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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十一章 パレルモ王国の陰謀

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エピローグ1 クリスは責任取って大国皇太子の看病をすることになりました


戦いは1日で終わった。と言っても、大半はクリスの雷撃で勝負はついていたので、掃討戦というかシャラザールの自己満足戦で終わってしまった。

シャラザールのやったことといえば嫌がる奴隷の家族を見つけ出して強引に生活させることと元奴隷たちの再就職等をアレクとジャンヌに任せたこと、後は私は何も知らなかったと泣き叫ぶパレルモ国王を王宮から叩き出した事だけだった。


アレクとジャンヌはシャラザールに言われたことを今も必死に行っていてまだ帰ってきていなかった。


翌朝、王宮で目を覚ましたクリスはとても不機嫌だった。

そして、ショックを受けたオーウェンはまだ、部屋で寝込んでいた。


ジャルカは若いお二人はすぐに仲直りされるでしょう。と笑っていたが、その遠因となったシュテファンは少し良心の呵責に苛まれていた。


今まで散々オーウェンに世話になっていた。それを家族のためとはいえ、刺そうとしたのだ。本来なら許されることではない。

しかし、クリスに張り倒されて肉体的にも精神的にも参っていたオーウェンだが、そのシュテファンを

「気にしなくて良いよ。悩んでいるお前を気にかけられなかった俺の責任だ」

とあっさり許したのだ。



その寝込んでいるオーウェンの魔導電話が鳴った。


「アメリアか」

「オーウェン、何その顔」

アメリアは仕事の件で電話したのだが、思わず笑い出した。オーウェンの顔の半分が真っ青に腫れていたのだ。


「いや、ちょっと」

「クリスを皆して騙したのよね。それで死なないでってクリスに泣きつかれて喜んでいたって聞いたけど。嘘だって判ったクリスに張り倒されたって聞いたけど、これは酷すぎない」

アメリアはオーウェンに同情した。


「で、どうした」

「仕事の件でちょっと聞きたかったんだけど、この顔じゃ聞けないわね。また今度でいいわ」

いうや、アメリアは電話を切った。


顔のこれの半分以上は治療と称してジャルカらが面白がってやったのだったが・・・・



シュテファンはオーウェンの恩にも何としても応えたいと朝食会場でクリスを待っていたのだった。


「クリス様、本当に申し訳ありませんでした」

クリスが入ってくるとその前で土下座して謝る。


「シュテファン様。そのようなことされなくても、あなたが悩んでいるのに気付けなかった私も悪いのです」

クリスは慌ててシュテファンに駆け寄って助け起こした。


「いえ、どんな罰でもお受けいたします」

「しかし、オーウェン様を刺そうとしたとは未遂ですし、そもそも、ジャルカ様の指示通りしただけなのでしょう」

「それはそうですが」

「オーウェン様も許されたと聞いております。不問で良いのではありませんか」

「そう言うわけには」

「まあ、閣議で皆様の意見も聞いてみますが」

「はい。ありがとうございます。それで、一つだけお願いがあるのですが」

「何だ。シュテファン。これ以上クリス様にお願いなど」

同じボフミエ出身のフェビアンが止めようとする。


「出来たらオーウェン様のお見舞いに行って頂けたらと」

「えっ、私が」


「はい。私が原因でオーウェン様と仲違いされたかと」

「はっ、何を言っている。あれはオーウエン様が悪い」

「そうだ。元気なのに姉さまの胸に顔を埋めるなど許せん」

シュテファンの言葉にアルバートとウィルが噛み付いた。


「えっ、そんな事してたの」

クリスは真っ赤になった。必至で自分が何をしていたかよく判っていなかったが、そんな事していたんだ。


「でも、オーウェン様の着ていた服はジャルカ様が誂えたので、おそらく私がナイフで刺すと体が動けなく仕組みになっていたと思うんです」

「えっ、じゃあ私がオウの頭を胸に抱いていたの」

クリスはパニックに近かった。


「あのオーウエンのやろう。絶対に知っていてやりやがったんだ」

「そうです。許せません」

ウィルとアルバートが叫ぶ。


「でも、事前にオーウェン様。何も聞いておられなかったんです。いきなり体が動かなくなって前に倒れて、おそらくジャルカ様のことだから魔術か何かで話せないようにもしておられたと思うんです。なのに、クリス様に張り倒されて顔を腫れさせておられて」

「えっ、そんなに酷いの?」


「姉上、そんなの嘘に決まっています」

「そうです。絶対に誇張です」

心配するクリスに二人が言い張る。


そこにクリスの魔導電話が鳴った。


「アメリアお姉さま」

「クリス、ちょっとオーウェンに対して酷いんじゃない」

「えっ」

クリスが驚いて聞く。


「今電話で見たけれど顔半分、真っ青にして腫らしていたわよ。あなたが叩いたんでしょ。あれは酷すぎない」

「すいません。思わず、叩いてしまって。そんなに酷かったですか」

「あれは、見れたものじゃないわよ。シュテファンはほとんど傷つけていないのに、あなたが半死半生なめに合わせてどうするのよ。お詫びに、きょう一日くらい看護して上げなさいよ」

「しかし、クリス様にはご予定が」

フェビアンが横から口を出す。


「何言っているのよ。クリスは1日休んだくらいどうってことはないわよ。フェビアンとイザベラらでなんとかしなさいよ。出来るわよね」

「いやまあ、それは」

二人は渋々頷く。

「判りました。私が責任とって看護します」

クリスは責任をとるかたちで看護することにした。


ここまで読んで頂いてありがとうございました。

今夕で今章終わりです。

二人の仲は果たしてどうなるのか。


乞うご期待!

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

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イチオシ

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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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