表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十一章 パレルモ王国の陰謀

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

346/480

大国の外務卿はボフミエ魔導国を訪問しました


そして、5日間が経った。

その間クリスのもとには怪しい報告は何も無かった。その影でジャンヌらは精力的に動いていた。敵のアジトを中心に徹底的な監視網が築かれていた。

そして、王宮はドラフォードからの賓客を迎えるのに忙しくしていた。



国都ナッツァの湖の桟橋に一機のスカイバードが到着した。

扉が開いてアーサー・アルフェスト、ドラフォード王国外務大臣が降り立つ。


「久しぶりだな外務卿」

それを自国の皇太子のオーウェンが迎え入れた。


「これはこれは殿下ご自身がお出迎えいただけるとは。外務卿はどうされたのですか」

アーサーは驚いた。外務卿ではなくて内務卿が迎えに来るとは驚いた。

「アレクか。奴は今ちょっと手が離せないらしい。我が国の外務大臣を迎えるのに、私が出迎えても問題なかろう。なペトロ」

その後ろのペトロを紹介する。

「アルフェスト外務卿、ようこそこのボフミエの地にお越しいただけました。私外務次官をしておりますペトロ・グリンゲンです」

「わざわざのお出迎えありがとうございます。ドラフォードの外務卿のアーサー・アルフェストです。そして、これは私の息子のライナーで、出来ましたらグリンゲン様の下で色々修行させて頂けたらありがたいと存じまして」

「ライナー・アルフェストです」

アーサーの後でライナーも握手する。


「ライナー、久しぶりだな」

「はい。殿下もお元気そうで」

オーウェンとライナーは再会を喜びあった。


「ライナーはペトロと年はおんなじはずだ。お互いに仲良くしてくれ。ペトロ、こいつはいずれこのアーサーの後を継ぐ。アレクのノルディンとドラフォードの二カ国に知り合いがいれば今後のボフミエのプラスになる。よろしく頼むぞ」

「はい。お任せ下さい」

ペトロは頭を下げた。


「ライナーもアレクの下でノルデインのやり方をしっかり学べ。今後のプラスに必ず成るはずだ」

「はい。十分に勉強させて頂きます」

ちょっといやらしい笑みを浮かべる二人にペトロは若干引く思いだった。



その頃当の外務卿はジャンヌの執務室に陣取っていた。

「ターゲット、アジトを出発しました」

「一の橋を通過」

ジャンヌのもとには次々に報告が上がってくる。


「で、アレク、なんで貴様がここにいる。ドラフォードの外務卿を迎えに行ったのではないのか」

不機嫌そうにジャンヌが言った。


「ふんっ、そのようなものはオーウェンに丸投げした。あいつの国のことだし、それで良かろう」

「ドラフォードの知り合いを増やしても損はないだろう」

「こんなのすぐに終わるだろう。今日の晩さんには出るさ。それよりもこれだけ組織だった捕物は久しぶりだ。こちらからも兵士を出しているのだから私がここにいても問題なかろう。何しろ対象はクリス嬢の侍女なのだし、何かあっても困る」

アレクが言い訳した。


「我が師団だけでは心配だとでも」

「そのような滅相もない。良いだろう。最近暇で暇で」

「今日は外務の仕事が入っているだろうが」

「まあまあ、せっかくの捕物だし、良いじゃないか」

「本当におふたりともこんなことが好きですな。しかし、クリス様が自分の侍女が囮に使われたと知られたらどうなることやら。知りませんぞ」

横でジャルカが薄ら笑いをして言った。


「いや、まあ」

二人というか室内のみんなは微妙な顔をする。

まあ、クリスは激怒するかもしれないが、全てはボフミエ人民のためだと強引に言い切ろうとジャンヌは思っていた。

それが通用するかどうかはまた別物だったが・・・・。




王宮に案内されたアーサーだったが、案内された客室はドラフォードに比べれば質素だった。部屋も、リビングと寝室の2室しか無かった。


「父上。我らは国王陛下の代理人として国賓としてボフミエに参ったのですぞ。この扱いはあんまりでは」

息子のライナーが食って掛かった。アルフェスト家もドラフォードでは公爵家だ。この部屋のシンプルさはあんまりだと思われた。



その時ノックがしたので、ライナーは黙った。

「外務卿。ようこそ、このボフミエの地にお越しいただきました。今回、外務卿のお世話を仰せつかったイザベラ・ナヴァールにございます」

ナタリーが侍女のお仕着せを来て挨拶する。


「同じく護衛騎士のナタリー・ウィンザーにございます」

「これはこれはわざわざ痛み入る。この度お世話になる外務卿のアーサー・アルフェストです。お二方ともご立派になられましたな。見違えるように」

当然アーサーは侯爵家のイザベラとウィンザー将軍の娘のナタリーは知っていた。

昔はもう少しおっとりした感じだったのが、ここ1年で急激に大人びてきていてしっかりしてきたという印象を持った。


「しかし、イザベラ嬢はクリス様の事務官では」

「すいません。ボフミエはまだ出来上ツタばかりの国でして侍女もほとんどおリません。

クリス様付きの二人の侍女にしても一人は学生でして、もうひとりも貴族の礼儀作法はまだ完全に習得しておりませんので、こういう時は私の出番になりますの。私も不慣れではございますが、何でもお申し付け下さい」

「そうですか。この広大な城にも侍女はほとんどいないのですか」

イザベラの話にアーサーは驚いた。


「まあ、クリス様自体がほとんどの事はご自身でされますし、侍女と申しても秘書官的なことをしております。この部屋にしても質素に見えますが、大きさ調度品と全て筆頭魔導師様と同じでございます」

「左様でございますか」

アーサーはその言葉に驚いた。筆頭魔導師と同じ部屋だと言われれば苦情を言わずに良かったと思った。しかし、ボフミエ魔導国も今や話題の国。全ての王族がそのように納得するとは思えなかったので、

「でも、王族がいらっしゃる時は困りませんか」

「たしかにそうなのですが、自国の皇太子殿下以上の部屋にまさか泊まるわけにも参りませんでしょう。当然、各国の皇太子殿下はクリス様と同じ部屋の大きさでして」

「流石にそうですね」

自国の皇太子以上の部屋に泊まったりしたらアーサー自体が気を使うのだ。


「昔皇帝の使っていた客間が空いていますので、そちらにご案内しても良かったのですが・・・・・」

「いや、それは、後で殿下に何を言われるかわかりませんからな」

そう言うとアーサーは笑った。


次回 今晩 誘拐作戦開始です。


乞うご期待


ブックマークまだの方はぜひともブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ