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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十二章 婚活と雪女

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閑話 大国近衛騎士の嘆き

この話読んで頂いてありがとうございます。

新作始めます

ドラフォード王国近衛騎士のトマソンは今日も憂鬱だった。

いま隣国ボンゴル王国からリヤ王女が王都イエーナを訪問していてトマソンはその護衛の一人に抜擢されたのだ。


しかし、昨日王都への玄関口ハイリンゲンについてからの王女はわがまま三昧だった。


まず、暑いとのたまって、氷を買いに行かされた。


そして、1時間も走ると腹が減ったとおっしゃって近くのレストランへ無理やりつけさせられて今度はそのレストランが汚いとか古いとか自分の格式に合わないとか言い出す始末だ。


お付きの女官のエバがそれを抑えるかと思いきや、一緒になって騒ぐ始末。


やれ、ボンゴル王国の王女様をこんな所に案内するとは王女を侮辱する行為だとか、近衛の姫様を大切に思う心が足りないだ。対応が遅いだ散々だった。


本来はそんな事は外務がやるべきではないかと思うのだが、外務からついてきたやつは一緒になって騒ぐ始末だった。


侯爵令息だか、なんだか知らないが、前のセルフェスト外務卿の息子のライナーはもっとちゃんとやってくれた。王女をうまくなだめたりしてくれたし。


そして、この王女がドラフォード皇太子殿下の妃殿下を目指して来ているとか止めてほしい。絶対に無理だ。



「きゃーーーー」

今日も王女の悲鳴が響いた。


「どうなさったのですか」

慌てて飛び込むと、着替え途中の姫は逆ギレした。


「キャーーー。痴漢」

「いや、いま悲鳴が」

しかし、王女に側の食器を投げつけられてほうほうの体で外に出た。


全く訳が判らなかった。


後で聞くと部屋の中にバッタがいたらしい。バッタで悲鳴を上げるなよ。


思ったが、王宮の女官長と近衛師団長が呼ばれて叱責されていた。


その後トマソンと同僚は近衛師団長に呼ばれた。


「エリクソン。貴様は1ヶ月の謹慎処分とする」

「はいっ、ありがとうございます」

エリクソンは嬉々として言った。


「何故喜ぶ」

近衛師団長は不機嫌そうな声で言った。


「だってあんなワガママ王女のお守りは嫌です」

「エリクソン不敬だぞ」

近衛師団長は注意をしたが、半ば投げやりだ。


「トマソン。お前は厳重注意だ」

「えっ、師団長。それはないですよ」

トマソンは食って掛かった。


「いや、ちょっと待て、トマソン。エリクソンよりも処分は厳しくないのだぞ」

「何おっしゃっていらっしゃるんですか。私も見たくもない王女の下着姿見ましたし、エリクソンと同じ謹慎が該当するかと」

「トマソン。口は災いの元だぞ」

「はいっ、それで謹慎処分に」

トマソンは必死に頼み込む。


「これ以上謹慎処分に出来るか」

近衛師団長も切れかけた。


「そんな、どんな罰ゲームですか。エリクソンだけこの苦行から逃れられるなんて許せないです」

「良いな。トマソン。これは命令だ」


トマソンは同僚のエリクソンが嬉々として下がって行くのを呆然と見ていた。




これが下手したらドラフォードの未来の王妃になるだ。それだけは許せなかった。


それに対して皇太子が今必死にアプローチしているクリス筆頭魔導師は本当に天使だ。


これまで3度ばかり訪問された時も、わがままはほとんど言わず、護衛の近衛にまで気にしてくれた。名前も覚えてくれたし、わがままで他の所に寄るというのも、今日は暑いから馬が疲れるだろうと休憩の水場による数を増やしてくれたりしたくらいだ。


お忍びで街へ出た時も本当にこちらに被害はなく、後でお土産のお菓子もくれたくらいだ。


その筆頭魔導師の護衛騎士になったアルバートは彼女に婚約者まで紹介してもらったそうだ。あの朴念仁のアルバートが今は目も当てられないほどデレデレだと言う。

ナタリーも本当に自由にやらせてもらっていてやりやすいと言っているし、事務官になったイザベラは彼氏ができないと文句を言いつつ、周りはほとんど男だらけで選ぼうと思えば選り取り見取りだと皇太子の護衛隊長のジェキンスからは聞いていた。


それに筆頭魔導師は戦いとなれば後ろで守られているだけでなくて、最前線に出てくれるし、護衛が傷つけばその雷撃で仕返しまでしてくれるというスーパー君主だ。果てはアルバートの彼女の危機には自ら転移して助けてくれたっていう君主にしてみればこれほど頼りになる君主はいなかった。


ボフミエにいる東方第一師団もそのクリス様には心酔しており、皇太子がクリス様に振り返られなかったら皇太子を見捨てかねなかった。


彼奴等は最前線で実戦力も磨けて、仕える相手に逆に気を使ってもらっているのに、本国にいる近衛がこんな苦難の連続ってどういうことだと、師団長に転属願いを出したくなったトマソンだった。


そもそも、国王陛下も皇太子殿下もガーネット殿下もそんなに我儘な方ではない。王妃殿下がたまに我儘を言われるが、この王女に比べれば本当に些細なものだった。


自分の権力強化のためにこんな王女を呼んでいる侯爵に対してむちゃくちゃ不満を覚えるトマソンたちであった。


これによって侯爵の影響力は地に落ちて、クリス王子妃待望論がもはや臣民の間で公然の事になるのに時間はかからなかった。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

全くの新作はじめました

「好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません」

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

今回はシンデレラ物語です。

平民の薬屋の娘リアが王立学園で繰り広げるドタバタ劇

好きなのは幼馴染のカートなのに、何故か王子様に好かれてしまい・・・・

ぜひともお読みください。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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