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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十一章 パレルモ王国の陰謀

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大国国王は皇太子の要望に応えて外務卿をボフミエに派遣しました

「どうされたのですか。陛下。浮かぬ顔をされて」

ドラフォード王国アーサー・アルフェスト外務卿は国王に呼ばれて執務室に来ていた。


「ガンドルムの奴が、最近のボフミエ魔導国の動きにもっと釘を指せと言ってきおった」

苦虫を噛み潰したような顔をしてピーター・ドラフォード国王は言った。ガンドルムはドラフォードの公爵家の1つでどちらかと言うとうるさ型だった。今でもオーウェンの婚約者に自らの娘をならせようとしゃかりきになっているのだ。最有力候補のクリスはできるだけ叩いておきたいとの考えダダ漏れで抗議してきたのだ。



「まあ、確かにボフミエ魔導国はここ1年以内に、モルロイ、クロチア、ザール教国、新大陸のフロンティアにビッグゲートと領地を急激に広げておりますな」

「このまま行くとこのドラフォード王国の脅威になるというのだ」

「まあ、確かに将来的には脅威になるかもしれませんが、今は我が国の皇太子殿下が内務卿を務めていらっしゃいますし、東方第一師団もボフミエ魔導国に派遣中ですし。文官も20名程度派遣しておりますし、今すぐはどうなるものでも無いかと」

アーサーがボフミエ国にいるドラフォードの勢力を上げる。戦力的にはドラフォード最強の東方第一師団を派遣しているし、国の大本の内務卿を皇太子がやっているのだ。ボフミエの勢力アップはそのままドラフォードの勢力の拡大に繋がっている。


「それはそうなのだが」

「魔王を退治するためにモルロイとクロチアは併合。堕落したザール教攻撃にしても、先に手を出してきたのはザールの方ですし、今回の新大陸の派遣はインディオの虐殺奴隷化を防ぐという高尚な使命がありましたからな。どれも仕方がないかと」

「しかし、いつまでもオーウェンが内務卿を務めるわけには行くまい」

アーサーの意見に国王が反論する。


「そうですが、今まで我が国と争っていたノルディン帝国の皇太子殿下が外務卿ですし、魔導師団長は友好国マーマレードの皇太子殿下です。教育卿はこれまた友好国テレーゼ王国の皇太子殿下。古の大国陳王国の王女殿下が農務卿、東方の島国ジパグ国の皇太子殿下が財務卿と諸国連合の体をしているボフミエ魔導国には文句を言える国はほとんどないのではないかと」

「おままごと王朝と揶揄されていたのが1年前なのだが、1年で本当に力をつけてきおった」

忌々しそうに国王は言う。


「ひょっとして国王陛下も脅威に感じておられるのですか」

「バカを申せ。彼奴らは魔王を退治してくれるわ、誰もが手出しできなかったザール教を粛清、新大陸の横暴も諌めてくれたのだ。これほどドラフォードに取って便利な国はないぞ。」

「まあ、左様でございますな。唯一被害を被っておるのはノルディン帝国ですが、あそこの皇太子殿下はボフミエ政権の中枢部にいらっしゃいますからな。どうしようもないという感じだと思いますが」

「ノルディン戦でも先頭に立っていたって話だろう。ノルディンの兵士たちもさぞ大変だったろうな」

「まさか、自国の皇太子に剣を向けるわけにも参りますまいし」

二人は苦笑いをした。


「まあ、他の者たちにボフミエ内部の様子を聞くと、皆仲良くおままごと政権をやっているようだが」

「しかし、戦力は超一級品ですからね。クリス様を筆頭に」

「なんでも、ノルディンの宮殿を一瞬で破壊したとか、ノルディンの王子も一瞬で黒焦げにしたとか」

「ぜひとも皇太子殿下のお妃様にお迎えしたいのですが」

アーサーが多くの臣民の希望を話す。クリスは聖女クリスとしてドラフォードの中でも人気が高かった。軍の方でもいつも先陣にいるクリスの事は大半の兵士が支持していた。


「他国が納得するものか。ボフミエとドラフォードの力を足すと世界最強になろうが」

「ノルディンとマーマレードの皇太子殿下もお近づきになっておられるみたいですし、宜しいのではないですか」

「そう思うか」

「はい」

国王の問にアーサーは頷いた。


「それよりも、8年前のその筆頭魔導師様から我が息子に来たラブレターの件について息子から猛抗議が来ているのだが」

国王が話題を変えた。


「8年前のラブレターでございますか。ああ、クリス様からマーマレードの皇太子の婚約者にされそうだからその前に連れて逃げてくれというお手紙でしたか」

思い出してアーサーが言った。


「そうだ」

「少女らしくてめちゃくちゃ可愛らしいお手紙でしたな」

微笑んでアーサーが言う。


「笑い事ではないぞ。流石にそのままオーウェンに見せたら、やりかねなかったから、留め置いたのだが」

「クリス様にその件について両国の国際問題になるのを危惧して留め置いて申し訳なかったと詫び状を認められたらいかがですか」

「私が詫び状を書くのか」

不服そうに国王が言う。


「はい。そうして頂ければ臣がそれを届けてまいります」

「その方が参るのか」

「はい。殿下を始め次代の世界を背負って立たれる方々にご挨拶してくるのも宜しかろうと。ボフミエのスカイバードなるものにも興味がございますし」

「そうだな。その方の息子も修行に出せばどうだ」

国王が言い出した。

「次代の指導者の多くがボフミエに来ておる。そこで人脈を広げておくのも良かろう」

「左様でございますな。早速検討してみます」

早速、アーサーはドラフォードの学園を卒業した息子をボフミエに送る算段を始めた。


皆さん、ここまで読んで頂いてありがとうございます。

皆様のおかげでついに5400ポイント目前です。

これもここまで応援いただいた皆様方のおかげです。

感謝の言葉もございません。


そして、今章の目標はなんと 1万ポイント


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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


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第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
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