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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十二章 婚活と雪女

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南国皇太子はクリスの騎士達によって、自分がいかにお山の大将であったか身を以て思い知らされました

本日3回目の更新です。

クリスは慌ててオーウェンに駆け寄った。


「オウ、大丈夫!オウ!」

クリスがオーウェンを抱き起こす。


「姉様。オーウェンは大丈夫だから」

「そうです。あんな攻撃でびくともしているわけはありません。いつもシャラザール様にもっとひどい扱いを受けていますから」

ウィルとアルバートがフォローするがクリスは全く聞いていない。


クリスが揺り動かすもオーウェンは全く目を覚まさなかった。


「オウ!」

クリスの胸に抱かれて何故か幸せそうな顔をしている。


「スピーーー」

そして、そのオーウェンから幸せそうな寝息が聞こえてきた。

ウイルとアルバートは目を見合わせた。

「何、寝ているの」

ほっとしてクリスが言う。


「まあ、このところ王妃様がいらっしゃる準備等で睡眠時間を切り詰めておられましたから」

内務次官代理のシュテファンが言う。


「グリフィズ様。今後訓練場ではこのような決闘は禁止します。訓練も勝負ついたと思ったら即座に審判が止めるように」

「えっ、そんなの姉上、やってられない・・・・」

「何か言った、ウィル!」

ウィルは低いクリスの声にビクッとした。


「何でもないです」

慌ててウィルは首を振った。こんな声を出す姉に逆らってよかった例はなかった。


「あの馬鹿皇太子への対処はいかが致しますか」

イザベラが聞いてきた。


「イザベラ。あれでも一応、他国の皇太子殿下です。言葉遣いには気をつけて。魔力を暴発したのは私のミスですので、明日、落ち着かれたら謝罪の場をセッティングして下さい。私が謝ります」

「そんな姉上が謝る必要なんてないよ」

「そうですクリス様。けんかを売ってきたのはあちらです。なんでしたらこれから絞めておきますから」

ウィルとアルバートが言うが、言うが、


「悪いことをしたら謝るのは当然のことです。余計なことはしないように」

クリスは釘を刺した。


「えっ」

「まあ」

二人は笑って誤魔化した。絶対に余計なことをしそうだったが、まあ、井の中の蛙に世間を知らせるのも必要かもしれないとクリスは無視することにした。


そして、城壁に叩きつけられてニヒラニヒラ笑っているチャドウィックを見つけた側近たちは気が触れたのか訝しんだ。


しかし、チャドウィックは自分の世界に入り込んでいただけで、元気だった。


「ふふん、ボフミエも大したことないな。俺が一番なんて」

助け起こされたチャドウィックは胸を張って自慢した。


そのチャドウィックめがけて投げられた剣の鞘が頭に激突する。


もう一度チャドウィックは城壁に激突していた。


「おのれ誰だ投げたのは」

チャドウィックは叫んでいた。


「何ふざけたことを言っているんだ。オーウェンの腕前はボフミエでは手指の数に入っていないんだよ」

ウィルがチャドウィックの前に転移して言った。


「そうか、そう言うことは俺がボフミエでトップか」

細かいことは聞いていなかったチャドウィックだった。


「何聞いてやがる」

そのチャドウィックの頭を殴ろうとしてチャドウィックは躱す。


「何をする小僧」

「自慢するのは俺に勝ってからにしな。口先皇太子」

「クリスの弟相手にやりたくないんだが」

「姉さまを呼び捨てにするな」

剣を振り下ろしたウィルの剣筋をチャドウィックが間一髪で避ける。


「ふんっ、やるか」

チャドウィックは剣を抜いた。


「行くぞ」

ウイルはいきなり衝撃波を放った。


チャドウィックはそれを間一髪で避けるがそこに模擬剣が迫っていた。


一瞬でチャドウィックは剣で殴り倒された。


「卑怯だぞ。魔術を使うなんて」

チャドウィックは叫んでいた。


「何言っている、南の皇太子さんよ。ここはボフミエ魔導国だ。魔術を使うのが当然なんだよ」

ウィルはそう言うともう一度剣でチャドウィックを弾き飛ばしていた。


チャドウィックは地面とキスしていた。口の中に砂が入る。


「おのれ」

頭を振りながらなんとかチャドウィックは立ち上がった。


「ふん、南の皇太子よ。剣だけが良ければ私がお相手しよう」

ウイルの横に出て来たアルバートが剣を抜き放っていった。


「参られよ」

剣を構える。


「おのれエエエ」

チャドウィックはいきり立って剣を振りかぶって斬りつけてた。


それを軽くアルバートは躱す。


次々に斬りつけてくるチャドウィックの剣を全て躱した。


「はっはっはっ」

チャドウィックは息が荒くなってきた。


「では参る」

攻守所を変えた。アルバートは言うや、流れるような速さでチャドウィックに斬りかかった。


チャドウィックは必至に躱そうとしたが、少し足りずに顔面を思いっきり叩かれて地面に叩きつけられた。


アルバートの剣は強烈だった。地面に這いつくばらされたチャドウィックの頭の中を天使が舞っていた。


アルバートには全くチャドウィックては太刀打ちできなかった。


上には上がいるのがチャドウィックには初めて判った。



「あら、皇太子殿下。もう終わりですか」

地面に這いつくばっているチャドウィックに、不気味な笑みを浮かべたナタリーとメイが立っていた。チャドウィックは初めて女に背を向けて逃げたくなった。


その日、チャドウィックは自分がいかにお山の大将であったか、自分がぼろぼろにされてやっと自らの身を以て知ったのだった。


ここまで読んで頂いてありがとうございました。続きは明日朝更新予定です。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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