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皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
第十章 マーマレード元皇太子の反撃

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閑話 近寄れないクリスとオウ (クリス視線)


オウの事は昔はいいお兄さんだと思っていた。


ジャンヌ殿下は気前のいいお姉さん。


でも、3っつの年の違いは大きくて剣なんかでは到底太刀打ちできない。


魔力はクリスの方が大きかったけど制御ができなくて、見つかると怒られるから使えないし……城が壊れるかもしれないし・・・・大きな廃屋なんて小指でちょっとやっただけで消し飛んでいた。


でもお姉さまにはカエルは掴まされるし、ミミズを釣り針に挿して釣りもさせられるしで、全然侯爵令嬢らしくない生活をさせられていた。


もっともお姉さまもお姫様らしい生活をしていたわわけではなくて王妃様にいつも怒られていた。


エドはいつも必死にお姉さまから逃げていたし、お母様はまだ小さいウィルの面倒見るのに忙しくて大変だった。


そんな時に年に1回夏にオウが来てくれた。


オウは気さくで本当に小さな紳士だった。


ジャンヌお姉さまが騎士らと稽古している時も、私の面倒をよく見てくれていた。


私をお嬢様扱いしてくれるオウが好きでよくくっついて回っていた。


昔は自分も積極的で厚かましかった。


そんな時だ。オウが助けてくれた時に、キスして将来お嫁さんになってあげる


なんて言ったのは。


本当に思い返すだけで恥ずかしい。


南の超大国ドラフォードの皇太子殿下にそんな事を言えたのだから。

こちらは小さくはないけれど中堅国家の高々侯爵令嬢に過ぎないのに。

今だったら絶対に恥ずかしくて言えない私の黒歴史だ。


それを王妃様に見られていたのかもしれない。


その夏オウらが帰ったあとに王宮に呼ばれて、国王様と王妃様から直々に頼まれたのだ。


「エドの婚約者になってほしい」と


それは青天の霹靂だった。


エドのことは嫌いではないけれど、いつもいじめられていたし、そう言う関係になるとは思ってもいなかった。


でも、元々我が家ミハイル侯爵家は何代かに一度王家に嫁を出す家柄。


現国王様の母上が我が家から出ていた。


お父様はとても厳しい顔をしていたが、お母様は諦めの表情が伺えた。


その後エドと二人になった時に、今までの事を謝られて、好きだったと告白された。


ここまで言われたらもうどうしようもなかった。


私はオウへの想いを封印して、未来の王妃になるために己の心も律するようになった。


本当に王妃様の礼儀作法教育は厳しくて、何度も泣きそうになったけど、必死に耐えた。


でも、1年前に婚約破棄された。


エドとはしばらく仲良かったが、何故か4年前から距離を置かれるようになっていた。


今回も謝られたが、詳しくは何故そんな事をしたか教えてもらえなかった。


お姉さまがそのエドを叩きのめして、あんな奴は二度と王宮の敷居を跨がせないと豪語していたが。


王妃様と対峙した時のことはよく覚えていないのだけれど、お酒を飲まされてまたとんでもないことをしたらしい。魔王も私が退治したとのことだったが、怖くて何をしたか未だに聞けないでいる。


というか、目を覚ました時にオウに抱きつかれそうになって、今までのことが全てフラッシュバックで蘇って思わず恥ずかしさで、障壁ではじき飛ばしてしまった。


頭がパニックで、恥ずかしさで死にそうだった。


そして、それから3日間オウを避け続けている。良くないことだと思うし、話もしなければと思うのだけど、恥ずかしくて心が受け付けないのだ。

何故か他の人は近寄れるのに、無意識でオウだけ遠ざけているらしい。オウはどんなに頑張っても障壁で近寄ってこれなかった。


筆頭魔導師と内務卿でこれはいけないと思うのだけど・・・・


ミアからは残念なものをみるように見られるし、王宮の侍女たちからは生暖かい視線を感じるのだけれど、これだけはどうしようもなかった。



オウのことを考えると体が熱くなってどうしよも無くなるのだ。


頭に血が上って何もできなくなる。


まともに見ることすら出来ない。


でも、そこに悪魔のお姉さまがやってきた。


「クリス、あなた、よくも私に酷いことをしたわね」

お姉さまは最初から喧嘩腰だった。


「えっ、そんな事言われても、賛成されたのはお姉さまではないですか」

確かに酔って王妃様の礼儀作法講座に参加させると書いたのは私だけど、それにお姉さまも喜んで署名したのだから、言われる筋合いはないはず。



「それは、私は単純だから、クリスの浄化魔術に一番反応してしまったのだ………」

「お姉さま。そんなの言い訳に過ぎません。確かに、おエネ様は単純かもしれないけれど、サインしたのはお姉さま自身です」

「ええい、単純って言うな」

「言ったのお姉さまでは」

「自分で言うのは許せても、他人に言われるのはうのはなんか違うぞ」

お姉さまはあいも変わらずだ。

そんな事言われても・・・・・


「だからクリス。お前も罰を受けるべきだ」

「ええええ、それなんか違うと思うんですけど……」

そうは言いつつも、まあ、礼儀作法講座なら受けても別にそんなに問題はないって私は思ったのよ。お姉さまは強引だし。


「だから罰として今から2時間オーウェンの横に座っているように」

「えっ、そんな」

私は固まってしまった。


「だってクリス。オーウェンの隣に座れないと何かと不都合だろう。そもそもお前らは筆頭魔導師と内務卿なんだから」

お姉さまが、至極真っ当なことを言われるのを聞いて、私は唖然とした。

いつもは駄々をこねるお姉さまに常識論を言う私という構図なのに、全く逆になっている。


お姉さまが言うのはまともなことだ。私よりも。

でも、オウが横にいると思うと………


「そもそも、今のままだとスカイバードに乗って帰れないじゃないか」

確かに、お姉さまの言うとおりだ。


今の障壁の範囲はスカイバードの機内の幅を超えていた。

たしかに今のままでは一緒に帰れない。

これは早急に治す必要がある。ボフミエ魔導国のヘルマン様やコレキヨ様からはできるだけ早く帰ってきて欲しいと言われている。


「判ったな、クリス」

こう言われれば仕方が無かった。


「はいっ、努力します」

「クリス、別に無理しなくても」

心配そうにオウが言うのが聞こえるけど、ここは皆のためにも耐えなければいけないわ。


オウがゆっくりと近寄って来る。


私は障壁をなくすように必死に努力した。

心臓がドキドキする。

顔も真っ赤だ。

でも我慢しないと。


オウがやっと横に座った。

でも、体が少し触れたの。少しだけ。


それが駄目だった。


「ぎゃっ」

一瞬にて障壁が出来てオウは王宮の壁に向かって弾き飛ばされて激突していた。


私もパニックで気がとおくなっていた…………


皆さん、ここまで読んで頂いてありがとうございました。


取り敢えず、これにて完結です。


また少し立ってから続き書いていこうと思います。


評価まだの方、ブックマークまだの方は宜しくお願いします。


現在新作考えています。


少しお待ち下さい。


今後とも宜しくお願いします。

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ここまで読んで頂いてありがとうございます。
この話の

シリーズ一覧

はこちら

『シャラザール帝国』

https://ncode.syosetu.com/s1987g/
クリスとシャラザールのお話です。

この話が電子書籍化されました

3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

第2巻『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■第2巻【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■第2巻【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■第2巻【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/


第1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』

表紙画像
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■第1巻【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■第1巻【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■第1巻【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

私のお話

【書籍化】

しました!
アルファポリスのレジーナブックスにて

『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク


■楽天ブックスへのリンク


■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

私の

新作小説

はこちら!

『ヒロインに躱されて落ちていく途中で悪役令嬢に転生したのを思い出しました。時遅く断罪・追放されて、冒険者になろうとしたら護衛騎士に馬鹿にされました。護衛騎士と悪役令嬢の恋愛物語』

https://ncode.syosetu.com/n0185hu/

公爵令嬢キャサリンは憎き聖女を王宮の大階段から突き落とそうとして、躱されて、死のダイブをしてしまった。そして、その瞬間前世の記憶を取り戻するのだ。そして、黒服の神様にこの異世界小説の世界の中に悪役令嬢として転移させられたことを思い出したのだ。でも、こんな時に思いしてもどうするのよ! しかし、キャサリンは何とか、チートスキルを見つけ出して命だけはなんとか助かるのだ。しかし、それから断罪が始まってはかない抵抗をするも隣国に追放させられてしまう。
「でも、良いわ。私はこのチートスキルで隣国で冒険者として生きて行くのよ」そのキャサリンを白い目で見る護衛騎士との冒険者生活が今始まる。
冒険者がどんなものか全く知らない公爵令嬢とそれに仕方なしに付き合わされる最強戦士の恋愛物語になるはずです。ハッピーエンドはお約束。毎日更新目指して頑張ります。

私の

イチオシ

の小説はこちら

『好きになったイケメンは王子様でした~失恋から始まるシンデレラ物語・悪役令嬢もヒロインにも負けません』

https://ncode.syosetu.com/n2724hj/

平民で薬屋の娘リアは幼馴染のカートの勧めで特技を生かして王立学園に行くことに。でも、そこには王子様やお貴族様がいて、出来るだけ避けようとしたのに、何故か王子らと親しく?なってドンドン深みにハマっていきます。悪役令嬢や可愛らしい女の子が何を勘違いしたのかリアに絡んでくるけれど、リアが好きなのは王子ではなくカートなのに。でもそのカートの動きも怪しくて・・・・
カートの正体がわかった時、リアは・・・・。
王立学園で繰り広げられるドタバタ恋愛・シンデレラ物語。

ネット小説大賞運営チーム様から感想いただきました。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。
― 新着の感想 ―
[一言] クリスとオーウェンの関係は心の距離が近づくと、物理的な距離が遠くなるのは、運命(筆者の思惑)なのでしょうか。 いつかクリスの恋愛に幸が訪れますようにお祈り申し上げます。 続きと新作、両方と…
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