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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十二章 婚活と雪女

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大国王妃の怒りで南国皇太子側近は恐慌を来し平伏しました

チャドウィックの護衛騎士たちが慌ててチャドウィックの方に駆けて行った後に、呆然と側近のオコトが残っていた。

補佐官のオコトはクリスの魔力の多さに驚いていた。というか驚愕していた。


そして、自国の皇太子がボフミエ筆頭魔導師の怒りに触れたことに恐れを抱いていた。これは下手したら消されるかも・・・・・

オコトは恐怖に震えた。


後ろから見たクリスはそれだけ恐ろしかった。あの怒りがサウス王国に迎えば、勇猛果敢なサウスの戦士たちとはいえ、下手したら一瞬で殲滅させられる。


クリスの力はそれだけの恐怖を生むのに、十二分なものだった。


しかし、クリスはオコトの方を見るわけもなく、慌ててオーウェンの方へ飛んで行った。


直ちに謝らなければと思ったが、足がすくんでオコトは前に出れなかった。


そのオコトが後ろから殺気を感じた。


そして、そう言えばオーウェンの母のドラフォードの王妃がいたのを思い出した。


ドラフォードと言えばサウスの北の大国。その王妃の機嫌を損ねることはサウスの国益には決してプラスにはならない。


「も、申し訳ありません」

取り敢えず、オコトは振り向きざま頭を下げた。機先を制して謝るにこしたことはない。


「これはこれは、あなた様はサウス王国の皇太子殿下の側近でいらっしゃいますな」

キャロラインは薄ら笑いをして言った。


「申し訳ありません。何しろ皇太子はまだまだ若造でして」

必至にオコトは謝る。


「いえいえ、貴方様が謝られる必要はございません。我が皇太子が弱かっただけですから。本当にあの子ったらみっともない。サウスの皇太子殿下に完敗するなんて」

そう言うキャロラインの目は笑っていなかった。


「ミューラー」

キャロラインはボフミエに駐留しているドラフォード最強の東方第一師団長を呼んだ。


「はっ。御用ですか」

「ボフミエ駐留軍の中で皇太子以上の使い手は誰がいますか」

「はいっ?」

いきなり聞かれてミューラーは詰まった。


「世界最強を謳う我軍の東方第一師団ならば皇太子以上の使い手はたくさんおりましょう」

「そうはおっしゃられても皇太子殿下も結構お強いのですよ。サウスの皇太子とやりあえるのはクリス様の騎士のアルバートとナタリーですが、基本はクリス様の騎士ですから・・・我軍の中では第一大隊長のドーブネルくらいですが、呼んでも来るかどうか」

ミューラーは言葉を濁す。基本的に剣技と大軍の戦闘は別で、師団に個人技の優れた人間は少なかった。優れた使い手はその各々の父の思惑で勝手にクリスの騎士になっているし、ドーブネルは自分でも言うことを利かすのは難しいのだ。王妃の言葉を聞くとは到底思えなかった。


それを聞いてオコトはホッとした。まあ、自国の皇太子がどれだけボコボコにされようがどうでも良かったが、これ以上大国の怒りを買うのは避けたかった。


「そう判ったわ。セナ、お願いがあるのだけれど」

王妃は方針を変えることにした。


「はい。王妃様どうされましたか」

セナ・アルフェスト外務卿夫人だ。


オコトは王妃が何故外務卿夫人を呼んだのか、とても嫌な予感がした。


「サウス国は我が国に対して良いイメージをお持ちじゃないようなの。外務卿に確認いただきたいのだけれど、サウスからの小麦の関税を50%上げようと思うのだけれど何か問題あるかどうか」


この王妃の発言はオコトにとって青天の霹靂だった。


サウス王国の最大の産業は小麦の輸出で、その大半はドラフォードに輸出されていた。それに50%も関税がかけられたら売れなくなる。今は自国の食糧問題で輸出量は減らしているが、この問題が解決した後にまた輸出は回復させたい。


そもそも大国ドラフォードに小麦が不足しているということはなく、備蓄用にと言うか隣国の好で買ってもらっているだけだった。


そう、ドラフォードの王妃を怒らせて良いことでは決して無かったのだ。


「王妃様。それは何卒お許し頂きますよう、平に平にお願いいたします」

オコトは恥も外聞もなく平伏していた。ここは絶對に思いとどまってもらわないとサウスの産業が崩壊する。


「まあ、サウスの皇太子殿下の側近の方が平伏されるなど宜しいことではないのでは」

キャロラインが言うが、セナもミューラーも白い目でキャロラインを見ている。


その目は子供の喧嘩にそこまで酷いことをするなと言っているようだった。


二人の反応がもう一つだったので、キャロラインは自分の行いを引っ込めることにした。


「まあ、考えておきますわ」

キャロラインはそう答えるとその場を後にした。


「ははあ、ありがたき幸せ」

オコトは平伏しながら絶對にチャドウィックをしばこうと心に誓った。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

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アルファポリスのレジーナブックスにて

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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