閑話 クリスがラブレターをくれていたのを大国皇太子は知りませんでした
閑話もこれが最後です。
1週間以内に新章開始します
「ジェキンス!どういうことだ」
閣議が終わった後、クリスはさっさと執務室に行ってしまった後にオーウェンがジェキンスを問い詰めた。、
「いやあ、8年前にメイさんからお手紙いただいたんです。その中にクリス様からオーウェン様あてに手紙が入ってまして」
「おい、それをなんで俺に見せなかった」
「いやあ、国王陛下からはオーウェン様に来た手紙は全て目を通して報告するように言われていたので」
「でも、主人の俺に見せるのが先決だろう」
「まあ、普通はそうなんですけれど、オーウェン様はクリス様には特別の感情をお持ちみたいでしたし、一応先に国王陛下に耳に入れておこうと」
ジェキンスが言い訳する。
「で、なんで俺はクリスが手紙を寄越してくれたことを知らないんだ」
「クリス様の手紙にはエドワード様との婚約が決まりそうだからその前に助けに来て欲しいみたいな事が書かれていて、陛下は国際問題になってはいけないから、届かなかったことにしろとおっしゃられまして」
「お前そんな大事なことを主人に言わないなんて」
オーウェンはブチギレていた。
「でもクリス様、そんな事書かれるなんて、めちゃくちゃ大胆ですね」
「今の慎重なクリスからは考えられない」
「エドよりもオーウェンのほうが良かったんだ」
「信じられない」
「余程オーウェン様がよく見えたのですな」
「こんな奴なのに」
皆のジト目がオーウェンに刺さる。
「でも、思い切ってオーウェンに告白したのに、無視されたんだ」
「オーウェン様からのお返事ずうっと待っておられたんですけれど、来ないからベッドの中で丸くなられて一日中泣いておられました」
メイが悲しそうに言う。
「ひどい」
女連中が白い目でオーウェンを見る。
「いや、ちょっと待って、悪いのは俺でなくてジェキンスだろう」
「部下のせいにするなんて、ジェキンス様も国王陛下の命令を聞かれただけなのに」
「本当だ。王子は全責任を負わなければいけないのに」
「そうやってクリスは傷つけられたのか」
「俺が悪いわけ?」
「でも翌朝、目を真っ赤にされて言われたんです。大国の王子殿下にそもそもクリス様がお話するのもおこがましいし、手紙なんて送って気持ちを打ち明けてはいけなかったんだって」
「そうか、可愛そうなクリス」
「本当に」
「それからご自身の感情に蓋をされるようになって、それまで本当に感情豊かでおしゃまな女の子だったのが、見ていて辛かったです」
悲しそうに言うメイに皆白い目でオーウェンをみた。
「覆水盆に返らずと言いますからな」
「まあ、クリスがオーウェンを避けるのはよく判るわ」
「仕方がないですね」
皆が納得する。
「おいっ、ちょっと待て。俺は知らなかったんだって」
オーウェンは必死に言い訳するが、
「言い訳は男らしくないですわ」
「本当に女心を弄ぶなんて」
「最低です」
女達には相手にされなかった。
おまたせしました。まもなく新章開始です。
何度も言いますが、次章でクリスとオーウェンは結ばれます…………
本当にこんな感じなのに、結ばれるのか??????
乞うご期待








