリの野戦病院に入った。そして、ボフミエから連れてきた医師にアレクを診せる。


「どうだ、大丈夫か?」

「腕はおれているのか?」

「火傷の具合は?」

「この亀裂は何だ?」

矢継ぎ早に医師に次々に質問していく。医師は閉口した。

診た医師は、アレクの症状を見ることよりもジャンヌの対応をするほうが大変だった。


あまりにもうるさいので、

「殿下、チャンと見ますから少し黙っていてい下さい」

そう言うと、さすがのジャンヌも黙ったのだが、今度はじいーーーーっと医師の手元を見てくるのだ。

それも剣を片手に・・・・。医師はおちおちとゆっくり診察も出来なかった。


なんとか医師が診察を終えて、部屋を出た時はへたり込みそうになっていた。



一方のジャンヌは自分がまさか看病する側に回るとは思ってもいなかった。

いつもはだいたい自分も怪我をしており、じっくりと誰かを看病するということがなかったのだ。

今回はアレクが怪我をしており、自分は殆ど損傷をおっていなかった。


そして、看病をすることになったのだが慣れていないジャンヌは、手ぬぐいを絞らずにアレクの頭においてアレクをずぶ濡れにしたり、包帯を変えようとして、失敗したり、散々だった。



そして、今回の戦いでは部下達もほとんど傷ついていなかったのだが、その部下達が邪魔だった。


「姫様、そんな事も出来ないのですか」

「姫様に看病ほど向いていない仕事はありませんね」

と言われる始末だ。

あまりにうるさいので部屋から放り出したのだが、アイツラは絶対にどこかで見ているのだ。本当に鬱陶しい。


座る位置も最初はすぐ傍に座っていたのだが、


「さすが姫様。愛する方の直ぐ側で看病していらっしゃるんですな」

ザンに誂われて、慌てて部屋の隅に椅子を持っていった経緯がある。


ザンはその後ライラに怒られていたが・・・・。


そして、今はアレクが高熱にうなされていた。

やむを得ず、椅子を傍におっかなびっくりで持っていく。


「ううううう」

アレクが首を振ってうなされている。


手を差し出して来たので慌ててその手を握ってやった。


「イネッサ」

アレクの言葉にジャンヌはショックを受けていた。

イネッサとは誰なのだ?

そういえば昔、自殺した彼女がいるとかいう話だったからそいつか。と思い付きはしたが、いい気はしなかった。


手を離そうとしたが、アレクの力は強い。


「良かった」

ブツブツ言うとアレクは眠りについたみたいだ。そのまま手を離せないままジャンヌもいつの間にか寝てしまった。




翌朝、アレクは目を覚ました。

そして、ブラウンの髪が目についた。

そのジャンヌが手を握っていてくれたことも。


「ジャンヌ」

ゆっくりとつぶやくと


「うっ、アレク」

ジャンヌはゆっくりと目を覚ました。


「体は大丈夫か?」

「ああ、なんとかな。結構化け物にやられたが」

ジャンヌの問にアレクは苦笑いをした。


「他の奴らは」

「問題ないみたいだ。化け物は地獄に送り返したぞ」

「すまん。今回は足手まといだったな」

「まあ、そう言う時もあるさ」

「ずっと看病してくれていたのか」

「やむを得まい。これは貸しだからな」

ブスッとしてジャンヌが言う。


「ああ、借りておくよ。お前がやられたときはチャンと返すさ」

「ああその時は頼む。最もそんなドジはしないが」

二人は見つめ合った。


「あああ、お二人共アツアツですね」

そこへ入ってきたクリスの侍女のアデリナが、両手胸の前で握りしめて言った。


「えっ」

「いや、単に戦友を看病していただけで」

「だって、お二人手を取り合っていらっしゃるじゃないですか」

アデリナに指摘されてジャンヌは手を握ったままだったことに気づいた。


「いや、これは違うぞ」

ジャンヌは慌てて手を離して否定する。


「あああ、アデリナちゃんも静かにしていたら良かったのに」

後ろからライラらが残念そうに顔を出す。


「お前らな」

ジャンヌが怒って言うが、顔は真っ赤だ。


「姫様が照れている」

「初めてみた」

「殿下、凄いです」

「ええい、うるさい。関係ない奴らは出て行け」

「えっ、そんな」

文句を言う部下達を強引に外に追い出してジャンヌはゼイゼイ言っていた。


「殿下。これおかゆです。腕はまだ使えないですよね。ジャンヌ様に食べさせてもらって下さい」

「えっ、何で私が」

「だって、アレク様は手が使えませんから。じゃあ私、次に行くので」

慌てるジャンヌに粥の容器を渡すとアデリナはさっさと出ていった。



後には固まったジャンヌが残った。それを面白そうにアレクが見ている。


「別に無理しなくていいぞ」

「何言っている。一応私も女だ。お前に食べさせることくらい出来る」

そう言うとジャンヌはアレクの前に座って、粥をスプーンに救うとアレクの前に強引にもっていった。


アレクが口を開けると中に入れるが

「アチッ」

アレクが叫ぶ。


「えっ、すまん、熱かったか」

慌てた拍子に粥をひっくり返しそうになり、それを受け止めようとして盛大に転けてしまった。


粥はなんとか無事だったのだが・・・・


結局ふうふう冷ましたりして食べさせるのに30分以上かかってしまった。


それを腹を抱えて部下達に見られていたのをジャンヌは知らなかった・・・・



すいません。おそらく、ゼウスの逆襲第一部は取り敢えずまもなく完結です。

3日以内に終わります。

今回ほとんど戦闘シーンで甘い場面無かったので、後2話甘い話してそのあと最終話みたいな感じです。

一応予告しておきます。

また、新作考案中です。次回は恋愛物、おそらくそうなるはずです。悪役令嬢物、で私自身初めての異世界転生物になる予定です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ