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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十一章 パレルモ王国の陰謀

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大国皇太子は騙されたと知ったクリスによってまた思いっきり張り倒されました・・・・


クリスの雷撃は上空で次々に枝分かれして世間に潜伏している影共に襲いかかった。

光の塊は、暗殺行動を行おうとしていた影を次々に直撃した。

それはドラフォードの王宮に潜んでいた影も、マーマレードのミハイル侯爵領の中にいた影も、ノルデインの宮殿の中まで襲いかかった。

そして、ここにパレルモの影は殲滅された。


ジャルカの期待した新兵器ゴキブリホイホイが使用されることもなく、散々ジャルカが挑発したシャラザールが来臨することもなく、殲滅されてしまった。


それを、クリスの横から飛び退いて地面に伏せていたアレクは呆然と見ていた。


アレクサンドル・ボロゾドフ、ノルデイン帝国皇太子にして赤い死神。むかし、愛する少女を殺されて怒りのあまり爆裂魔術で1つの国を殲滅していらいついた二つ名が赤い死神。アレクによって殲滅された国は片手ではおさまらない。普段は傲慢で大国陳国王ですら顎で使いかねない傲慢なアレクが呆然としていた。そう、そしてね彼の手は恐怖を感じて震えていたのだ。

シャラザールが憑依しているのでクリスには絶対に逆らえないのだが、クリス自体のこの攻撃は何だ? 何千キロも離れた王宮を直撃し、隠れた影共を見つけ出して一瞬にして数千の命を葬り去ったこの魔力量と精密さ、アレクは改めてクリスの恐ろしさを思い知り震えが止まらなくなっていた。

絶対にクリスにだけは逆らわないでおこうと改めて思い知った。あの怒りが自分に向かってきたら到底勝てる気がしなかった。パレルモのバカどもは本当に怒らせてはいけない者を怒らせてしまったのだ。自業自得と言えたが。




その肝心のクリスは攻撃を終えるとハッとして傷ついて倒れているオーウェンをみた。


「オウ、オウ、死んじゃいや」

クリスは慌ててオーウェンに抱きついていた。オーウェンの顔を胸に抱く。

そして、心の底から祈った。


オーウェンはクリスが小さい頃からいつもクリスの面倒を見てくていた。

クリスのことを面倒がらずに、クリスのわがままもちゃんと聞いていくれる紳士だった。

大国の皇太子だとはその時は知らなかったが、そのオーウェンにお嫁さんにしてあげても良いっていう素晴らしく上から目線で言ったのはクリスだった。


それを王家の依頼とはいえ、オーウェンを最初に裏切ったのはクリスだった。なのに、手紙の返事をくれなかったと文句を言うのはお門違いだった。


クリスは後悔した。


オーウェンはそのクリスのことを、婚約破棄されて傷物になったクリスのことを嫁にしてもいいと熱心に言ってくれていたのだ。


「オウ、オウ、死んだら嫌、死なないで」

クリスは泣き叫んでいた。



それを周りは呆然と見ていた。


後ろで平伏しているシュテファンの前にオーウェンの護衛隊長のジェキンスが抜剣して近づいた。


「おまえ、よくも皇太子殿下を刺してくれたな」

「ちょっとまってください。内務卿はほとんど傷ついていないはずですよ」

「なわけ無いだろう」

ジェキンスが1オクターブ声が高くなった。

あれだけの血が流れたのだ。絶対に重症に違いない。


「だってこれ模造剣ですよ」

シュテファンが刺した剣を差し出した。それは刃の先が潰してあった練習用の剣だった。これで刺すのはたしかに難しい。


「えっ、じゃああの血は」

「ジャルカ様が作った血糊かなんかじゃないですか」

その言葉に驚いてジェキンスはジャルカを見た。



クリスはオーウェンの事に必至でジェキンスらの言葉は聞こえていなかった。


しかし、近づいてきたジャルカを見つけると叫んでいた。


「ジャルカ様。すぐにオウを治療して下さい」

クリスはオーウェンの頭を胸に抱きながら言った。


「えっ、治療ですか。しかし、オーウェン様はクリス様の胸に抱かれてめちゃくちゃ幸せそうな顔をしておりますが」

その様子を見てジャルカが言った。


「ジャルカ様。何ふざけていらっしゃるんですか」

きっとしてクリスが叫んだ時だ。


「本当だ。こんな剣で人を殺せるわけないよな」

その後ろから何故かジェキンスの声が響き渡った。


「えっ、でも、大量の血が」

クリスは困惑して言った。


「いやあ、すみませんな。ちょっと調子に乗りすぎたようです」

ジャルカが謝った。


「そうだよな。あの血の量、人間にしては多すぎると思ったんだ。恐竜でも切りつけたって量だったよな」

ジャンヌの声が響く。


「そうですよね。私もここを刺せってオーウェン様の服にデカデカとマーキングされていましたから刺したら大量の血のりが吹き出して本当に驚きました」

シュテファンが言った。



「えっ、じゃあオーウェン様は」

「おそらく全く傷ついておらぬかと」

クリスはオーウェンの顔を胸から離して見るとオーウェンは目を必至につぶっていた。


「オウ!」

クリスが怒りを含んだ声で呼ぶと諦めたように、オーウェンは目をはっきりと開けた。


「皆さん。私を騙していたんですね」

クリスは切れて叫んでいた。


「いや、違うぞ。俺は何もきてい・・・・」

「最低っ。オウなんて大っ嫌い!」

オーウエンの言い訳も聞かずにクリスはオーウェンを張り倒した。

皆様、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

すいません。やはりこうなってしまいました・・・・


ニタニタ笑っているジャルカも次の瞬間、シャラザールが来臨し・・・・


散々挑発されていたシャラザールはやる気一盃です。

でも、パレルモの影共は既に・・・・


次回明朝更新


怒り狂った戦神の振り上げた手を下ろすところがない・・・・


どうする大賢者、どうなる赤い死神 明朝にご期待下さい。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

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アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

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『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

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公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
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平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] クリスが自分の中の恋心を見つめ直すという意味では良い話だと思うのですが、オーウェンの活躍は? ※これではクリスのヒーローとしてとても認めることはできないです。(クリスが幸せになりますよ…
[気になる点] クリスってオーウェンのどこが好きなんだろう。クリスが前の婚約者で嫌な思いしたのを知ってるのに他の女性に対してハッキリしない態度でベタベタさせてる時もあるし、結構な頻度で失言多いアホだし…
感想一覧
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